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オッペンハイマーを見てきました

見てきた。

非常に疲れていたときに見に行ったのだが、3時間の長尺も感じぬほど引き込まれた。
原爆の父と呼ばれたアメリカ人オッペンハイマーの人生を描いた映画。

とてもよくできた映画だと思った。
原爆投下前と原爆投下後の映画の雰囲気がガラッと変わる。クリストファー・ノーラン監督は時間軸をわざと崩して描くので、いろんな時代が入り乱れるのだが…。

少し不安定な学生時代から、大学教授の職を得て原爆の開発に至るまでのオッペンハイマーは、不安定な精神を抱えつつも圧倒的な研究への熱意を放っていた。

原爆を作るまでは研究に向かう一心が彼を突き動かしていたのだろう。また、ドイツよりも先に開発したいという競争心、そして戦争を終わらせるという正義感もあったかもしれない。

原爆実験が成功した後に湧き上がる歓声、笑顔、拍手は、原爆が投下された県出身の私としては決して理解できるものではなかった。

一転、原爆後は重苦しい部屋の中のシーンばかりになる。
共産党員である疑いをかけられて追及される。
とことん糾弾されるオッペンハイマー氏を描くことで、彼が生涯抱えていた悔恨の念、自責の念を監督は表現したように感じた。

人間は、新しい技術が自らを滅亡に追い込むかもしれないと思いながらも、その開発や進化を止められない皮肉な生き物だと思う。



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