地域猫レオ447

スギタは取り敢えず釈放された。これから始まる裁判に関しては、Ｌe  jasminの社長が有能な弁護士を付けて無罪を勝ち取ると言ってはくれているものの、今度ばかりは有罪を免れない事を確信し、身辺整理に務める事を決意した。二度の結婚をしたものの、子どもには恵まれず、それに自身は一人っ子であり、両親もとっくの昔に荼毘に伏している。親族と言えばただ一人、2度目の夫の甥がおり、彼に自身の不動産や貯蓄の大半を相続させ、残りの財産は服役後に有料老人ホームに入居するための資金に当てがおうと考えていた。

数日後、Ｌe  jasminの社長から、敏腕と名高い弁護士を紹介したいので、是非とも代表に会っていただき、無罪を勝ち取りましょうとの連絡が入った。もう、弁護士に会わせてくれるのか！？さすが、仕事の速い男だ。とスギタは感心していた。愛車である黒のワンボックスカーに乗り込み、これから運転しようとした矢先、大型トラックがこちらを目掛けて猛スピードで走って来るのが、視界に入った。これはまずいと思った瞬間、スギタは目の前が暗くなり、意識が薄れていくのだった。