「これほどまでになめらかさを求める人間とは一体何なのだろうか?」
夏冷えの脚をさしだす重くのろく打上花火散る下に寝て
きょう、晩夏。すこし脚のよくない人とエレベーターホールにて別れる
水の月をかくまうように時があり冷たくなったコーヒーがある
聞き返すかどうか考えているうち墓苑に百日紅の散りしく
青き心と白き心を燃やす火の姿をひねもす眺めていたし
弾かれてそんなきれいなものじゃない玉の光るのをじっと見ている
いつもああ碧の淵に脚を揺らし 「うん」って言って話を了える
芸人がわたしにくれしサブレーが月の下そっとくずれてしまう
(※タイトルは、『我々は 人間 なのか? デザインと人間をめぐる考古学的覚書き』(ビアトリス・コロミーナ
マーク・ウィグリー 翻訳 牧尾晴喜 より)
かばん2018年11月号
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