見出し画像

一番の業務改善理解者が退職した話

こんにちは。ほりです。

kintoneをはじめとして、社内で業務改善を推進しています。
kintone管理者もしくはkintone担当者あるあるだと思うのですが、社内にわかってくれる人、一緒にやってくれる人、応援してくれる人がいないみたいなことになりがちです。

私も当初、もれなくこれに当てはまりました。

どんどん良くしていきたいのに、周りからの理解が得られず足踏み状態。これは私のプレゼンが悪かったり進め方が悪かったりしている部分も大いにあるのですが…。
とにかく、自分の理想が自動車くらいのスピード(いきなり新幹線はさすがに求めてない)なのですが、実際には軽いランニングのようなスピード(とはいえ歩きよりは速いので何もしないよりマシだよね)な感じでした。

1人、同じ部署で働いている人がいました。

私と同じく時短勤務で子育てしながら頑張って働いているママさんです。

彼女はパソコンスキルはそこそこ。各種Officeソフトや業務ソフトはフツーに使えるけどショートカットや関数などを駆使して使うほどは詳しくない、くらい。

だから、最初はkintoneを利用することの意味はわかってもらえませんでした。

「業務で困っていることはない?」と聞くと、「特に困っていない」と返ってきました。

だけど第3者の私から見ると、あきらかに効率が悪かったんですね。個人の作業の進め方よりも、業務の順序やお作法、意味のない作業や確認、そういうものをとにかく一生懸命取り組んでいました。

そう、彼女は何も疑うことなく、一生懸命仕事をしていたのです。

決められた仕事をしっかりと全うしていたのです。何も悪くない。これは彼女の問題ではなくて、会社全体として業務に改善点がないかを模索していない、もしくは、放置や後回しにしてしまっている組織の方に問題があります。(あんまり言うと怒られちゃうかな…)

実際、彼女は与えられた仕事はきっちりこなしていたし、雑務なども気を遣って色々とやっていました。定期的な作業は、きっちり期日通りに仕上げることができる人でした。忙しくても業務が多い月末月初でも、事前にどれくらいの作業量がありそうかを把握しておいてスケジュールを立てて取り組んでいました。すごい人です。

少し話が逸れました。

とにかく、彼女は一生懸命がんばっていました。

だから、私はkintoneを使って、もっと彼女がやりやすい環境を作りたいと思いました。

「何か困ってない?」
まずこの聞き方を変えました。
先に、必要なアプリを作って、「私を信じてこれに入力してね」とお願いしました。

そして、入力するときに書く内容が思いつかなかったり、何を書いたらいいかわからないところがないかを聞きました。要するに「何か困ったことはない?」なんですが、より具体的に聞いてみたということです。

彼女は私を信じてくれました。

これまでの業務でやっていたように、決まりを守ってきっちりkintoneに入力してくれました。そして、ここの書き方がわからないと言ってくれたところはすぐに改修していきました。

そうやってどんどん、アプリの形が変わって使いやすくなりました。アプリを育てる、そういう感覚です。

そうすると、彼女からも要望が出始めました。

・問い合わせ登録アプリ内に会社リストアプリ登録用ボタンがあるので、それをこっちのアプリにも入れてほしい
・このアプリからこっちの管理アプリに情報を引き継いで登録したい
・みんなの要望を書き込む何かが欲しい
・通知の@で全員分を1つずつ追加するのめんどくさい。どうにかできないの?
などなど。

私もこれに応えました。要望を出してくれるなんてサイコーです!それはもう頑張ります。調べます。基本機能でできないことならJavaScriptカスタマイズしてみたりプラグイン探してきたりします。

そうすると、喜んでくれるんですね。

ありがとう!

