夢の中


#創作大賞2024

ミステリー

夢の中


今日も、いつものように眠りにつくまでの時を。

僕の名前は、青山 悟 (あおやま さとる)
仕事が終わり、家に帰ると部屋の中は真っ暗。
部屋の明かりをつけて、スーパーで買った鶏肉をバックから取り出して、料理を始める。好きなチャンネルの動画をスマホで見ながら、料理をするのは日課になっている。
野菜も適当に切って、鶏肉と野菜とスープに果物はリンゴと、あまりレパートリーを変えずにやっている。これは、面倒くがり屋だから仕方がないと思っている。
一日の時間の中で、1番好きな時間は意外とYouTubeで好きなチャンネルを見ながら、ご飯を食べる時間が、実は1番好きな時間かもしれません。
というよりかは、癒しに近いのかなぁ。
お風呂を、沸かし始める。
その間に、元気な時は食器を洗うんだが、だいたいは寝てる事が多い。たまに、お風呂入れながら本気で寝ちゃう時があって、酷いに時には、1時間後に目を覚まして、お風呂のお湯が流れっぱ。そんな事もたまにあるんです。
今日はお湯を止めて、お風呂に入る。
お風呂に入っている時に幸せを感じれればいい。
お風呂に入りながら、仕事の事を考えるのはやめることにしている。別に、仕事がうまくいってないわけではないけど、お風呂に入りながら考える事は、だいたい幸せだなぁと思うだけ。
あと、たまに星を見ながらゆっくり入りたいと思うんです。
髪を乾かす前に先に歯磨きをして、その後に髪を乾かすと、なんか急に眠気がくる。
寝る前に、携帯を触ると人は目が覚めやすくて眠りが浅くなるらしい。
そんな話をどこかで聞いた事はあったけど、仕事で疲れてる時なんかは、だいたい布団に入ってしまったらすぐに眠りにつく。
それで、だいたい6時間〜7時間前後寝れたら、別に充分だと思っていた。20代なんて、まぁまぁだいたいそんな感じじゃないかな?
30代や40代や50代になると、どうなるんだろ?
たまに思う時があるけど、正直こればっかしは、なってみないと分からないから、考えるのをすぐにやめてしまう。
そんなある日、一日のそんな夜の眠りから少しずつ僕の人生が変わっていってしまいました。

今日はいつもより少し早く0時には、部屋を暗くして眠りについたんだ。
すると夢を見て、自分が砂漠なのか?砂漠なのに、古い建物が並んでいる所に来ていた。
なぜか冷静な僕は、「どうせ夢だろう。」夢の中なのにこんな事を思えてるんです。
そんな中、いきなり坊主の大柄な男の人が現れた。
年齢はだいだい40代前後。もしかしたら30代なのかな?その男が、僕の方に近づいてきた。
「何しにきた?」男の人が、そう言うと僕は、何かを言った気がするが何を言ったかは分からないまま、男がいきなり銃を持ち出し、こっちにむけてきた。
慌てた僕は、とっさに「ちょっと待って!!」と両手を挙げたんだが、すぐに銃で頭を撃たれてしまった。その瞬間に、夢から覚めた。
僕は、夢の中で、銃で撃たれた所が起きた後も凄く痛くて本当に撃たれたようだった。
「変な夢を見たなぁ。」そう言ってる間に頭の痛みは消えていた。
寝ぼけながら、時計を見ると時間は0時15分。
寝始めてから、まだ15分しか経っていなかった。
「なんだ。まだ寝れるじゃん。変なおじさんだったなぁ」そんな事を思い、二度寝をしようとする。
しかし、一方に眠る事ができない。
寝つけないまま、時間が経っていき気づけば眠れないまま2時を回っていた。
たまに、寝れない夜もあるけど今日は疲れて眠気もかなりあったのに、何故か全く眠れない。
そのまま、朝を迎えた。
結局、今日の睡眠時間はたったの15分。
その中で仕事に向かうので、流石の自分でも朝から仕事に行くのがかなり憂鬱だった。
仕事が始まると、有り難く忙しい時間が始めまるが、僕は仕事が好きなので、眠い事は忘れるくらい働いた。残業も1時間だけして、今日も20時くらいには家に着いた。15分しか今日は寝てないので、流石に料理なんかする元気はなくて、コンビニで買った弁当を家について食べた。
お風呂に入ったり、好きな動画を見たり、ゆっくりしたりしていると、あっという間に23時55分を迎えてた。
眠気はピークに達していたので、布団に入って部屋の電気を消して、眠りにつく事にした。
すぐに眠りにつくと、また昨日と同じ古い建物が並ぶ砂漠の所に来ていました。
夢の中にも関わらず、僕は少し驚いた。
「あれ、ここは昨日きた場所じゃないか。」
そうすると、遠くから銃声の音が聞こえた。
建物の陰に隠れて銃声がした方を見ると、昨日の坊主の男の人がいた。
誰かを、銃で撃ったようだった。
僕はとっさに逃げないといけない。と思った途端に、男がこっちを振り向いた。
僕はギリギリで建物に身を隠したので、恐らくこっちには気づいていない。
夢の中なのにも関わらず、僕は撃たれたらまた眠れなくなる。そうとっさに思いました。
『逃げなければならない。』
そう思っていると、足音が近づいてくる。
僕は、大きなゴミ箱に入って隠れていると、男がすぐ近くの場所まできて、「あれ、おかしいな?どこにも居ないじゃないか。」と呟く。
もしかして、僕はまた殺される予定だったのか?
僕を探しているのだろうか?
焦る気持ちが、心臓の音を加速させていく。
しばらく経ち、男はその場所を離れていきました。
男が居なくなったのを確認して、ゴミ箱からでました。男に見つからないように、慎重に他の建物に移動する事にした。建物名A−23

建物の中に入り部屋に入っていくと、そこには部屋の壁中に無数の人の顔写真が貼ってあった。
「なんてキミ悪い部屋なんだ。」部屋に貼られた写真を見ていると、仕事の上司の顔写真がそこにはあった。
「なんで釜島さんの写真が!」すると、外からまた銃声が鳴った。僕は、隠れながら外に出て銃声が鳴った方へ向かうと、そこには、仕事の上司の釜島さんが倒れていた。
僕はすぐに向かって、「釜島さん!しっかりしてください!」撃たれた後があり、すぐに僕も逃げなきゃと思うと、後ろから坊主の男が現れ、銃で僕も撃たれてしまった。今度はお腹を撃たれてしまい、そのタイミングでまた、目を覚ました。
夢から覚めた後には、また撃たれた箇所のお腹が痛かった。本当に変な夢を見てしまう。
そう思いながらも、時計を見ると夜中の1時半となっていた。2日連続で同じ夢を見る事に少し、違和感があり不気味に思えた。
疲れているのにも関わらず、またそれ以降は眠れない。

