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シゲンハダレノモノカ?

皆さんは、「しげん」という言葉を聞くと何を思い浮かべますか?


ほとんどの人は、「資源」を思うでしょうか?しかし、資源には、4つのステージがあるとも言えます。


一つ目は,「資源」。地球上にある自然や生物、水、石油などの有限の天然資源です。これらは地球上にある公共物なので、人間だけのものではありません。


しかし、人間には、無限の独占欲と所有欲があり、私物化していきます。限度が過ぎれば、森林伐採や二酸化炭素の排出、地盤沈下などを引き起こしていきます。それが「私源」です。

さらに、人間の欲求が肥大化すれば、ごみが増えます。海洋プラスチックごみ、埋め立て地に収まらないごみ、原発事故で汚染された土 ー これらは自然に分解されずに負の遺産として、長期間地球を痛めます。生物を死に向かわせる「死源」です。


「死源」をなくすのは簡単なことではありません。ただ、人間には困難を乗り切る智慧や協力し合える心があります。それらをうまく使えれば「私源」や「死源」を減らし、「資源」を維持することも可能なのです。社会問題を解決していくための思考・思想の源である「思源」を増やすことが、大人子供に限らず、誰にでも求められるものになります。


今回のコロナウイルス禍だけでなく、多くの社会・経済・環境問題は、巨視的に見ると共通しています。米中の貿易摩擦、イギリスのEU離脱、海洋プラスチック問題・・・ それらは、過剰消費と資本の独占に目がくらんでしまったグローバリゼーションの顛末。

何千年も前から、人は領土や国を奪い合い、植民地化を繰り返してきました。地政学的に言えば、ランドパワーとシーパワーの戦いです。自分(自国)にない資源や資本を他人(他国)から搾取することは、人間の性とも言えます。


お金を稼ぐ手段も、物々交換、安い労働者の使用、大量生産、プラットフォーム化、マネーゲームとリアルなものからバーチャルなものへ移行してきました。目に見える実物から、目に見えない記号を使う世界への進行が進んできたとも言えます。


今回の新型コロナウイルスの感染拡大のような大惨事が起きると、人は一時、目覚めます。「今までのビジネスやライフスタイルは、どこか行き過ぎていたのではないのか?」と。災害は戦争と違って、全員が被害者です。そこにはお金は絡んでいません。


そして、自国だけで問題を解決するのは難しくなります。同じ世界規模の問題でも、各国でCO2排出量の削減目標を掲げる、とかいうのとは次元が異なります。自国ファーストでこのまま動くのか、世界各国が協調して、資源を共有し、適正に再配分する枠組みをつくっていくのか。国民も自分の損得だけを考えて、資源の独占に走るのか、智慧を絞って資源の最適利用を考えていくのか。その選択と覚悟が今、問われているのだと思います。


そもそも、資源やごみの概念も人間がつくったことは忘れない方がよいでしょう。

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