それだけでまた次の改善の活力が生まれます。

もちろん、これはkintoneに限ったことではありません。

そもそも社内の業務の仕組みが悪いよね、という話になれば、社内システム開発担当のところに行って話をつけたりしました。

彼女は専門的なIT知識はなかったので、私が橋渡しをしたような感じです。彼女に最終的なイメージだけ考えてもらって、現状との差異から今できそうな改善策を私が提案する流れです。

じわりじわりと改善が進みました。

そのうち、彼女も改善に興味を持ち始めました。多分、潜在的にそういう思考はあったんだと思います。それが表に出てきた。すごくいいことでした。

もちろん、もっと改善したいのに!!と二人でモヤモヤとすることもありました。

それでもできるところからコツコツと進めていきました。

私がkintoneについて勉強していることも応援してくれました。認定資格試験に合格した時も、彼女は特にすごく喜んでくれました。(ほか社員は、あ、受かったんだ~おめでとう~(・ω・)くらいの反応でしたw)

もはや、彼女が私の業務改善欲の支えとなっていたのは言うまでもありません。身内に応援してくれる人、一緒に考えてくれる人がいることのなんと心強いことか。私が前線へ出て戦っているところに、そっと拠点で後方支援してくれているような安心感。

そして転機が訪れます。

彼女が会社を辞めることになったのです。

とてもとてもさみしく思いましたが、引き留める理由もなければ、むしろ新しい生活に向かって応援したい気持ちでいっぱいでした。

彼女は、主に注文や請求などの業務に関わっていました。ここはkintone化できておらず、社内システムを使っていました。社内システムはかなり長く使っているので、いろいろと支障が出ている部分もあったそうです。

情報一元化をしてほしくてkintoneに情報を持ってくることを提案し続けていますが、なにぶん、基幹的な業務システムのためなかなか決断がされません。お金の絡むところですので、kintoneにするにしてもそんなにホイホイできるわけでもないですしね。

ですが、引継ぎ先の社員に色々と教えているうちに
このままではいけない。
と感じたそうです。

今のままの社内システムではどうしても効率が悪すぎるしミスも発生しやすい。自分がやっている間は自分の中に手順があったからどうにかなっていたけど、これは他人に引き継げるようなものではない。やはりきちんと整えなければ。

そういう風に思ったそうです。

そして、上司に直談判しました。

直接お金の絡まない一部だけでいいから、kintoneに業務を移したい。

最初は抵抗がありましたが、引継ぎが困難であること、このままではずっと効率が悪いままということを説明して許可をもらいました。

これは私は後方支援しかしておらず、彼女自身が材料をもって説得しました。素直にすごいです。

そして、彼女は自分で業務アプリを作りました。私はやり方を教えるだけ。といってもほんとの最初だけ。
できたアプリを私に見せてくれて、「見て見て~私にもできたよ!!(*^▽^*)」と喜んでいました。私も嬉しくて大きな拍手で称賛しました。

kintoneを本格的に運用して2年ほど。いつの間にか、彼女のkintone力が大幅に向上していました。

  • 社内システムで使っているExcelを読み込んでアプリを作る

  • 項目によって適切なフィールドを選択する

  • アプリを先に作って、社内システムから出したcsvを読み込ませる

  • 使いやすい一覧を作成する

kintoneをこんなに使えるようになっていたなんて…!

めちゃくちゃ嬉しかったです。いやまじでいつのまにこんなにできるようになってたの?!って思いました。
引き継ぎながら、使い勝手がいまいちな部分の修正まで着々と進めていました。何もチェックしてないです。全部おまかせ。(あ、一応最後に管理者目線でちらっと確認はしましたが)

無事、10個弱のアプリを作りきって、彼女は退職していきました。

これだけできれば、きっと将来職場でkintoneに出会っても即戦力で使えるでしょう。個人的な認定証でも渡したいくらいです。
↑アソシエイトじゃなくて、ユーザー目線の軽い資格もあってもいいですよね。運転免許みたいな。

今、彼女が作ったアプリたちは退職後もきちんと稼働しています。
きっと根幹の業務アプリになっていくでしょう。

さて、私の方はというと。

すっかり(´・ω・`)な気持ちになっています。

なにせ、一番の応援者&理解者がいなくなってしまいましたからね…。さみしい。

またそういう人を増やせるように頑張らないとです。
まずは引継ぎで入ってきた社員さんをkintoneに引き込みたいところですw

今回の記事は、このTwitterに関するお話でした。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?