もしかして男に撃たれたらそれ以降は眠れないのか

まさか、これは夢だ。2日連続で変な夢を見たに違いない。「本当に疲れているな。」
そう思い、トレイに行った後また布団の中にはいり、眠りにつこうとします。
しかし、どれだけの時間目を瞑っていても眠れる事はない。なぜ、寝れないんだ。だんだんストレスが溜まり、布団の中で汗をかいてきた。
結局この日も、それ以降一睡もできずに、仕事に向かう事になった。
約2日間、徹夜気味な僕は仕事が始まる前にコーヒーを飲みながら、机に座り仕事の準備を進める。
すると、いつもは仕事が始まる30分前には、会社に着いている釜島さんの姿がない。
「あれ、珍しいなぁ休みなのかな?」
「釜島さんは今日は休みですか?」
「いや、連絡は無いけど、タバコでも吸っているんじゃないか?」
そんな話を同僚の谷口としていると、仕事が開始する5分前に、慌てて走ってきた釜島さんが現れた。
釜島さんが、寝癖をつけたまま慌てて走ってきたのは初めての事だ。
いつも時間に厳しい釜島さんが、5分前に出社してくるのも珍しい光景だ。それに、目の下にクマができていて疲れてるような顔色をしていた。
『まさか、昨日の夢に出てきた釜島さん。釜島さんも、寝れなかったんじゃないか?』
そんな疑問が僕の中に浮かんだまま、仕事を始める。そして、午前中の仕事はいつも以上に忙しくて、あっという間にお昼休憩の時間がきた。
一階の食堂でカレーを食べた後に、そこの机で寝る事にした。
しかし、体は疲れているのにも関わらず、寝る事ができない。目は凄く覚めている状況。
なぜかこの状況を体験した時に、僕はようやく背中に鳥肌がたって、2日間連続の夢の事について怖さや、恐怖がうまれたのだ。

『あれは、夢なのか?それとも別の何か?』

恐怖が抑えられない僕は、釜島さんの所に行って話を聞きに行く事にした。
釜島さんとは、ほとんどプライベートの話はした事がないし、仕事でも部署が違うので、話をする機会すらもない。
挙げ句の果てに、僕は人見知り。
そんな僕が、釜島さんに急に話しかけに行くなんて、よっぽどの恐怖に違いない。
「お疲れ様です。釜島さん。休憩中に申し訳ないのですが、今お時間宜しいでしょうか?」
『ん、どうしたの?青山君から話しかけてくるのなんて珍しいじゃないか?』
「釜島さん、、昨日は良く眠れましたか?」
『ん、?昨日?なんで?もしかして、今日ギリギリに出勤したからかな?(笑)』
「いいえ、そうじゃなくて、実は僕、昨日の夜に変な夢を見て、坊主の男に銃で撃たれて、目が覚めると、そのまま眠れないのが続いてるんですが、その時に釜島さんもその夢に出てきてて、、、」
すると、釜島さんが言った。
『ちょっと待った。外で話そう。時間はあるかな?』
「あ、はい!」
夢の話をした途端に、いつもは優しい釜島さんの顔が急に、暗くなった。

釜島さんと、外に出てきた。
すると、釜島さんが周りに誰も居ないのを確認して口を開いた。
『青山君も、その夢を見てしまったんだね。』
『と言う事は、あの坊主の男も現れたのか。』
そう、釜島さんも同じ夢を見ていたんだ。
「釜島さんも、見たんですか!?あの夢は一体何なんですか!?坊主の男の人に銃で撃たれると、目が覚めて撃たれた箇所がいっとき痛みがあるんです!そして、そこから全く眠れないんです。」
僕は、鳥肌が止まらないまま全てを話した。
『青山君はいつから、その夢を見ているの?』
「えっと、一昨日の夜からで連日同じ夢を見たんです。」
『そっか。実は私も同じ夢を見ているだ。私は約2週間前から見ている。毎日同じ夢だ。』
「2週間…!という事は、2週間も同じ夢を見ていて、2週間は全く寝れていない状況なんですか?」
『あ、その通りだ。ここ2週間はろくに熟睡も出来ずに、撃たれた後はそれ以降、眠る事ができないんだ。』
釜島さんと僕は、全く同じ夢で同じ状況のまま寝不足が続いている事を知った。
しかし、釜島さんがこの世界のルールについて教えてくれた。
『この出来事の世界では、私が知る限り3つのルールがあった。』
『一つ目は、どんなに疲れてたり疲れてなかったりしても、0時には眠りが突然にくる。どこの場所にいても、自分が急に気を失うような感じで0時には寝てしまう。』
『二つ目は、銃で撃たれない限りはイコール=睡眠時間となっている。これが現実世界と時間感覚が一緒である』
「そっか、つまり撃たれない限りは、寝てる事になっており、撃たれた時点で目が覚めてそこからは寝る事ができない。ということか。」
『そうだ。だから、ずっと逃げ続けてしまったら夢から覚めないのかどうかは、私も逃げ続けた事がないから分からないんだ。』
『そして三つ目だ。』
『自分の顔写真がついている部屋が必ずどこかの建物の部屋にある。その顔写真を見つけて写真を破る事ができれば、この夢の世界のループから抜け出せる事ができる。』
釜島さんから聞いたこの夢の世界のルール。
しかし、僕には疑問がありました。
「三つ目のルールの、自分の顔写真を破ったら、この世界から抜け出せるというのは、どうやって分かったんですか?」
『実は、私がこの世界に来て二日後に私の友人も、この夢の世界に現れたんだ。そこで、友人とアポを取り毎晩夢の世界で、とにかく銃を持った男に撃たれないように逃げていたよ。』
『2人で逃げているとある時、友人の顔写真が載っている部屋を見つけたんだ。気味悪くした友人が勢いで、その場にある自分の顔写真を破いたんだ。すると友人は、その場から急に消えてしまい、次の日に友人に電話をしてみると、夢の世界で起きた事を、全て記憶から消されていたよ。』
『だから、正確には顔写真を破いたら解放されると確実ではないんだか、いつも夢の世界に入ると、友人と待ち合わせしていた場所があるんだが、その友人は次の日から来る事はなかったからね。』
この夢の中での世界と実際に存在するルール。
嘘みたいな話ではあったが、僕はすんなり受け入れる事ができた。
「そういえば、釜島さんの顔写真。僕は見つけました!」
そうだ。僕は昨日の夢で、部屋の壁、全部色んな人の顔写真がある中で、釜島さんの顔写真を確かに見つけたんだ。
『何っっ!?それは、どこの部屋だ!?どこの建物にあったんだ!』
「どこの建物と言われても、、あっ!!確かA−23。A−23の部屋に釜島さんの顔写真を見つけました。」
『ありがとう。A−23だな。これで私は、そこで顔写真を見つけて破る事ができれば解放されると言う事か。』
僕もいち早く、自分の顔写真を見つけないといけない。焦る気持ちもあったが、早く今日の0時になる事に待ちきれなくなっていた。

