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『月の影 影の海』と『図南の翼』

十二国記
『月の影 影の海』(上下)
図南となんの翼』
小野不由美 著/新潮文庫

ずっと尻込みしていた『十二国記』
noteの親切な方に「図南の翼から試してみるのもいいですよ」と教えて頂いたので読んでみた。

尻込みの理由は大体こんなとこ。

  • 人気がありすぎると斜に構えてしまう

  • 剣と魔法とモンスターの中世ヨーロッパ風ファンタジーが好き。中華風や日本風にまで手を出す余裕がない(精神的に)

  • アニメをちらっと見て、必死な主人公が怖かった(おぼろげな記憶)

全て「はまらないための言い訳」
アニメをちらっとしか見ないで思ったことなんて、言いがかり。こういうのね。はいはい分かりました。私は見なくてもいいなと言いたいだけ。
心を奪われることが怖いのだ。

そんな私が『十二国記』を初めて読んだ時の感情の流れの記録。

2022年12月中旬
『図南の翼』と、きっとすぐに他のも読みたくなると予想して、最初っぽい『月の影 影の海』(上下)を購入。

新潮文庫的には『魔性の子』を1巻に置いてることに気づき少し落ち込む。
しかし『十二国記』のナンバリングはあってなきが如しということも知り、立ち直る。

2022年12月下旬
『図南の翼』を読み始める。
変な漢字使いがちだけど文章自体は読みやすい。
キャラクターも魅力的。
子供にも容赦ないのが新鮮。
まだ探り探り。

別の漫画ブームで『図南の翼』が霞んでしまう。
しばし止まる。

2023年1月🦌
漫画のブームも一段落し『図南の翼』を再開する。
初めは「元気があってよろしい」と思っていた主人公・珠晶のちゃきちゃき感に少し疲れてしまう。眩しい。

2023年1月
ふと思いついて路線変更。
昔ちら見したアニメの印象「重くて怖くて、主人公が思いつめてるっぽい」方が私には合うのかもしれないと思い『月の影 影の海』にしてみる。
これが功を奏す。
最初は思っていたのと違う、察しの悪い主人公・陽子にイライラしたが、騙されて裏切られて「優等生」を捨て始めたところから面白くなる。

私、この国の人嫌いだ。
負けるな陽子。

陽子の髪の色。
鞘。
玉?
ちょいちょい表紙の絵を見ながら読み進める。

上巻が終わったところで、みんなはこれをどう読んでるのか気になりnoteの記事を探ってみた。
『十二国記』関連の記事は大抵ネタバレしている。
noteをそっと閉じる。

2023年1月🎰
『月の影 影の海』読了。
玉、便利だな。
延王が出てきてからグッと興味を引かれて面白くなったが、まだそこまで盛り上がらない。
この時点では、名作だけど自分にドンピシャではないのかなと思う。
延王が主人公の話や、ホラーっぽいと言われている『魔性の子』は気になる。※ホラーが好きな訳ではない
『図南の翼』を再開。

2023年1月🐝
面白くなってきた。
黄海に入ったあたりから、遠足のようなピクニックのような感じがする。
妖魔はいるし、コンビニもないのに妙にわくわくする。言う事聞かない金持ちっぽいおじさん達もいい。
事細かに語られる黄海で生き抜く術に、ゲームのルールのような楽しさを感じる。
最初の方から、わたしゃ頑丘さんが好きだったけど、この辺りからますます好きになる。クールだね。

これを『十二国記』の最初に薦めてくれるって優しいな優しいなと思いながら読み進める。

2023年1月🕊
『図南の翼』読了。
気付けば寝なければいけない時間をとうに過ぎていた。
ちゃきちゃきだなと好感持ったり、子供だなとイラついたりしたけど今は珠晶が好き。一生懸命。忘れた頃に挟まる挿し絵もいい。珠晶と頑丘さんの大きさの違いにはっとする。こんなに小さな女の子が誰よりも強い意志を持って進んでゆくんだよ。大した子だ。
そして終盤の、頑丘さんの「はく」の〝運命〟がいい。
ここで私は『十二国記』が好きになった。
他のも読む。

読んだ順番
『図南の翼』の途中まで→『月の影 影の海』(上下)→『図南の翼』途中から最後まで

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