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改訂版 〜科学小説 熱力学エントロピーの正体〜その2 ひーろまっつん 松尾浩一著

 私は、今から丁度、34年前の4月に、東京理科大学理学部第二部科学科に入学した。

 当時、私は、公立の養護学校で実習助手の仕事をしながら、夜間大学に通うことになったのであるが、私は、中学校時代から、家計を支えるために、新聞配達や、飲食店でのアルバイトをしながらの生活を余儀なくされて来た。

 高校での成績は、大して良い成績ではなかったが、運良く、東京理科大学理学部第二部化学科の推薦を貰い、推薦入学で大学への入学を果たした。

 そして、それと同時に、埼玉県の実習助手採用試験にも合格していたので、高校卒業と同時に、働きながら、夜間に、大学で学ぶ道を、私は選ぶことになったのである。

 私は、当時から、根性だけは、人一倍あったように思う。

 その私の根性は、どのように身についてきたのかといえば、私は、高校に通う際に、毎日、自転車で1時間以上かけて、高校まで、約3年間にわたって通ってきたことで、培われたものだと、私は、思っている。

 そして、私は、当時から、親元を離れて、妹と二人だけで、自分たちの生活を維持して来たことでも、私の根性は、培われて来たのかもしれないと思う。

 当時から、その根性だけは、誰にも負けない自身があった私だが、大学に入ってからも、仕事をしながら大学に通い、4年間では卒業することが難しいと言われている大学でも、私は、堂々と、4年間で卒業してみせたことでも、その根性を十分に活かすことができたのではないかと、今になって思う。

 しかし、その無理がたたって、私は、大学卒業後に、うつ病を患ってしまうことになってしまった。

 私は、うつ病を患ってからというもの、当時の抗うつ薬の副作用に悩まされることになり、その副作用とずっと戦ってきた。その副作用というのは、口渇と、立ちくらみであったが、通勤電車に乗っている最中に、立ちくらみが起きて、そのまま、電車内で倒れてしまうことが何度かあった。それからというもの、電車に乗ることが怖くなってしまい、仕事に行くことができなくなってしまったのである。

 抗うつ薬を飲むのを辞めることも考えたが、医者から、自分の勝手な判断で薬をやめてはいけないと、しつこく注意されていたため、抗うつ薬を飲むのを辞めたいとは何度も思ったが、それを実行することはしなかったのである。

 その結果、私は、教職を辞めざるを得なくなってしまった。

 そして、しばらくの間、療養を余儀なくされた。そして、その療養している間に、私は、資格の取得を目指すことにしたのである。

 私は、まず手始めに、危険物取扱者乙種第四類資格の取得を目指した。乙四と呼ばれている資格である。これに関しては、ほとんど努力もすることなしに合格できた。それは、私は、大学で化学を専攻していたのであるから、当然の結果だと思う。

 私が、次に目指したのが、二級ボイラー技士の資格であった。当時は、受験資格として、講習の受講があったため、講習を受講してからの受験となったが、これにも一発合格を果たすことができた。

 それから、もう一度、再び、再起をかけて、就職を目指すことになる。

 そして、都内の設備管理会社の面接を受けて、合格したため、再度、就職することにしたのである。

 当時、私は、それまで通っていた病院を変えており、飲んでいた抗うつ薬も、副作用の少ないものに変えてもらっていたため、電車に乗ることも、再びできるようになっていた。そのため、いざ、再起をかけて、就職することにしたのである。

 しかし、今度の設備管理の仕事では、夜勤があり、私は、当時、抗うつ薬を飲んでおり、その影響で睡眠薬も服用せざるを得なかったため、生活リズムがめちゃくちゃになり、6ヶ月ほどで、会社を辞めざるを得ない状況になってしまった。

 そして、その設備管理会社を退職して、第二種電気工事士の資格取得のために、職業訓練校に通うことにしたのであった。

 4ヶ月ほど職業訓練校に通って、国家試験で第二種電気工事士の資格取得を果たしたため、職業訓練校を途中退校することにして、再び、設備管理の仕事で再就職を目指すことにした。

  そして、再び都内の別の設備管理会社に、再就職を果たすことが出来た。

 その会社での職場として、配属された都内のビルで、私は、電気設備の故障状態を確かめるための測定に使う、ハイコーダーというエントロピーを測定する機器と出会い、その機器との出会いが、私を、熱力学エントロピー研究の道に引きずり込む、大きな原動力になったことは確かである。

 そして、それから、私は、実際に、会社を辞め、熱力学エントロピー研究の道に進むことを決意したのである。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

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