地域の古民家リノベーションをしていて感じたことpart1
大学院に入学してから、大体月に1回のペースで和歌山県の紀美野町という人口8000人ほどの町に通っている。
紀美野町で現在僕が行っているのは、築100年以上の古民家をセルフリノベーションするという活動だ。(トップ画が僕たちが改修している建物)
地方での空き家急増が問題になって久しい。町に溢れている住宅ストックをどのように活用していくかは、多くの自治体で課題となっており、それを解決すべく様々な団体がそういった空き家をカフェやショップにリノベーションするといった活動をしている。
またときにそれらの活動は地域住民や学生の手によるDIYで行われており、地域活動や教育の場として空き家リノベーションが上手に使われている。
僕たちが現在行っている取組・研究はそういった空き家のDIYリノベーションの簡易化、もっと言うと耐震補強などの建築の構造面も考慮したDIYリノベーションのモデルをつくることを目的としている。
詳しくは個人HPから↓
先日の5/24-5/26にも紀美野町に赴き、耐震補強となる壁や新規につくる床面の基礎となる部分(根太・大引)の取付・組立作業を行ってきた。
( ↑時に大工さんに教わりながら作業を行う。)
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さて、いつも作業をするときは2泊3日の泊まり込みとなることが多いので、対象建物に隣接している釜滝薬師さんというお寺に宿泊させていただいている。
大体いつもは僕らの団体数人が宿泊するだけの貸切状態となることが多いのだが、今回は5/26に近くで開催されるイベント「志賀野フェスタ」のボランティアスタッフの和歌山大学の学生や一部出展者の方々も宿泊しており、さらには地域のとある方の誕生日をそこで祝おうということもあり、今までにないとても賑やかな宿泊だった。
宴会の席も終盤、段々と真面目な話になる、ネタは僕らの活動の話。
今後あの場所はどうなっていくのか?ただの学生活動で終わってしまわないのか?持続性はあるのか?etc....。
僕たちが現在行っている活動は研究の一環でもあるのだが、主に学部生に古民家改修を体験させるという教育としての側面もある。なので僕たち院生はTAの立場として学生に指導を行いながらの改修作業をしている。
学生達にとってみればこの活動は授業の一つであり、卒業すれば終わり楽しい学生生活の思い出だった、で終わる。しかしその場所に住まう人々にとってはこれは体験ではなく、生活である。
地域の方々に言われた指摘は僕も感じていて、ただの改修作業で終わらせないように、学部生に紀美野町や自分自身が生まれ育った町について考えてもらうような授業をさせていただいたりした。
しかしどれだけその言葉が伝わっているかはわからない。
またこの活動は今年度では終わらず、下の代に引き継ぐこととなる。下の代にどうやって想いを伝えていこうか
その前にまず自分がどのような想いをもってこれからも取り組んでいくかを明確にする必要があると感じた。モノをつくるという行為とその地域・利用者に持続的に利用してもらうこと、巻き込むこと。
学部・大学院でデザイナーシップともいうべき心構えは嫌というほど学んだものの実践してみると感じることは多いし、言葉一つでは言い表せないほど根深い問題。
長くなりすぎたのでこの辺で。partを分けて次回に続く.....。
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