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いつか「育ててくれてありがとう」と言いたかったけれど、いつかが来るかわからないから親に手紙を書いてみた話
突然だが、最後に親に手紙を書いたのはいつだろう。
私が最後に両親に手紙を書いたのは10歳、今から19年前の話だ。
当時、1/2成人式という行事があって、全員が両親に手紙を書かなければいけなかったのだ。
なので、最後に自主的に書いたときのことは覚えていない。
20年近くも親に手紙を書いてこなかった私が、転職をきっかけに両親に手紙を書いた。
今日は、親に手紙を書いてみたその理由と、
書いてみて思ったことについて記していこうと思う。
両親に「育ててくれてありがとう」と伝えたかった
私の両親は仲が良くない。良くないというか仲が悪い。超悪い。
でも、別に荒れている訳でもないし、何不自由なく生活をさせてもらった。
子どものときは、家族旅行をしている友達がうらやましいなと思ったときもあったけど、大人になった今は両親に本当に感謝している。
だから、いつか両親に「育ててくれてありがとう」と言いたかった。でも、そんなことはこっ恥ずかしくて面と向かっていえるはずがない。10歳のときのように、半強制的に言わなきゃいけない状況にならなければ言えないと思っていた。
そんな時に決まった結婚の話。
普段の生活で面と向かって「産んでくれてありがとう」「育ててくれてありがとう」なんて言えないけれど、結婚式という口実があれば言うことができる。
私も、周りの友人と同じように結婚式をあげて、両親に感謝の手紙を読んで、という流れを想像していた。
だから、両親にどんな言葉を伝えるかを考え出していた。
でも、コロナウィルスの影響で。私たちの中でしゃ2020年内に結婚式をあげるという選択肢はなくなった。
コロナ禍で感じた「もう、会えなくなるかもしれない」という感覚
コロナの感染は広がり、2020年4月いわゆる自粛期間が始まった。
そして、芸能人が亡くなったニュースをみた時に「これって他人事ではないのかも」と思った。
私は遅生まれなので両親とも65歳を過ぎているし、母は持病があり、父はヘビースモーカーだ。母は学童で働いていて、父は施設でボランティアをしているので、いつ両親が感染してもおかしくないなと思った
「もし、二人が感染してしまったら、そのまま会いないかも」と怖くなった。そうなったときに、私は後悔しないだろうか......と思ったのだ。
後悔すると思う、でもやっぱり直接言うのは恥ずかしい。
そこで考えたのが「手紙」を書くことだった。
19年振りに両親に書いた手紙
転職するタイミングだったので、これを口実にすることにした。
私自身、たぶん結構な箱入り娘で、メガバンクというど安定企業から未経験で転職をしたので、両親も少なからず不安だったと思う。
転職するけど、安心してねみたいなことを書いたあとに、小さい字で「育ててくれてありがとう、これからもよろしくね」と書いた。
たった1枚のハガキなのに、
読んでほしくて書いているのに、
読まれるのが照れくさくて、しばらくかばんの中にいれたままだった。
ポストに投函したのは、3週間後だった。
手紙を書くなんて恥ずかしくてもうしたくない。でも書いて本当によかった。
恥ずかしいけど、書いてみた手紙。
コロナに関わらず、人生なにが起こるか分からない。きっと別れは突然だ。
別れが来たときに「全く後悔はない」というのはないだろうけれど、少なくとも私はいつか伝えたかった言葉を「いつか」を待たずに伝えられてよかったと思う。そして、それを読んだ両親も少しばかり喜んでくれていると思う。(手紙を出して2日後に父と母別々から電話が来た。)
自分の気持ちを伝えるのは恥ずかしい。
だから、それを伝えるには口実が必要だ。
両親には、結婚式。
好きな人にはバレンタインデー。
誕生日、母の日、父の日、卒業式......
コロナ禍で「いつか」伝えようと思っていた気持ちを、言葉を伝える機会が格段に減っている。
だから、このnoteを読んでくれた方がいたら(もしいたら......!)、
良かったらこのnoteを口実にしてほしい。
今から10年位前に流行った、受け取ったら必ずメールを送らなきゃいけないというチェーンメールのように、このnoteを読んじゃったから手紙かかなきゃな〜くらいに思ってくれたら嬉しい。
今日は土曜日だ。
絵葉書でもいいし、ラインをしてあげてでもいい。
特別な日じゃなくていい、「いつか」ではなくて「今」恥ずかしてくて普段伝えられない気持ちを伝えてみてはいかがだろうか。
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