曇天(2019.2.7)

切りそろえた爪を
明るい灰いろに
ならべて
差しのばす
鳩の兆す矢じるし
それは
なん羽めの鳩だったか
それは
昼とも夜ともつかぬ
いつとも知れぬ
けれど
果てはわたしの中にある
伸びては切る
矢じるしが
足のない鳥となる
いつとも知れぬ
けれど
鳩はあなたの胸へと帰る

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