マジシャンの相場
「自分が企画するイベントにマジシャンを呼びたい！」
そんなことを考えたことはありますか？
企業であれば、創業祭や忘年会に。
自治体や商店街であれば、夏祭りや納涼祭に。
個人であれば、クリスマス会やホームパーティに。
新郎新婦の方は、結婚式の披露宴に。
他にも、ホテル、飲食店、学校、病院、介護施設、クルーズ船、などなど。マジシャンを呼んで企画が盛り上がる場所はたくさんあります。
実際に、マジシャンたちも、そういう場所で仕事をすることが多いです。
マジシャンたちは、いつでも、そういう依頼に対応できる準備を整えています。
とはいえ、そういう出張を依頼するときの、費用ってどのくらいなのか。
相場が気になりますよね。
この記事では、マジシャンを呼びたいときの相場の話と、呼ばれるマジシャンの立場での相場の話を、お客様側とマジシャン側の両方から説明します。
出張マジックの相場って？
さっそく相場を説明したいのですが、実際のところ、マジシャンの相場を一律に説明するのは難しいです。プロマジシャンでもあり、マジシャン派遣会社を運営している私廣木涼の感覚からしても、「相場はピンからキリまで」と言いたくなるのが実情です。
もし他の出張マジック系の記事で、「結局いくらで呼べるのか、相場がよくわからない」と思うことがあれば、これからお話しするような事情があることが原因でしょう。
プロ野球選手を例として
たとえば「プロ野球選手の年俸の相場は？」と考えてみてください。
新人だと600万円ぐらいだし、1軍に定着すれば1億円ぐらい。トッププロだと5億円を超えるし、メジャーリーガーになると20億円ぐらいになったりもします。今ざっと4分類しましたが、実際は数千万円契約でメジャーリーグに行く選手もいますし、新人と1軍定着の間も細かく刻まれているし、1軍の中には2000万円も5000万円もいます。
だから、範囲を示すならば「400万円～30億円」となりますし、平均値としては「約4200万円」というのが2020年のデータです。
しかし、その実情を知ったとしても「相場」を説明するのは難しいことでしょう。
「プロ野球選手の年俸の相場はどのくらい？そんなの選手によって違うでしょ」
と言いたくなりそうですよね。
マジシャンの出張料の相場も、それと同じなのです。
マジシャンの3つの区分
とはいえ、「ピンからキリまで」という表現では、クライアント様は依頼したくてもできませんので、相場のある程度の目安として、多くの出張マジック系のサイトでは、マジシャンを3分類しています。
安い区分は「アマチュアマジシャン」「新人マジシャン」「若手マジシャン」「学生マジシャン」といった表記が多いです。
便宜上「アマチュア」と表記されていたとしても、出張マジックを生業にしているプロが出張することと思われます。
先のプロ野球のたとえの「新人」に相当する区分で、1軍定着前のプロ野球選手と同様、マジシャンの大部分がこの区分に含まれます。
中程度の区分は「プロマジシャン」「ベテランマジシャン」「中堅マジシャン」という表記が多いですが、プロ野球選手の「1軍定着」に相当します。
この区分のマジシャンは、経験も豊富で、クライアントの希望を高い水準で叶えてくれることと思われます。
全国区ではないものの、地方では名前を知られるマジシャンなどが、この区分に含まれます。
最も高価格の区分は「一流マジシャン」「有名マジシャン」「メディアで活躍するマジシャン」という表記が多いです。プロ野球選手で言うと「トッププロ」「メジャーリーガー」に相当します。
一般人から見た「会ったことがないのに名前を知っているマジシャン」は、すべてのこの区分に含まれます。数十回以上のテレビ出演歴が必要になることでしょう。
一般人に名前を知られているので、集客などに利用できる点が大きな強みです。
演目規模の4つの区分
上記のように、マジシャンを3区分して、それで相場がはっきりできるかというと、そうでもありません。マジシャン出張費には、もうひとつ大きな変数があるのです。
それは、演目規模の大きさです。一般に、テーブルマジック（クロースアップマジック）、サロンマジック、ステージマジック、イリュージョンと、4分類されていて、出張費用もその順に上がっていきます。