どうやら、自分の顔写真を破る事がこの世界の脱出方法のようだ。それ知った僕は、釜島さんにお礼を言った後に仕事に戻りました。
午後の仕事は、沢山あったが仕事が全然手につかない感じでした。早く、0時になって顔写真を見つけること。それが僕の頭の中ではいっぱいになっていた。
そして、仕事が終わり家に着く。
ご飯を作って食べた後に、お風呂に入り0時までただ待っていた。
23時半頃に、なぜか凄く心臓がドキドキしていた。
最近の普通な生活を送っている僕には久しぶりの心臓の音だった。
そして、僕は明るい部屋でその時を待っていた。
すると、0時ピッタリになり本当にポツリと意識が飛んだようだった。
そして、連日連夜また同じ場所についた。
砂漠の場所だが、周りは古い建物がそこら中にある。この建物の部屋の中から、僕の顔写真を見つけないといけない。
しばらく探していると、銃声が隣の建物から聞こえてくる。身を隠しながら、顔写真を探すしかない。
A−13の建物に着いた。
そこで顔写真を探していると、釜島さんの姿があった。
「釜島さん!何でここにいるんですか?A−23に行って顔写真を破れば、この夢の世界から解放されるじゃないですか。」
『私は、顔写真を破れば解放されるかもしれない。けど、こんなに建物が多くて、部屋には無数の顔写真。その中から自分の顔写真を見つけるのは大変だろ?1人より、2人で探した方が効率もいいだろ?』
釜島さんは、仕事でも夢の中でもやっぱり優しい。
終わりが見えないと思っていた顔写真の探しも、少し終わりが見えてきたように感じた。
すると、銃を持った男が僕らのいる建物に入ってきた。どうやら男は気づいていないよう。
僕と釜島さんは、素早く机の下に隠れた。
ここで見つかったら、また今日は終わり。目が覚めたら眠りにつくことはできない。
そんな焦りで、僕の手の震えが止まらない。
それを見ていた釜島さんは、僕の目を見て『大丈夫だ。』とささやいてくれた。
それでも、男の足音がこっちに近づいてくる。
男の足が見えかけた途端に、釜島さんが机から飛び出した。
大柄な男に対して、銃を奪いにいっていた。
僕も、一緒に行こうと思ったが、震えで足が動かなかった。
そうしている間に、銃声の音が部屋に鳴り響いた。
僕の心も止まったかのように、体が動かなかった。
すると、一つになった足音が机の所に近づいてくる。
僕は今度こそ、終わりを覚悟した。
『怪我はないか?大丈夫だったか?』
なんと、釜島さんが銃で、大柄な男を撃っていたんだ。
釜島さんの手は、かなり震えているようだった。
「釜島さん、、、僕。」
『いいんだ。気にするな。これは夢なんだ。実際に人を殺めたわけではない。』
僕は、あまりの出来事に手の震えが止まらなかった。夢の中での世界だと分かっているのにも関わらず、妙にリアルな感じがして怖さを感じていたんだ。
しばらくすると、銃を持った坊主の男達が10人程でこっちに向かってきた。
僕と釜島さんは、急いでこの建物から逃げる。
A–32の建物に隠れる事ができた。
その部屋にも、もちろん顔写真が沢山壁に貼ってあった。
そして、僕は疑問を口に出す。
「もしかして、この顔写真が沢山あるって事は僕らみたいに、この夢の世界に関わってる人は世界中に、こんなに居るて事ですかね?」
『まぁ、恐らくそうゆう事だろうね。』
『こんな目にあっているのは、自分達だけじゃなくて、今世界中でこんなに沢山の人が苦しんでいるという事なんだろうな。』
『ほら、外を見てみろ。』
すると、1人の女性が外を走っていた。
僕はすぐこっちに隠れるように、声を出そうとしたが釜島さんが僕に伝えた。
『待て!早まるな。後ろを見ろ。』
銃を持った坊主の男が、ゆっくり歩きながら銃で女性を撃った。
そして、撃たれた女性は消えていった。
消えた女性を見て僕は思った。あの女性も恐らく、現実世界では眠る事ができずに、きっと苦しんでいるのだろう。
すると、銃を持った男性がこちらに気づき走って向かってくる。
今度は、逃げ道がない。
「釜島さんどうしますか?このままじゃ僕達、あいつにやられます‼︎」
『大丈夫だ。さっき、あいつらから奪った銃で私がやる。』
いつも優しい釜島さんの目が、いつもより少し怖く見えた。
すると、いきなり後ろから銃声がなり、釜島さんを貫いた。
釜島さんは、撃たれて消えてしまった。
部屋に、銃を持った男性が2人来た。
釜島さんが持っていた銃を僕は、手に取った。
咄嗟に、銃で撃とうと思ったが、撃てなかった。
そうしている間に、僕も撃たれた。
目が覚めると、また撃たれた胸のあたりが、凄く痛かった。
時間は夜中の3時02分。
どうすればいいのだろう。
もしずっとこの先、顔写真を見つけれずに毎日これが続いて体力が無くなっていって、いずれ僕が本当に倒れたりしたら。
夜中という事もあり、マイナスな事を余計に考えてしまう。
僕が顔写真を見つけるのが先か。
それとも、僕の体力が無くなっていき本当に倒れてしまうのが先か。
そもそも、何なんだこの世界は?
僕が、仮に顔写真を見つけて破ってこの世界から脱出できたとしても、まだ他の人が苦しんでいるのであれば、このまま終わっていいのかな。
どうやったら、あの世界をなくして皆んなが普通に戻れるようになるんだ。
僕は夜中に考えたんだが、いい答えが見つからない。
そうしている間に朝になった。
いつもみたいに、仕事の準備をして鏡を見ると、
どんどん目の下のクマができてきている事が分かった。
それはそうだ。連日連夜ろくに眠る事ができていないんだ。
だんだん精神的にも乱れが出てきているのが分かる。上手くいかない。そう思いながらも、家を出た。
職場に着くと、同僚の谷口が来た。
「おはよー青山。なんか最近夜更かししてるの?めっちゃ目の下にクマできてるじゃん?さては女と毎晩遊んでいるんじゃないのか?」
「そんなんじゃないよ。ただ最近寝付けなくて、睡眠不足なんだよなぁ。」
「まぁ、無理せず休める時はしっかり休みなよ?」
「あぁ、ありがとう。」
同僚の谷口は優しいから、僕のこういう変化にも気づいて、すぐ声かけてをしてくれるんだよなぁ。
すると、しばらくして仕事が始まった。

そういえば、釜島さんの姿ない。

違う部署だから、書類を取りに行くふりをして釜島さんを探しに行った。
だけど、どこにも釜島さんの姿がどこにもない。
もしかして、体調崩されて休まれたのか?そう思った。
同僚の谷口に聞いた。
「なぁ、今日て釜島さんの姿が見当たらないんだけど、休みか何かなのかなぁ?」
すると、谷口から驚きの言葉がでた。
「釜島さん?誰だよそれ?まだ寝ぼけてんのか?」
僕は谷口が冗談を言っているのかと思った。
「いや、お前こそ何言ってんだよ!釜島さんだよ。さっき探しに行ったんだけど、どこにも姿が見当たらなくて。」
すると、谷口が言った。
「もともと、釜島さんなんて、うちの会社には居ないよ?青山、疲れてるからしっかり休めよ。」
谷口からの言葉が衝撃な事だったので、僕はその場で、かなり頭の中がパニックになった。
なんでだ。え。釜島さんなんて、この会社にいない?何を言っているんだ。冗談だよな。
急な出来事に仕事が手につかない。

