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「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第一話
#創作大賞2024 #ファンタジー小説部門 あらすじ 主人公グリーン15歳。父が亡くなり叔父に長年住んでいた村を追い出された。隣町の教会に行く事にした。昔父が、困ったと…
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第一話
#創作大賞2024 #ファンタジー小説部門
あらすじ
主人公グリーン15歳。父が亡くなり叔父に長年住んでいた村を追い出された。隣町の教会に行く事にした。昔父が、困ったときに助けてもらったと聞いていたからだ。夜、教会の中に勝手に入り長椅子で眠り込んだ。夢の中に女神さまが現れて回復魔法のスキルを貰う。教会のシスターアリスに助けられて教会で回復魔法を使い少しのお金を貰いながら商売を始める。隣町の治療院
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第十八話
わたしは大聖堂で報告を聞いていた。
「失敗しただと!?」
グリーンに魔法をかけたのは一流の魔導士で、魅了魔法《チャーム》にかけては実力のある者だった。捕まってしまったようだったが、裏から手をまわし何とか連れ戻すことが出来た。
「アリスを手に入れるために邪魔だと思っていたが・・クソッどんだけ能力高いんだよ・・」
ああ、しまった。素が出てしまっていた。逆に囲い込む方が良さそうに思えてきた。
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第十七話
「だしに使っちゃってごめんなさい!」
大聖堂から出て直ぐに謝られた。アリスは、両手を合わせて頭を下げている。
「あの人いつまでも付きまとってしつこいの。こうでも言わないと諦めてくれないと思って…」
「そう、だったんだ」
確かに人前で言われたときは少し驚いたけど、凄く嬉しかった。改めて好きって言われた事に。
「良いよ。正直嬉しかったし。ぼくも嫌いじゃないし」
「グ、グリーン?!」
「ご
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第十六話
「一度、冒険者ギルドに行ってみようかな」
「え?ギルド長に会いに行くの?」
「まさか、ここ辞めるなんて言わないですよね?」
夕方の閉店した後店内で、ぼくはアリスとシルビアに言った。ただ、冒険者ギルドがどんなものか気になっているだけなんだけど。
「まだ、どうするかは決めていないよ。ちょっとギルドを見てみたいのと、話しを聞きたくなっただけ」
「そうなんだ」
「お店閉めないで下さいね。せっか
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第十五話
カランカラン・・。
ドアが開いた。丁度お客様が途切れて、お昼休みをしようかと言っていた頃。
「ここにグリーンくんはいるかね?」
初老の男性。茶色の髪に白髪が目立つ。何処かで見たことのある人、誰だっけ?
「ぼくですけど・・?」
「今更で申し訳ないのだが、グラス村に戻ってもらえないだろうか?」
杖をついた初老の男性が、急に両手を合わせてきた。え?村?もしかして。この人は村の人なのか?生まれ
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第十四話
「私も覚悟を決めないといけないわ!」
アリスは教会の中で決意をしていた。このままではグリーンがシルビアっていう女に取られてしまうかもしれない。グリーンは優しいから、突き放すことは出来ないだろう。一日中シルビアはグリーンと二人きりなのだ。しかも肝心のグリーンはシルビアの気持ちに全く気が付いていない。
「優しすぎるのも問題なのよね~そこが良いところなのだけど」
教会は珍しく信者さんがお祈りに来て
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第十三話
とある街中、ここは何処の国なんだろう。とにかく、レーベン王国から出た隣の国だ。
「おいあれ・・」
「見ちゃ駄目よ・・」
「放っておきなさい」
オレはレーベン王国から何故か国外追放されてしまった。意味が分からなかった。
オレが何をしたって言うんだ?オレは金もなく、住む家にも苦労していて街中で座り込んでいわゆる浮浪者になっていた。
「腹減ったな・・」
如何してこうなってしまったのだろう。このま
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第十二話
「「お師匠様!一生ついていきます!」」
あたしは声に出して叫んでいた。本にしか書かれていない伝説の魔法を、グリーンさんは事もなげにやって見せたのだ。しかも試しにとか言って。それなのに、この方は事の重大さを全く分かっていないみたいで。
「是非!お試しであたしを使ってください。一応計算も出来ますんで!」
「シルビアさんって言ったっけ。困ったな・・雇うって言っても、お金ちゃんと払えるか分からないよ
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第十一話
「これで最後か・・」
キャンセルをしたお客様の所に一通りまわって残り一件。無料で治療するとみんな喜んでくれた。こちらが悪かったのだから、仕方ない事だ。明日から通常営業できるかな。アリスの教会も信者さんよりも治療に来るお客様の方が多くて、嘆いていたっけ。借りる家も探さないといけないしな。
コンコン
お客様の家のドアを叩いたが応答がない。留守かな?また後で来てみることにするか。ぼくは教会に戻るこ
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第十話
レーベン王城、王女は去っていく馬車をバルコニーから眺めていた。
「グリーン、帰ってしまいましたわ・・お父様も酷い、上手くいくと思っていたのに・・もう会えないのかしら」
「これで良かったのだと思いますよ」
正直俺はほっとしていた。顔には出さないようにしているが、内心はハラハラしていたのだ。なにせ俺は王女に惚れていて変な虫は付けたくないのだ。でも俺が王女と結ばれる可能性はほとんど無いのだけど。
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第九話
時間は少し遡る。
ゆさゆさ。不自然な揺れでわたくしは目を覚ました。あれ?ここはどこだろう。視界は暗く遮られている。
思い出した。後ろから男の人に声をかけられて、魔法で眠らされたのだ。ということはわたくしは攫われてしまっているのかもしれない。担がれて移動しているのだろう。
ギィー
ドアの開く音が聞こえた。
眠ったふりをしておこう。わたくしは目を閉じた。
「今回は上玉の娘だ。こいつは高く売れ
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第八話
明日には町に帰れることになった。今日は城下町レーベンに、ぼくとアリスとパトリシアが来ていた。パトリシアは普段外に出られないらしくて、最後の日くらいは、ぼく達と一緒に過ごしたいと無理を言って出てきたのだ。
「人が沢山いますわね~」
パトリシアは、街の様子が新鮮に見えるらしく興味深く眺めている。露店から、香ばしい良いにおいが漂ってきた。焼き菓子が売っているようだ。因みに、パトリシアは町娘に変装して
「村から追放された少年は女神様の夢を見る」第七話
「わぁ、凄いな」
ぼくたちは馬車で5日かけて、首都レーベンにやってきた。目の前に王城がそびえ立っている。これほど大きな建物は見たことが無かった。おそらく、一生来る事が無かったと思う。馬車は橋を渡り、城の中へ入っていく。城を囲むように川が流れていて橋を渡らないと入れないようになっているのだ。
馬車から降りると、ぼくとアリスは衛兵に案内され城内に入っていった。城内は少しヒンヤリしていた。
「グリ