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MRI好きと幻覚

MRI。
頭部MRIを受けて以来、その心地よさが忘れられない。以前受けた時は手術前の事前検査であったから一年以上前だがその時もたしかにすぐに夢を見たし、気持ちよかった。

頭をホールドされる感じと(その時は耳栓を勧められたが。今回は耳栓なしのダイレクト状態)顔に乗せられる時計仕掛けのオレンジみたいなガードで包まれる感じとMRIの機械に入ってさらに強くなるホールド感。

心地いい。その上じんわり暖かくなる感じ。最高である、私としては。わずか30分しか入ってられないのが惜しくなるくらい好きだと思った閉所恐怖症にとっては地獄だとしても。しかもお手軽に神秘体験手前まで体験できるのだ。あくまで私は。

神秘体験、宗教体験というのは側頭葉、頭頂葉、後頭葉の接合点に位置する言語概念連合野が働いて体験するものらしい。

抽象概念を生み出し、概念を言語と結びつけるのは言語概念連合野であるので言葉の意味や作用に関しての認知作用のほとんどすべてをこの部分で負い、意識の発生と意識の言語的表現にとって必要不可欠な領域がここ。

その分野が神秘体験や宗教体験を経験させるというのがおもしろいしなるほど、理にかなってると思わされる。


上のWIREDの記事によると人為的に幽霊を感じるために必要なのは電磁波と低周波。ロンドンのゴールドスミス大学の研究者と建築家ウスマンハクは科学的に幽霊を設計した、と記事に書いてある。

それだけでなく幽霊を見せるために電磁波と低周波の装置を作り上げてそこに情報を付加した。つまり、幽霊の目撃談に事欠かない場所だったり、いかにも幽霊と関連つけられそうな白い布だったりを用意した。

どうやらこの簡単な記事を読む限り、装置そのものよりこれら情報の方が幽霊を見るために必要なものだったらしい。

つまり、人間は物語を作ることを辞められないということと予期不安をすることで生き残ってきた人類の歴史と幽霊は近い場所にあるのだということを物語る。

でも、ひとつ気になる一文があった。幽霊を"感知"した人たちは「チームが分析を行なったところ、統計的に有意な関連性が認められたのは、ある種の心理学的傾向を調べるテストにおいて、高いスコアを示した被験者のみだった。そのテストは、側頭葉が不安定なてんかん患者が訴えるような「超自然的感覚」を経験しやすい者について測定するものだ。」(WIREDの記事より引用)

私が頭部MRIをすることになったのは三叉神経痛を起こしたからだ。これは脳神経の領域になる。別名疼痛チック症である。

三叉神経がなんらかの原因により耐え難い痛みを伝えてくるのだがよく原因は分かってない。せいぜい動脈が老化して三叉神経の根本とぶつかるから、とかだ。ただ稀に脳腫瘍の可能性もある。なので頭部MRIを、という流れだ。結果的に脳に異常はなかった。

対処法としてカルバマゼピン(抗てんかん薬)と鎮痛消炎剤を飲む。脳の異常な電気信号を遮断する目的なのだと思うが、たしかに飲んだらあの地獄の痛みが治った。つまり逆に言うと幽霊を見やすい状態にあったと言えるのかもしれない。抗てんかん薬が効果を示す脳の状態だったのだから。

だから今日は松雪泰子に似たコケシのようなオカッパ頭で丸顔の存在が複数人一列に並んで『マ、マ、マ、マ、マ』とリズムに合わせて歌っている幻覚を見た。

真っ赤な口紅と白いペーパークラフトみたいな衣装だった。それが終わると中世ヨーロッパの貴族男女が山積みされた丸いお菓子を食べながら『ヴァ、ヴァ、ヴァ、ヴァ』とリズムに合わせていた。

MRIは大きな電磁石で磁場を発生させるために電流を流すとローレンツ力が働きMRI装置の骨格、周辺機器が歪み電流が止まると元に戻る。それを高速で行なうとあんな音になるのだそう。

2回ほど頭部MRIを受けて2回とも夢のような幻覚をみたからなに?と思われるだろうが。電磁波と周波数と共鳴となにかあるんじゃないかと楽しくなってしまった。

新潟大学歯学部のこの熱血MRI解説を読んでその絵面だけでちょっと笑ってしまったのだが、 もちろんこれを読んだだけで私がその原理を理解できるはずはない。

ないけれども、WIREDの記事と合わせてものを知らない私は電磁波と周波数と情報で、人は見たいものをもしかしたら観るというか視るというか体験できるのじゃないか?とチラッと考えたということだ。

あくまでも見る人と見ない人がいるということはあるにせよ、そこに情報を付加したら大抵の人はなにかを感じるのっておもしろいなぁと、単純な私は思っている。

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