もしかしたら、釜島さんは坊主の男を銃で撃って殺したから、この世から消されたのかもしれない。
そうなると、もう一つのルールは、坊主の男を殺してはいけない。
殺してしまうと、現実世界のこの世から存在を消されてしまう。
嘘みたいな話だが、どうやら事実だ。
だとしたら、坊主の男には殺されないように逃げて、そして殺さないように、部屋の顔写真を見つけて破る必要がある。
この夢の世界のルールが少しずつ分かってきた。
そして、今晩には必ず自分の顔写真を見つけて、夢の世界からの脱出を心に決めた。
しかし、仕事していても釜島さんの事を思い出して、自分を責めてしまう。
あの時に、釜島さんは自分の顔写真を先に見つけているのに、僕と一緒に脱出する為に残ってくれて、そして僕の為に、あの坊主の男を撃ったんだ。僕が、釜島さんの人生を奪った。そんな気がずっとしていた。
仕事が終わると、1人で飲み屋に入った。
普段1人で外食や飲みに行く事なんて、ほとんどないのに、今日はスーッと入れた。
1人でお酒を飲んでいると、このまま眠って、何もかも忘れたい。そう思った。
何だろう。急に寂しくて寒くなった。
そして今日は、酔いが早くて3〜4杯で頭がフラフラしていた。仕事の疲れもあってか、カウンター席で寝てしまった。
「あっ。しまった。寝てしまった」て思うと、カウンター席の前に、氷水が置いてあった。
酔ってしまっている僕に置いてくれたのか。
水を口にしていると、女性の店員さんが「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。
とても綺麗な女性なんだ。優しくて、綺麗で、僕は、久しぶりにドキっとした。
僕は、女性店員さんに質問した。
僕「歳は、いくつですか?」
女性店員「23になります。」
23歳て事は、僕の2つ下か。23歳には見えない程の余裕があって、すごい落ち着きがあるから、そんな優しさに僕は惚れちゃいそうだった。
普段人見知りな僕も、この日酔いのおかげか、女性店員さんと話しながら、飲む事ができた。
0時には眠りが来るから、23時に店を出て家に帰る事にした。
店を出ると、女性店員さんが出口まで来て、「また来てくださいね。」と言ってくれた。
もちろん、そうゆう接客の業務挨拶だと思いながらも、僕はシンプル嬉しかった。嫌な事もあったけど、今日は飲みに来て本当によかったと思った。家に着いてからは、お風呂入っても女性店員さんの顔が頭から離れなかったんだ。
まぁ、ひょっとしたら好きになっているのだろう。そう思いながらも、0時の時間が近いづいてくる。この夢の世界が、いきなり嫌になってきて、負の感情が溢れだしそうだった。
そして、0時になって眠りにつく。
そしたら、いつも通りの広い砂漠に変な建物が沢山並んでいる所にきた。
とにかく、建物に入り自分の顔写真を探す。いつものように、各地で銃声や悲鳴が聞こえてくる。
僕も急に、全てが嫌になり、座りこんでしまった。なんだろう。もうこのまま、ずっとこの夢の世界と一緒に生きていかないといけないのか?
そう思うと、なぜか急に寂しくて、自分ももう。「この世界から消えたい。」そう思った。
そうしている間に、坊主の男が、こっちの建物に近づいてくるのが見えた。
僕は、考えた。どうせ撃たれたら、また起きてそこからずっと眠れずに、ストレスや疲れも溜まって、全てが嫌になるんだ。そう思うと、坊主の男を殺す事を僕も決める。
「いいんだ。僕を助けてくれた、釜島さんの所にいけるなら、僕ももうここで終わりでいい。」
もう少し、人生を楽しみかったけど、もういいんだ。僕は消える事を決意する。
2階の部屋に入ってきた所を、襲って銃を奪って殺すんだ。そう思い、2階の部屋へ行く。
隠れていると、階段を上がってくる足音がしてきた。どうやら坊主の男が、2階に上がってきているようだ。僕は覚悟を決める。心臓の音がどんどん大きくなっていくのを、感じとれる。そして坊主の男が部屋に入ってきた。
すると、僕は横から入って坊主の男に横蹴りを喰らわす。すると坊主の男が「うわぁぁっ!」と言って壁の方に倒れる。だか、銃は離していない。僕は勢いのままに、飛び蹴りで坊主の男の顔面をクリンヒットさせる。今ままでの怒りとストレスが込み上がってきたのか、そのまま坊主の飛び乗り何発か喰らわせた。だけど、銃を離さず持っている為に、なかなか奪う事ができずに、思いっきり顔面に蹴りを入れて、とりあえず逃げた。
長期戦になれば、ひ弱な僕が不利で体格のいい坊主の男の方が有利だと分かっていた。そして向こうは銃を持っている。だから、長期戦は避ける為に逃げだした。建物から出ようとすると、もう1人の坊主の男が、建物に入ってくるのが見えた。
「やばいっ!!」と咄嗟に思い、隣の部屋に隠れた。するともう1人の坊主の男も階段を上がってきた。2人でもし、この部屋に来たら間違いなくく殺される。なんとか逃げないと。そう思うも、僕の隠れた部屋は奥の部屋だ。坊主の男達が建物から出ない限り、逃げれっこない。
隣の部屋から声が聞こえてくる。
坊主の男①「おい。何やっているんだ。」
坊主の男②「すまない。部屋に入った所をやられてしまった。」
坊主の男①「そうか。もういないのか?」
坊主の男②「いや、たったの今やられたから、お前が会ってないという事は、この建物のどこかに隠れたはずだ。」
坊主の男①「よし、2人で探すぞ。」
2人でこっちの部屋に向かってくる足音が聞こえてくる。
今度こそ終わりだと思った。
だけど、その時に釜島さんの事を思い出した。
なんで、釜島さんがこんな理不尽な事で、この世から消されないといけないんだ。
そう思うと、臆病な僕だけど自然に怒りが湧いて来て、「そうだ。2人とも殺してやる。」
変な自信と力が湧いてきたんだ。
「また、女性店員さんと会って、沢山話したりしたかったなぁ。」急に色々な感情になった。
恐らく僕は、今夜でこの世から消えるんだと覚悟もした。そして足音が扉の前まできた。
そして、2人が扉を開けてきた。
その瞬間に僕は、扉の横から思いっきり坊主の男の股間を足で狙い振り抜いた。そしたら見事に命中して、1人の男が倒れこみ、今度は銃を離した。そしてその銃を奪って、男に撃とうとしたら、もう1人の男は銃を持っておらず、ナイフを持っていた。「確実にこれは勝てる」と思い、銃で男を撃とうとすると、ナイフを持った坊主の男が「待て。」と言ってきた。
僕も思わず、銃で撃つのをやめた。
すると坊主の男が、僕に話しかけてきた。

