生まれて初めて心療内科に行った時の話
これは、2018年3月から7月までの間、私が心療内科に通院した時の話です。
はじめに
私は子供の頃から強火の二次元オタクでしたが、抑うつ状態を体験したことで心境が変化して、現在はいろいろ引退して隠居状態です。
重症な方々と比べるとめちゃくちゃ軽症だった人間のレポートですが、こういう事例もあるという記録を残すつもりで書きました。
専門的な話はできません。私の感想を書いているだけです。
通院するまでの経緯
趣味の交流のためにやっていたSNSで疲れる→2013年頃にSNSのアカウントを消す→交流せずに趣味を続ける→突然やる気が無くなって2016年頃に趣味をやめる→これ以降、無気力になり希死念慮が湧いてくる→2018年に限界が来て心療内科へ行く…という流れでした。
最初のきっかけはSNS疲れで、当時はSNSをやめることですべて解決したと思っていましたが、その数年後に時間差で気力を失いました。
今思えば、SNSのせいで、人と接することに対する考えが大きく変わってしまったため、その時点でもう「元の私」ではなかったのかもしれません。
診断結果
私は真面目に死ぬと思って病院へ駆け込んだのに、診断結果は「うつ病と言うほどではないけど、やや抑うつ状態ではある」という激烈中途半端なものでした。じゃあ本当のうつ病はどんなに苦しいのでしょうか?
私はこれまでの人生で、身体に不調を感じたことがほぼありません。
職場がインフルエンザで全滅しても、私だけ平気だったこともあります。
でも、だからこそ、滅多に経験する機会が無い体調不良に慣れていません。
少しでも気分が悪くなったり、熱が37度になったら死を覚悟します。
身体の病でもそんな感じの私は、心の病でも「たいしたことないのに大騒ぎして病院に駆け込むヤツ」だったわけです。
でもそれはいいのです。私は私がツライから病院へ行きました。
他の人の基準は知ったことではないです(この考え方は大事です)
治療と勉強
客観的に見れば治療が必要かどうかも怪しい診断結果でしたが、私の主観では死にそうだったので、治療とカウンセリングを受けることにしました。
治療は私の希望で、薬を使わないTMS治療というものをやりました。
予定通りに治療を終えた後は、希死念慮などは無くなり穏やかな気持ちになりました。あれで気分がスッキリするのは不思議でしたが、実際に効いたので結果オーライですし、珍しい体験ができて面白かったです。
カウンセリングのほうは、丁寧に話を聞いてもらえるのは良いけど、それで回復しているという実感を得ることはできなかったので、オマケ程度に考えておこうという感じでした。
カウンセラーさんも結局は他人なので、話し相手になってもらって気分転換はできても、根本的な解決にはならないというのが私の感想です。
自分のことはやはり、自分で考えるしかありません。
そしてこの機会に、メンタルヘルスについて少し勉強しました。
一度なったら「気の持ちよう」ではどうにもならないことや、繊細な人だけでなく、私のような図太い性格でも関係無く発症すると知りました。
ちゃんとした(?)うつ病ではないけど抑うつ状態に片足でも突っ込む体験をしたことにより、新たな知識を得ることができたのは良かったです。
寛解はしたけど完治はしなかった
予定通りに治療を終えると「まあこんなもんか」と納得できるくらいには回復しました。最後の通院の日に、病院から「必要になった時はまた来てください」と言われましたが、その後はもう通院していません。
最初は、命には代えられないと思って治療費を支払いましたが、やっぱりバカ高いわコレと冷静になったのと、そもそもこれって「寛解」することはあっても「完治」は無理なのでは?と、この先どんなに治療しても「こうなる前の元通りの私」には絶対に戻らないだろうという確信がありました。
でも、とりあえず希死念慮のような苦しい症状は無くなりました。
人はいつか絶対に死ぬので、慌てる必要はありません。
生きているうちは生きていればいいのです。
治療を続けなかった理由
実のところ「こうなる前の元通りの私」とは言うけれど、本当に元に戻りたいかというと、それもなんか違うのです。
私は子供の頃から「自分と言えばコレ!」という趣味(オタク趣味)を持っていたので、昔は、夢中になれるものが無い人を見下していました。
でも、別に趣味なんて無くても、普通に生きている人はたくさんいます。
目標や生きがいがあることが偉いわけではないのです。
やる気や情熱があることは、決して良いことばかりではありません。
本気で大好きなものがあって、それに夢中になることで、私生活を犠牲にしたり、周囲の人を傷付けたりすることもあります。
自分が抑うつ状態になってみて、初めてこのことに気付きました。
私も、趣味のために犠牲にしたものがありましたが、昔は自分のやりたいことが最優先でした。今は、そこまでしてやりたいことが無いので平和なものです。私が静かになって安心している人もきっといるはずです。
最初は、趣味が楽しくなくなったり、気力を無くして死にたくなったことに絶望しましたが、その体験のおかげで落ち着くことができました。
まあ、抑うつ状態なんか体験しなくても落ち着いている人は普通にいるので代償が大きすぎますが、そこは私がアホなので仕方が無かったのです。
おわりに
抑うつ状態を体験した後の私は、オタク趣味はもちろんのこと、他のことをしても「我を忘れて夢中になる」ことはできなくなりました。
過去に大好きだったものの記憶はまだ残っていますが、当時と同じ気持ちになることはもうできません。
よく、うつ状態のセルフチェックテストなどで「好きなことをしても楽しくない状態が2週間続いたら~」とか書いてありますが、私は2016年頃からずっと、そういう精神状態のままです。
でも、心から何かに夢中になれない寂しさはあっても、毎日規則正しく生活していますし、新しく得た価値観も気に入っています。
やはり世間で言うところの「うつ病」とは何か違うので、結局何だったんだろうなと思いつつ、結果的にこの体験はできて良かったと思っています。
どんな状態になっても、私は一生、私と付き合っていくしかありません。
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