空だって飛べる
燃えるコンクリート。
ソールの剥がれかけた靴。
ほつれた服に、砂まみれの服。
1994年8月7日、北海道札幌市では歴代最高気温36.2℃を記録したらしい。そんな日に生まれた。
誕生日。額から大量の汗。
29歳。
池の見える公園の休憩所に座る。
人が乗ったアヒルが泳いでいる。
連絡で誕生日に気づきお寿司を買って、1人でお祝いをしている。
空を見上げると、果てのない青。
新しい、壮大な夢の空。
僕には何が出来るんだろう。
どこへだって行ける。
どこまでも行ける。
そうやって思っていた。
一軒家のリビング。大きな窓。
隣の畳の部屋。ピンクのラジカセから流れるミニモニと、おばあちゃんが作ってくれたかき氷。畳に横になっていた。そこには未来しか無かった。
出会いや別れ、期待、悔しさ、怒り、優しさ、からだがふれてきたものについて考える。
うだうだとした夏の終わりに、
テアトル新宿で、季節くんの特集上映が始まった。
あんなにあったかい映画館は初めてだった。台風の目みたいな、ずっと心に居る人。
「東京ランドマーク」をはじめて観たり、大好きなみんなに再会したり、「たかが世界の終わり」を観たり、あの時のひんやりした感じの気持ちを思い出したりした。もっともっとやっていこう。改めて、おめでとうございます。
次の日。夏の終わりの空気。オレンジに染まるリビングの真ん中でソファーに寝転んで、お味噌汁の匂い。レースカーテンが揺れている。あたたかい気持ちで軽い眠りにつく。そんな心地よさ。
また皆さんに会えますように!
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