坊主の男「なぜ、この夢の世界に貴様達がいるかわかるか?これは、単なる偶然だと思うのか?」

僕「どういう事だ。詳しく教えろ!」

坊主の男「敵意満々というな顔だな。いいだろう。教えてやる。この夢の世界に現れる人間達には、ある共通点がある。貴様らのことだ。」

僕「共通点?なんなんだその共通点とは。」
坊主の男「本当の現実世界で、何らかの理由で6ヶ月以内に死ぬ奴らが集まっている。」
僕「何!?どいうことだ。」
坊主の男「本当の現実世界で、6ヶ月つまり半年以内に、病気や事故や事件などに巻き込まれて、死ぬ事になっている奴らがここに集まり、その対象達の顔写真が色んな建物の部屋に貼られている。そして、その顔写真を見つけて破る事ができたら、この夢の世界から脱出ができて、尚且つ現実世界の方でも、半年以内に死ぬ事から解放されるんだ。」
僕「なんだと。そんな話信じられない。ならなぜ、お前はそれを俺に教えてくれるんだ?」
坊主の男「これは、余命半年のお前達に長生きできる為のゲームなんだ。そして、俺達のゲームでもある。」
僕「何?お前達にも、この世界は何か関係しているとでも言うのか?」
坊主の男「あぁ、そうだ。俺達は、かつて人間だった時に、この夢の世界で坊主の男達を誤って殺してしまった末路だ。だから、昨夜それをしてしまった、お前の会社の人間も、今頃俺達みたいな坊主の男になっている。」
僕「釜島さんも、この世界に居るという事か!
」坊主の男「そうだ。俺達と同じ姿になってどこかに居るはずだ。そして、さっき言った俺達のゲームでもある言ったのは、最後のルール。俺達も、余命半年のお前達が毎日来るこの夢の世界で、1000人殺せば、生まれ変われて人間に戻れるんだ。」
坊主の男「ふふっ。だからお前が俺達に銃で撃てるのか?撃ってもいいが、お前も俺達の仲間入りになるぞ?」
そう言うと、坊主の男が笑いながら2人でゆっくり近づいてくる。
本当の話かなんて、分からないが、銃で撃つのを咄嗟にやめてしまった。
その瞬間に、坊主の男達が走ってこっちに向かってきた。
僕は慌てて、咄嗟に銃を向けた。
坊主の男「いいのか?俺達を撃ったら、お前も明日からこっち側の人間だ!!」
僕は、迷わずに銃で撃ち抜くことを決意した。
すると、その瞬間に部屋の中に何かが飛んできた。すると部屋の中で閃光弾が撃たれ、部屋中が光で何も見えなくなった。
誰の仕業かは、分からないけど僕は光で何も見えない時に、1人の人が部屋の中でこっちに走って来る音が聞こえた。
すると、僕の手を掴んで声が聞こえた。
「さぁ、こっち!一緒に走るよ!」
そう言われて、何も見えないまま、誰かに手を引っ張られて目を瞑ったまま、とにかく走った。
坊主の男「くそー!何も見えない!誰だこんな事しやがったのは!!」 
そして、しばらく歩き、目が回復してきた。僕は誰か分からないけど、とにかくお礼を言った。
「すいません。助かりしました。ありがとうございますっ」
そう言うと、1人の女の人が居てゴーグルを外すと、まさかの今日店に飲みに行った飲み屋の女性店員さんだった。
僕「あれ?もしかして、今日飲みに行った。飲み屋の女性店員さんじゃないですか?なんでこんな所に!」
女性店員「あら、お兄さんだったんだね。咄嗟に助けちゃった。でも、駄目ですよ。絶対にあの坊主の男達を一回でも殺しちゃうと。お兄さんも、あの坊主男になってしまいますよ?」
僕は、まさかまた会いたいと思っていた人が、この夢の世界で会うなんて思わなかった。
僕「お姉さんが、この夢の世界に居ると言う事は、お姉さんも余命が残り半年ていうことなのか。」
女性店員「うん。でも、私の場合は、すでにこの世界に来て5ヶ月と2週間経っているから、残りの時間は2週間て所だよ。」
僕「え!?残り2週間?全然時間がないじゃないですか!!早く自分の顔写真を見つけないと、本当に現実世界で、死んじゃうじゃないか。」
女性店員「お兄さんさんは、優しいね。こんな世界に来てまで、まだ人の心配してるんですか?」
僕は、女性店員さんとこの夢の世界でしばらく話した。話しているうちに、飲んでいる時の女性店員さんの、何かどこか寂しそうな目や優しさの理由が少しは、分かった気がした。
でも、この女性店員さんには残り2週間しか時間がないんだ。僕も協力して一緒に見つけないといけないと思った。そして、この夢の世界での武器の置き場も、教えてくれた。
女性店員「ここのAー42からBーIの建物の間に倉庫があって、ここに、さっき使用した閃光弾や爆竹とかが入ってる。それ以上の武器はないんだけど、まぁ危ない時は、これで逃げれる事も分かった。」
「そして、ここの広さはA−1〜A−42までAブロックで建物が42個あって、BブロックもB−1〜B−42まであって42個建物が存在する。そして、それがAからZブロックまであるから、建物を全部回るには、すごく時間がかかる。そして、お兄さんも見たように、建物の中には、部屋中の壁全部に顔写真が載ってる。そこから自分の顔写真を探す必要がある。私が知っているのは、こんな所ですかね。」
僕「AからZということは、建物1000個以上あるのかよっ」
半年も期間があるならと思っていたけど、そうも言ってられないない。早く自分の顔写真を見つけないと、あっという間に、半年後には死んでしまう。そして何より、女性店員さんの余命は残り2週間という事だ。
なんとか、女性店員さんの顔写真も一緒に見つけないといけない。僕はそう思っていたんだ。
すると、後ろの方から銃声が聞こえた。
坊主の男達が5人で、こっちに迫って来た。
とにかく2人で一緒に逃げて、近くの建物に身を隠した。
しかし、坊主の男達も全員でそこの建物に向かってきた。僕は、さっきの場所で閃光弾を持っていたので、撃つ準備はできていた。
坊主の男達が、部屋に入ってきたら閃光弾で逃げるようにした。
そして、坊主の男達が扉を開けて部屋に入ってきた。それと同時に、閃光弾で部屋中光だらけになり、視界が見えない。そして、僕と女性店員はその間に扉の方に走った。扉の前には、坊主の男達が居るので、僕はまた走りながら、思いっきり飛び蹴りをした。何人か転んでいるのを確認して、素早く部屋を出る事に成功した。
そして、建物から脱出して逃げきれた。
そう思った途端に、扉の外で坊主の男に待ち伏せされていた。
僕「何?ここにも居たのかよっ!」
そこで、僕達は銃で撃たれてしまった。
その瞬間に、目が覚めた。起きると、また撃たれた胸のあたりが痛い。僕は、クソっと思いながらも、もう既に夢の世界へ戻りたくなっていた。
今までは、起きた途端にまた嫌々で仕事して0時になるまでに怯えていたけど、今回の僕は、既に夢の世界へ戻りたくなっている。
きっと今日で色々知ったからだと思う。
建物の数は、1000個以上あり。
対抗できる為の、武器の倉庫があり。
坊主の男を殺してしまうと、現実世界で存在を消されて、僕らが、次はあの坊主の男達みたいになり、この夢の世界に来た人達は、何らかの理由で余命が半年。しかし、夢の世界で自分の顔写真を見つけて、破る事ができれば、夢の世界からも脱出できて、尚且つ余命半年ていうのも無くなり長生きできる。
そうこれは、チャンスだ。どうやら、僕は夢の世界に来たという事は、何らかの理由で余命半年となり死ぬ予定だったという事。しかし、これが夢の世界に来た事により、睡眠時間は削られていくが、自分の顔写真さえ破る事ができれば、もっと長生きができる。
