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「続・熱力学エントロピーの正体」~Part7~ひーろまっつん著

割引あり

§6. 絶対温度と熱力学エントロピーの正体

 前回、私は、絶対温度とは、熱量に基づいて表される状態量であると述べた。

 そこで、絶対温度を熱量で表すと、次のように表せると思う。

 絶対温度K=J/m3

 実際には、絶対温度を熱量で表すためには、物質の状態や種類(例として、水と水蒸気、理想気体とその液体等)によって、ある係数が関係してくることと思う(つまり、熱量と絶対温度の目盛りを合わせる作業が必要になるということ)が、この場においては、その係数については省略し、単位だけを問題視することにする。

 絶対温度をK=J/m3と表す場合において、その単位だけを、エントロピーの定義式に代入すると、次のように表せる。

 ⊿S[J/K] =⊿Q[J]/T[K]

 ⊿S=⊿Q[J]/T[J/m3]

 ∴⊿S=⊿Q/T[m3]

つまり、この場合の熱力学エントロピーは、体積の変化量として表されることになる。

 これが意味するものについて、ここで、考察していくことにしたい。

 まず、この式の表す意味は、 熱量を絶対温度で除したものは、体積変化になるということになり、それが、熱力学エントロピーと等しいということになるが、理想気体の場合の体積の変化というのは、つまり、仕事量であり、熱量でもあると考えられる。なぜならば、理想気体が仕事をする場合には、必ず、体積変化を伴うためである。また、理想気体の体積変化が、熱量をもたらす場合もある。その場合は、体積のする仕事量が、熱量に変換されて、熱量が発生すると考えることができるだろう。つまり、エネルギーとは、仕事になり得る潜在的な力のことであるから、体積の変化量自体も、エネルギー、つまり、仕事になりうる潜在的な力となることが、理解できると思う。

 つまり、理想気体における体積変化は、仕事量をもたらし、また、同時に熱量の発生も、もたらすことが、きちんと理解できると思う。

 つまり、熱力学エントロピー(変化)という状態量の正体は、体積の変化量のことであるとも、十分に考えられると、私は考える。

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