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親になるということ

あいかわらず
ひろこの平熱は37.5℃


けだるさを感じながら
妻として
嫁として
義姉として
母として
義父の営む会社の事務員として、
忙しすぎるくらいに
毎日をすごしていた。


常に私の心の中は
「産後、寝たきりで迷惑をかけた分
 がんばらなきゃ!」だった。


しかし1人で何役もこなしていると
「ねばならない」の呪縛に
押しつぶされそうになる。





そんな中
唯一の癒しのときは
息子との時間だった。


まだ「バブ バブ」としか
お喋りのできない息子が、
歩行器でよってきて


「にこっ!」


と、笑いかけてくれるだけで
だるさも、辛さも、消えさった。
 

「ごめんね、
 いつも泣いてばかりのママで…」





まだ育児ノイローゼ気味だった私は
お休みの土曜日曜に
「息子を義父母に取られたくない」
という思いから、
背中に息子をおぶり紐でしばって
一日中、家事をこなしていた。


背中からつたわる
息子の鼓動と寝息を感じて、
母親になれた幸せでいっぱいであった。





いま思えば
「気合いの入りすぎ」で
笑えてしまうのですが


「あなたのよき母になるからね!」


…と「息子命!」だったおかげで
育児ノイローゼから脱却できたのだと、
当時の自分に感謝している。


(だから、気合い入りすぎなのよ
 ひろこちゃん…笑
 当時、川原卓巳さんの著書※があったら
 こんなに迷わなくても良かったのかもね。)





そのまま目まぐるしく月日はすぎ、
息子が生まれ3年がたとうとしていた。


いまだ熱が下がる気配もなく、
セカンドオピニオンで
漢方薬治療をおこなうひろこであった。


つづく





※川原卓巳さんの著書「Be Yourself 自分らしく輝いて人生を変える教科書」
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