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奇跡は”ふつう”の中にある

とてもプライベートなことなのですが、私の息子は昨年、中3の時に大変な病を患い、闘病していました。部活も終わり、これから受験勉強がんばるぞ!という真夏のとても暑い時期でした。元気の塊だった子が一瞬で命の危機に陥ったのです。2人で7ケ月間、病院の無菌室で暮らしていました。息子だけが戦地で一人で戦っている。治療薬は核爆弾のような強さで、からだの中から息子が壊れてしまうのではないかという恐怖でいっぱいの辛い毎日でした。

幸い、多くの方のおかげで息子は乗り越えることができ、受験もできて、今年の春から高校生になりました。病院の中で憧れつづけた”ふつう”の日常がもどってきたのです。私自身も社会に戻ることができ、時を過ごすことに対して、生まれ変わったような気持ちになりました。全ての人に平等に与えられているのは、今流れている時間だけだそうです。そう思うと、先のことはあまり心配しすぎず、今、一日一日をきちんと楽しんで生きよう、という気持ちになりました。そんな中で、スタートアップカフェのイベントスペース、古い教室にアートを飾ったらどうだろう?という話が出て、やるやる、やりたい!と動きだし、アートを通じていろんな方と出会うことができたのです。

入院してすぐの一番病状が深刻なときに、生命保険の担当の方に息子の好きなものは何ですか?と聞かれました。私は『キングダム』が大好きです、と答えました。すると、まさか、原先生直筆の信と羌瘣、サイン、メッセージが書かれた色紙をいただいてきてくれたのです。病院の先生や看護師さんに自慢する息子。中華を統一する夢と熱い気持ち、仲間との絆、キングダムの世界が、息子の闘病に大きな力を与えてくれました。

サインをいただいてちょうど1年後の今年の8月、私はお誘いいただき、寺田克也先生の個展のオープニングパーティに参加させていただきました。そうしたら、そこになんと原先生がいらっしゃったのです。実は原先生の憧れの寺田先生が、3年前のダ・ヴィンチの企画で『王騎』を描いてくださった御礼を伝えるために、原先生がいらっしゃっていたとのことでした。

私はあまりのうれしさと驚きで胸がいっぱいになり、なんとしても御礼を伝えたい、と原先生に声をかけさせていただきました。先生も息子に書いた色紙のことを覚えてくださっていて、息子の回復を本当に喜んでくださいました。そして息子とも電話でお話してくださったのです。原先生から『お母さんお仕事は何をされているんですか?』『なんで今日はこちらにいらっしゃたんですか?』と聞かれ、『実は福岡の創業支援施設で働いていて、アートの取り組みをしている中で、知り合った方からご招待いただきまして・・・』と。

アートを知りたいと思って、人から人を紹介していただき、つながってたどり着いた奇跡だったのです。

この話を息子にすると、息子が『奇跡は”ふつう”の中にあるんやね』、と言いました。一日一日は普通の毎日かもしれない。でも病気をして気づいた、普通は”普通”じゃない。なんと言うか普通は普通なんだけど、普通じゃなくて、その普通がつながる中に悲しいこととか楽しいこととかいろいろあって、その中に奇跡があるんだ、と。私は息子の言葉から気づきました。

実は、キングダムの52巻のあとがきの中で、この出会いと思われることに原先生が触れてくださっています。原先生、原先生につなげてくださったみなさん、本当にありがとうございます!

ちなみに私の一番好きなキャラクターは王騎。寺田先生が描かれたのも王騎。王騎~♡原先生と出会ってすぐ、ダ・ヴィンチ手に入れました。なのでうちには寺田先生の王騎もいます。これからもきっといいことも悪い事もたくさんあるだろうけれど、普通をつなげながら息子と生きていきたいです。

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