そして何よりも、あの女性店員さんの事が気になっていた。朝になるまでずっと考えていた。
あの女性店員さんは、この夢の世界に来て、既に5ヶ月と2週間経っており、残りの時間は2週間しかない。2週間で自分の顔写真を見つけて破らないと、2週間後には、現実世界で死ぬという事なんだ。それだけは嫌だ。しかし、かなり時間がない。残り2週間で建物全部を回るのは、難しいし、坊主の男達の数も多いから、長い時間の間逃げ続ける事も難しくなっている。
だが、ここで諦める訳にはいかない。そして、僕は今日仕事が終わったら、女性店員さんが居る飲み屋に行く事にした。
朝を迎えて、いつも通り仕事に向かう。
なぜだか、今日はいつも以上にやる気が出ていた。というより、いつもの疲れがあんまり無かった。恐らく、早く0時になるのを待ちきれないからだと思う。それはそうだ、自分の命もかかっているし、女性店員さんだって残りの時間がないんだ。だから、早く夢の世界に行って探さないと駄目なんだ。
仕事をしていると、同僚の谷口にも言われた。
谷口「青山どうしたんだ?今日はいつも以上にやる気出てない?何かいい事でもあったの?」
僕「別に、何でもないよ。それよりお前だって今日の会議の資料作り、いつも以上に精度が上がってるじゃん。」
谷口「当たり前だろー。前回コテンパにされて、メンタルボロボロになったけど、今回は逆にチャンスをくれたんだから、しっかりやらないとね。」
僕「そっか。チャンスか。」
何だろう。変な事を考えているつもりではないけど、もし女性店員さんの顔写真を見つけて、余命半年と夢の世界から脱出できたら、何かこう、付き合ったりとか出来るのかな。
僕「いやいや。何を考えているんだ。それに、向こうだって彼氏とか居るかもしれない。」
てか、こんな大事な事。大事な人達に言えたりするのかな?だってよく考えたら、顔写真を見つけきれなかったら、現実で死んじゃうんだよな。
死ぬ前に、色んな人達に挨拶とか。いやでも、こんな話をして誰が信じてくれるんだ。皆んな嘘だと思うだろうし、信じきれていう方が無理があるよなぁ。
仕事もお昼の休憩に入り、1人でご飯を食べて考えていた。
やっぱり、女性店員さんの事が僕は気になり出していた。最近は全然付き合ったりとかしてなくて、5年は彼女が居ないから、人を好きという感情がずっと分からずにいた。
愛みたいなものが、どういうものかも忘れていて、一人暮らしもしているから尚更だ。
ずっと迷子になっているような感覚で、人を好きになるやり方みたいなものを、分からなくなっていた。だけど、女性店員さんの事を考えたりしていると、そう言えば、これが好きなるような感覚だったのを少し思い出した気がした。
だからこそ、今少し気になり出している。
あんまり1人で、外出すらしないような奴が、2日連続で飲み屋に行くなんて、珍しくてどうなのかなとも思ったけど、行く事にしたんだ。
そして、お店に入った。だけど、女性店員さんの姿がない。今日は休みなのかな?そう思った。だけど、気になっていたから、勇気を出してマスターに聞いたんだ。
僕「今日は、昨日いた女性店員さんは居ないんですか?」
マスター「そうだよ。出勤の予定だったけど、体調が悪いみたいで、病院行くから休みになったんだよ。」
そうか。体調悪くて、休みになったのか。体調大丈夫かな。何もなければいいけど。
そう思っているうちにも、やっぱりどこか女性店員さんの事を気になり出していた。
まぁ、恐らく好きなのかもしれない。
でも、体調が悪くても、0時になると夢の世界には行かないといけなくなるんだろうな。
そんな事を考えながらも、お酒を2杯飲んで帰る事にした。家に帰って、お風呂に入り、横になった。約5ヶ月探しても、自分の顔写真を見つけきれないという事は、僕もあんまりゆっくりはしてられないんだ。僕も本気で、この夢の世界で探さないといけないんだ。そして、この夢の世界。もっと僕の知らないルールやカラクリみたいなものは、無いだろうか。AからZブロックまでの、建物を一件一件潰していくのが間違いないか。だけど、坊主の男達の数も多いから、半年で全部回れるかは心配だし、壁中に無数の数の顔写真があるなら、見落としている可能性もあるからな。だけど、まぁ普通に考えても今は、このやり方で進んでいくしかないのか。今まで、建物の数や名前も分からなかったから、適当に探していたけど、それも分かったから、一件一件Aブロックから、探しても行く必要があるか。
そして、そう作戦を考えている間に、0時を迎えた。
そして、夢の世界に来た。
夢の世界に来て、まずは昨日教えてもらった武器倉庫の所行った。すると武器倉庫には、結構大人数が居た。そして皆んなが、閃光弾や爆竹など取りに来ていた。
僕「そうか。最初はここに皆んな来て武器を調達するのか。確かにそれなら、僕も早く行こうかな!」
そうすると、銃を持った坊主の男達が10名程で一気に現れて、銃を乱射しており、次々に人が倒れていく。僕はまだ行く前だったので、建物に隠れる事ができた。
僕「確かにそうだよな。最初に武器を取りたいからここに皆んな来るけど、坊主の男達もここで張っていれば、一気に殺せるという事か。だから、最初は武器倉庫に行くものじゃないな。」
恐らく、しばらくは張っていると思うが、坊主の男達も殺す数を競わされている以上は、必ず動いてくるから、時間が経ってから武器倉庫に行くのが理想なんだな。
しかし、たまたま足元に閃光弾が転がってきた。
これは、ラッキーだと思い閃光弾を入手した。
その後、僕はAブロックから辿っていく事にした。A−1の建物に着いた。そして、僕はこの夢の世界で、疑問を感じていた。
僕「もし、壁中にある自分以外の顔写真を破るとどうなるのだろうか?」
試しに、一枚適当に違う人の顔写真を破ろうとした。すると見た目は薄いA4の紙なのに、全然硬くて破る事さえできない。
そうなると、恐らく自分以外の顔写真はやっぱり破れなくなっているようだ。
それにしても、建物は普通の家の一軒家みたいな感じで、二階まであって壁中に顔写真が、貼ってある。この中から探すのは一件目でも大変さが分かる。正直1000個以上ある建物を全部探すというのは、かなり精神的にもやられるくらいだ。
だけど、そうは言ってられないから、一件目から部屋中の顔写真を探す事にする。
世界中の人達の顔もあるから、そもそも日本人の顔写真を探すのですら、難しそうだ。だけど、一件目が終了する。次はA−2の建物に向かう。今日は坊主の男達にも会うことがなく、次々に建物を進めていけた。そしてA−6まで探して、次はA−7に進む。A−7の建物に進もうとした時だった。A−7の建物から、銃声が聞こた。恐らく誰か殺されたのだろう。
坊主の男が出てくるのを待って、隠れて居た。
すると、誰かが建物の中から慌てて出てきた。
よく見ると、あの女性店員さんだった。
走って逃げているようで、坊主の男が後ろから現れた。銃を女性店員さんに向けていたので、僕は閃光弾を投げ飛ばした。
すると、視界が光だらけで、僕も女性店員さんも坊主の男も全員周りが見えなくなっていた。
だけど僕は投げた本人だったから、目を瞑って、いち早く目が戻り、女性店員さんの手を握り、別の場所に逃げ込んだ。

