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流動的暮らしを体験してきた

 脅威の10連休GW、同級生たちのSNSを見るとレジャー施設に行ったり海外に行ったり.そんな中自分は10連休中の半分を福井県南越前町というところで過ごしていた.
 親戚が住んでいるわけでも友達が住んでいるわけでもない、縁もゆかりも全くない土地でGWを過ごすことになったのはなぜか.


なぜ福井でGWを過ごすことになったのか

 今自分は修士で「多拠点居住/定住しない暮らし」について研究している.社会的背景理由もあるが、この研究をしようと思った最も大きな理由は自分の性格によるものが大きい.
 元来自分は1つの場所に留まっていることが苦手だ.そして自分のことを全く知らないコミュニティに行くことに対してあまりハードルを感じないし、なんならどんどん知らない世界を知りたいと思っている.そんな時、問題となるのが「場所の自由」である.

なぜ人は1つの場所に囚われなければいけないのか、住むということをもっと自由にできないのだろうかそういった思いを沸々ともちながら、研究を進めていた。

 さてそんな折、偶然ネット「流動創生」という団体を見つけた.どうやら場所や組織に縛られない暮らし方を提案するウェブメディア、らしい.そしてGWに多拠点居住実践者・希望者を集めて何やらイベントを行うらしい、その名も「StopOver29 春が来た!GWの田植えお手伝い作戦」!
 自身のGWの予定も確認せずすぐに応募した。


流動創生拠点での滞在

 参加している人は様々だった。
 働いては旅に出て、また働いては旅に出てとさながら本当の旅人のような生活を送っている人、仕事柄フリーでどこでも仕事ができる人、休職中で旅をしている人、多拠点居住をしたいもののなかなか仕事の都合で動けない、しかしそんな状況をなんとか変えようとしている人etc...大学ではおよそ会えないような人々に会えたのはとても新鮮であった.
 特に自分と同じような多拠点的暮らし、非定住的暮らしを実践している/しようとしている人がこんなにもいるのかということが嬉しかったし、このイベントに参加した一番の収穫だったように思う。

 さて今回、「田植えお手伝い大作戦」とあるように田植えとそれに関わる作業を行ったのだが、この田植え作業自体には「流動的暮らし」と本質的に結びつくものはないと思う.別に田植え体験イベントは探せばいくらでもあるし、別にここだけが特殊ではない.


流動的暮らしとはなにか

 では何が「流動的暮らし」に結びつくのか.
 それは「よそ者」である私達がどのように地域に関わっていくか、ということなのだと思う.

 話はそれるが、自分は学部時、千葉市おゆみ野地域というところを対象に卒業研究を行い、そのせいもあってかその地域にとても愛着をもった.しかし愛着をもつ頃には大阪の大学院に進学することが決定しており、卒業間際になって非常に悔やんだことを覚えている.
 現在でも関東に帰省したときは、たまにその地域に顔を出すし、研究中に地域の方と立ち上げたWebサイトの更新やMessengerで行われる話し合いには参加している.しかしなかなか自分がどのようにその地域に関わっていくことができるのか未だ不透明でモヤモヤしている.

 自分がその地域に住まずとも、愛着をもちながら地域に関わっていくにはどうしたらいいのか.

 これは自分の中で大きなテーマである.


 今回の「StopOver29 春が来た!GWの田植えお手伝い作戦」では田植え時期という人手が多く必要な時期に、多拠居住者を呼ぶことで明確な雇用を生み出しながら、地域の人々と関係をつくりだすという構図によって関わり方を見出していた.

 今回のイベントに参加したことで明確に何かがわかったわけではない.しかしぼんやりと希望が見えたように思える.今後も足繁く福井に通ってみよう.

 特に自分は今までデザイン/居住学を学んできているのだから、次回はその分野で自分がどうやって関わっていけばいいのか、明確にしながら訪れたい.


#多拠点居住 #流動創生




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