地域猫レオ448

緑川さんの元にＬe  jasminの社長から訃報が届いた。あのスギタが交通事故に巻き込まれ、命を落としたそうだ。
緑川さんとしては、あのスギタが交通事故で呆気なく亡くなるなんて、到底信じられなかった。
彼女は取り敢えず、スギタが収監されていた警察署に連絡し、担当警察官を呼び出してもらい、事の顛末を聞き出した。
緑川さんは、明日の定例会で、スギタの死をみんなにどう告げようか、思い悩んだ。
スギタの死については、自身も含めた動物を愛する人々にとって、願ったりの出来事だ。従来は人の死を望み、また喜ぶなど、あってはならない事であるが、スギタがこれまで犬猫や飼い主達に行ってきた事を鑑みて、非業の死を遂げたのは自業自得。やむを得ない事だと思った。

翌日の定例会で、緑川さんは早速みんなにスギタの死を告げた。
ヒサコさんや長谷川さんは大層驚き、交通事故は恐ろしい！と同時に呟き、押し黙ってしまった。
ところが、シュンスケとミナ、そして、ケイコさんとマナミさんの4人は既にスギタの死を知っていた。
4人共、うつむきながら、沈黙していたが、ミナが突然、口を開き、緑川さん、実は私達4人はスギタさんの事を既に知っていました。昨日、Ｌe  jasminでお茶してたら、あの社長が慌てふためいて、従業員に話していたのを耳にしたんです。本当驚きました！何て言っていいのか。とても微妙な気持ちです。と告げるのだった。