僕「怪我はないですか?大丈夫ですか?」
女性店員「はい。大丈夫です。有難うございます。助かりました。」
そう言って目を開くと、僕が居たので女性店員さんもびっくりしていた。
女性店員「え!?なんで、ここに居るんですか?」
僕「いや、僕もたまたまAブロックの建物から自分の顔写真を探して行こうと思って探していたら、銃声が聞こえたから、建物に隠れていたら、お姉さんが居たから、勝手動いてました。」
女性店員「あ、いやありがとうございます。凄く助かりました。まさか、次は同じ形で助けてもらう事になると思わなかったです。」
夢の世界とはいえ、また女性店員さんに会えて良かったと思った。
僕「そう言えば、お姉さん、今日は体調悪いんじゃないんですか?」
女性店員「そう実は、昨日からお腹付近が急に痛くて、お店も今日は休んだんですよね。てか、何で体調悪いの知ってるんですか?」
僕「あっ!!いやっ!その、実は今日お店に行って、お姉さんと少しお話できたら…と思って行ったんですけど、マスターから体調悪いから今日は休みだよて聞いたので。」
女性店員「あ、そうだったんですね。心配してくれて有難うございます。それで、お話したい事て?」
僕「あ、その、、お姉さんの顔写真。僕も一緒に探しますよ!残り2週間しかないと聞いたので。夢の世界とはいえ、一度助けてくれたので、今度は僕が助けたい。」
女性店員「そうだけど、お兄さんだって探さないといけないのに…」
僕「大丈夫。僕も、自分のは探しますよ!それに、2人で一緒に探した方が、いいじゃないですか。」
この時に、釜島さんの言葉が僕の頭にすっーとよぎったんだ。もうあんな思いはしたくない。
次こそ、僕も力になるて決めた。
女性店員「ありがとう。私は5月間で後ろのブロックからスタートしたから、始まりはZブロックを探して、そこからYブロック。Xブロックと上ってきて、今探しているAブロックまできた。」
僕「そんなに、探したんですね‼︎凄いですね。という事は、残るはこのAブロックという事ですか。」
女性店員「そしたら、偶然お兄さんに助けてもらってびっくりした(笑)」
僕「いえいえ、僕もまさかお姉さんが、このAブロックにいるなんて予想してなかったです。でも、会えてとても嬉しい。」
そして、僕ら2人はAブロックの残りの部屋を進んで行く事にした。女性店員さんが、まだ行けていない建物は、A−7からA−42という事だ。
もうすぐで、閃光弾も使いきってしまったし、次に坊主の男に会うと、殺されるかもしれない。
だけど、女性店員さんの方を見ると、少しどこか余裕そうというか、冷静にいるように見えた。
そして、A−15の建物まで探し終えた。A−16の建物に入り、探していると坊主の男が外からやってくるのが見えた。
だけど、僕も不思議と焦る事はなく、最初程の恐怖はどこに行ったのか分からない程、冷静だった。坊主の男が扉を開けて入ってきた途端に、僕は前回同様に横から思いっきり飛び蹴りをくらわせた。倒れている時に、銃を奪って外に捨てた。
そして、そのまま近くにあったロープで坊主の男の腕を縛って動きを止める事に成功した。
少しずつ、対応が分かってきた。
そのまま、2人で協力しながら建物の中の顔写真探しを続けていく。
壁中に貼られている無数の顔写真を一つ一つ探していきながら、坊主の男が来ないかも見張りつつ部屋を一つ一つ進めていく。
かなりの緊張感が、僕の足を振るえさせてくる。
そしてかなり、上手くいきA−40まで探し終えた。Aブロックの建物は、残り2つ。
僕は、必ずここの2つにある事を信じていた。
しかし女性店員さんは、ここまで来た苦労と本当に残り2つに顔写真があるのか?心配や不安な顔が少し浮いてきていた。いつも、冷静で少し寂しそうな顔つきが、初めて不安そうな顔に変わっていたんだ。
そして、A−41の建物の捜索を始める。
壁中の隅まで時間をかけて探すも、どうやら見つからない。
そしていよいよ…残りはあと一つの建物。
A−42に辿り着いた。
そして、僕は女性店員さんに言葉をかけた。
僕「大丈夫だよ。必ずあるから。信じよう。」
そうすると、女性店員さんは笑顔を出して
女性店員「うん。そうだね。」と言ってくれた。
そして、Aブロック最後の建物に入る。
一階から進めていく。僕も心臓の音が加速していきながら、目を落とさずに見ていく。
僕は、心の中で「頼む。貼ってあってくれ。僕のはなくてもいいか。彼女のを貼ってあってくれ。」とずっと心の中で叫んでいた。
そしたら、女性店員さんの方から声が聞こえた。
女性店員「あっ‼︎あった!あったよ‼︎」そう言った。僕は、本当に心の底から喜んだ。心の中で「よっしゃ。」て思いました。
僕も喜んで、女性店員さんの方に向かうと、女性店員さんが見つけたのは、彼女の顔写真ではなく、僕の顔写真だった。
女性店員「ほら!見て!あったよ‼︎良かったね。これで、夢の世界から脱出できるじゃん‼︎」
僕は、一瞬で何か変な感情が芽生えた。嬉しい気持ちもあるけど、お姉さんの顔写真じゃなかった悲しみもあり、よく分からない感情になった。
すると、女性店員さんが僕の目の前で、いきなり銃で撃たれてしまった。僕は、一気に焦りと悲しみで腰を抜かしてしまった。扉の方を見ると、坊主の男が銃を持っていた。
僕は咄嗟に土下座をして、叫んだ。
僕「たのむ。撃たないでくれ。これ以上、彼女に悲しい思いをさせないでくれ。」
そう叫ぶも、その後には僕も撃たれてしまった。
そして、目が覚めた。
その時に、頭の中に女性店員さんの事が頭に浮かんだんだ。
何でないんだろう。何でもう少し早くに出会わなかったんだろう。そんな事を頭の中で何度も繰り返した。
そして、その日また仕事が終わり、女性店員さんが働いている飲み屋のお店に向かった。
すると、マスターがいて、僕に言った。
「いらっしゃい。あ、昨日の兄ちゃんかい。あの子なら、さっきまで居たんだけど、急にお腹が痛いと言って、早退させたよ。でも、ほんと今さっきだよ。」
