#23 家族の機能⑪ 「コミュニケーションのパターン」

家族内部の機能状態
コミュニケーション① コミュニケーションのパターン

コミュニケーションは家族の生命線

1. なぜコミュニケーションが家族の生命線になるのか

(1)家族成員は互いに循環的・円環的に影響を及ぼし合う(循環的因果関係)
(2)家族全体の機能は、家族成員の機能の総和以上のものとなる(非累積性)
これらを左右するのは家族内のコミュニケーション

2.「家族の関係性」はコミュニケーションのパターンで決まる

夫婦によくみられるコミュニケーシがもたらす関係性の悪循環(カップルダンス Midellberb 2001)

(1)衝突のダンス

お互いに自分を正当化して相手を責めるタイブのコミュニケーションパターン
「そうじゃなくて・・」「だから違うのよ・・」
根底に甘え、認めて欲しいという欲求 それが満たされないと怒り
感情をぶつけ合い、問題そのものを話し合えない
「あの時もああだった・・」と過去を引っ張り出して葛藤が大きくなる

(2)距離をとるダンス

自分の気持ちを率直に伝えず、パートナーとは表面的な会話だけをする、一緒にいる時間を減らして距離をとる
「えっつ?別に・・大丈夫、大丈夫」「ふーん・・・そうなんだ・・」

相手に不満や怒りを感じていても、そのことを話し合うと相手も自分も傷つくのではないか
根底には、「相手が傷つくことは言うべきではない」「うまくいっている夫婦は葛藤や問題はない」という思い込み

(3)追跡者・回避者のダンス

一方がパートナーに向かっていき、一方は逃げようとするパターン
「何とか言ったらどうなんだ・・」「そんなこと言ったって・・・」
   
追えば追うほど逃げられ、逃げれば逃げるほど追いかけられるという悪循環
お互いにパートナーが自分のようにかかわろうとしないことが問題
追跡者は相手を追いかけないで立ち止まることが必要
回避者は、距離を取ろうとせず向き合うことが大切

(4)過剰機能・過少機能のダンス

「あなたは私が目を離すといつもこうなんだから」
「すまん(キミがいないとダメだなオレ)」
しっかり者とダメなパートナーの夫婦に見られる悪循環(元来はアルコール依存症)
しっかり者が頑張れば、ダメな夫はますますダメになるという悪循環
しっかり者は、自分から相手に依存することができないので、自分に依存するパートーを必要とする

(5)三角形のダンス

カップルの葛藤に第三者を巻き込むというパターン
夫に言うところを「あなたのお父さんは、結局無責任な人なのよ・・」

夫婦間に緊張がある場合
夫に不満や愚痴を表明せずに、子どもの教育や習い事に過剰なエネルギーを注ぎ、夫とは距離をとる。そうすることで夫婦間の緊張やストレスを見えにくくする
夫と子どもの距離は疎遠になりがちで〈母子〉〈父〉と2対1の敵対関係になりがち
子どもの父親に対する感情やイメージは悪くなりがち
子どもは一生懸命よいこになって頑張るなかで子どもらしい成長が犠牲になることも
子どもだけではなく、実家を巻き込むこともある
二人の問題は、二人の関係のなかで解決する方法を模索する

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