僕「本当ですか!ありがとうございます!」
僕はそう言って、とにかく走って周辺探しまわった。今日会わなかったら、もう2度と会えない気がした。僕は結構、嫌な予感は当たる方なんだ。だから、必死に周りを走って探しまくった。
すると、コンビニから女性店員さんが出てきた。
確かに、お腹の辺りを抑えながら出てきて、苦しそうだった。
僕「お姉さん!大丈夫ですか?」
女性店員「え?何でここにいるの?」
僕「お姉さんの事が心配で話しにきました。」
そして、そのまま近くの公園しばらく話した。
すると、女性店員さんはもう諦めていた。
女性店員「もう。これ以上探しても意味がない。私には残り時間が限られている。もう夢の世界に行っても、眠れなくていいから、すぐに殺されてもいい。」
僕は、そんな女性店員さんの悲しそうな顔がとにかく、どうにかしてあげたかった。
僕「分かりました。まだ一週間はあるので、僕が探し当てます!そして、2人でこの夢の世界から脱出しましょう!」
そう言っても、女性店員さんは「ありがとう。」とだけ言って、諦めているようだった。
僕は、そこから毎日ギリギリまで夢の世界で、坊主の男に見つからないように、探した。
本当にギリギリまで。
そして、それから日にちが経ち、いよいよ女性店員さんのタイムリミットの最終日となった。
僕は最後の日だけど、諦めることは決してなかった。Aブロックから進めた建物探しも、最終日までに、Tブロックまで辿り着いていた。
そして、あれから女性店員さんと会って居なかったので、飲み屋の店に仕事終わりに行ったんだ。
すると、マスターが気づきこう言った。
「兄ちゃん。久しぶりだね。彼女ならね、あれから体調崩して、原因は不明だけど病院で入院しているだ。」
僕は、びっくりして、マスターにどこの病院で入院しているか聞いた。
20時の面会時間ギリギリに女性店員さんの部屋に着き、中に入ると、彼女は目を瞑っていた。
原因不明で、昨夜から起きなくなったみたいだ。
病院の先生にも原因が分からずに、今夜が山かもと伝えられた。
僕は、理由を話しても信じてもらえずに、最後に時間を気にせずに、彼女の部屋に入れる事になった。
最後のチャンスで夢の世界で、彼女の顔写真を見つければ、助かるはずだ。
そして、0時になり夢の世界に入った。U−1の建物からスタートした。僕は慎重に顔写真探しを進めるも、身体中がなぜかとても震えていた。
それでも、最後に顔写真を見つけなければならない。
とにかく、移動はできるだけ見つからないように、走った。
そして、しばらく経ってU−25の建物で女性店員さんの顔写真を見つけた。
喜びながらも、破ろうとすると破れない。
そうだ。この顔写真は自分自身で自分の顔写真を破らないといけないんだ。
そのルールだった事に気づく。
すると、女性店員さんを探す必要があった。
僕は、急いで色々な所を探した。
女性店員さんが、殺されてしまっては、せっかく見つけたのに、全てが無駄になってしまう。
それだけは、本当に嫌だ。彼女を見つけて、自由にしてあげたい。
そう思い、とにかく走り続けた。
坊主の男に見つかる場面もあったが、何とか銃に当たる事なく、必死に裸足になって走り続けた。
すると、Rブロックに入った所で、女性が1人で座っていた。お腹を抑えて苦しそうだった。
僕は、まさかと思い近づくと、女性店員さんだった。
僕「大丈夫ですか?起きてください。助けにきました!」
すると、女性店員さんは、意識が朦朧としていながらも、こちらも見て目を開いた。
女性店員「あれ、何でここに。」
僕「助けに来たんですよ!お姉さんの顔写真見つけたんだ。U−25の部屋だ!!」
女性店員「でも、私。もう全然歩けないの。」
僕「大丈夫!捕まって。いくよ!!」
僕は、女性店員さんをおんぶして、U−25の部屋まで向かった。
女性店員「ありがとう。」
そう言ったのが、小さい声だが聞こえた。
だから、僕は足の裏が血だらけになりながらも、足を進めた。
そして、遂にU−25の部屋まで何とか辿り着いた。しかし、女性店員さんの顔写真の前で、坊主の男が立っていた。恐らくもう顔写真を取ろうとしていた。だから僕は、思いっきり走りながら、坊主の男を捕まえにいった。そして、銃を投げしてて、坊主の男と掴み合いになり、倒れた。
女性店員さんに僕は叫んだ。
僕「早く!!紙を早く破るんだ!」
でも、女性店員さんは、1人では歩けないくらいにフラフラな状態になっていた。
だから、僕は坊主の男と掴み合いになりながら一緒に窓から外に出た。一階だから死にはしないが、坊主の男が下敷きになり、苦しんでいる間に、僕は女性店員さんをおんぶして、顔写真の前まで一緒にきた。
僕「ほら!あとは、破るだけだ。たのむ。最後の力を振り絞ってくれ。死なないでくれ!!」
そう叫ぶと、女性店員さんが力を振り絞り、顔写真を破いた。すると顔写真を破いた瞬間に女性店員さんは、その場から消えた。
そして、僕も足が血だらけになりならがも、最後の力を振り絞り、A−42まで向かった。
何とか、辿り着き。でも、こんなに長くこの夢の世界に居たのも初めてで、夢の世界にも朝日が少しずつ上り始めた。
僕の姿も、半透明になってきてたけど、僕は自分の顔写真の所までいき、思っきって顔写真を破いた。
そして破いた瞬間に、目が覚めた。
目が覚めると、椅子に座ったまま顔を布団の上に乗せていた。そして顔を起こすと、女性店員さんが、僕の手を握ってくれていて。
女性店員「おはよう。」と言ってくれた。
現実世界でも、意識不明だった女性店員さんが、目を覚まして元気な笑顔で僕に、おはようと言ってくれたんだ。
そして、その次の日からは、
あの不思議な夢の世界に行く事もなく、
ちゃんと眠れるようになった。
そして、女性店員さんの原因不明の病気も次の日から、お医者さんも驚くほどに回復して、今ではすっかり元気になったんだ。


終わり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?