テーブルマジック（クロースアップマジック）の出張費は、手捌きの技術料という側面が強いです。
高価な道具を使うというよりは、職人としての習熟度への対価が、出張費の意味合いとなります。
至近距離で演じるため、コインやカードなど小さい道具が利用され、不思議さをよく体感できる反面、少人数にしか対応できません。
なお、人数が多い会場でテーブルマジックを演じるための工夫として、テーブルホップという演じ方もあります。テーブルマジックよりもやや高額な出張費が設定されますが、演技時間が長くなることと、複数回演じる必要があることが、その理由です。
サロンマジックの出張料は、演出やトークの技術料が含まれてきますので、テーブルマジックよりも相場としては値上がりします。
数人に演じるのと、数十人に演じるのでは、演出的な難易度が違う、という事情もあります。しかし、どちらかと言うと、数人の宴会よりも数十人の宴会のほうが予算が出やすいので、そのぶんの利益を道具や演出などのショー構成に還元できる、というような意味合いのほうが強いかもしれません。
いずれにしても、人数に対して十分に楽しめる演技にするには費用は上がることが多い、ということです。
ステージマジック出張料は、大道具の費用が含まれてきます。
コインなどの小さい道具ではなく、100人の観客がいても見やすいような大道具を使うことが多く、その購入費や運搬費として、料金相場が上がることになります。
イリュージョンの出張料は、大道具の管理費や運搬費、アシスタントの人件費などが含まれてきます。
人体切断や人体浮遊などのイリュージョンは、その道具や舞台機材など、かなりの設備費をかけて演じるものであり、専用の倉庫や、専用の運搬用トラックなどを必要とします。加えて、切断されたり浮遊したりするアシスタントの人件費も発生しますので、最も出張料相場が高額になるジャンルです。
イリュージョンができるマジシャン（イリュージョニスト）は限られています。
これら4つの演目規模区分は、観客の人数に密接に結びついています。
100人に対してテーブルマジックを演じたり、5人に対してイリュージョンを演じたり、というのは現実的ではなく、依頼するにあたっての選択肢は、それほど多くはありません。
その他の変数
以上のように、マジシャンのランクと、演目の規模によって、概ね金額は算出されます。とはいえ、厳密にはそれらを縦軸と横軸にしてマトリックスを組むだけの要素があり、クライアントにとっては選びにくいため、より簡略化している場合がほとんどでしょう。
また、他にも、演技時間の長さ、繁忙期などの日程、交通費などの変数がありますが、上記2点に比べると小さな変数であることが多いです。
30分のショーを1時間にすると、費用は上がりますが2倍にはなりません。また15分に縮めたからといって半額にもなりません。演技時間による価格の変動は、やや小さいのが一般的です。
年末年始など、繁忙期だと出張費が上がるという傾向もありますが、これも変動要素としては小さいです。週末のホテル宿泊費や、年末の航空運賃のように2倍3倍になることはありません。
交通費についても、よほど遠方のマジシャンを呼ばない限りは、誤差の範囲で収まることと思われます。
相場：依頼人向け
さて、相場について複雑な事情がある説明をしましたが、その上で、相場比較サイトや各マジシャン出張サイトでは、以下のような価格設定になっているようです。
弊社ヒーローウッドエンターテイメントでも、概ね同程度の相場感となっております。
若手マジシャン枠……5万円前後
ベテランマジシャン枠……10万円前後
有名マジシャン枠……20万円以上
テーブルマジック……3万円～10万円
サロンマジック……5万円～12万円
ステージマジック……8万円～20万円
イリュージョン……20万円以上
もし、この表記でイメージがつきにくいということであれば、ヒーローウッドエンターテイメントでは、ご予算を提示していただければ、適切なご提案をさせていただきます。
実際のところ、クライアント様が上記の設定金額メニューからひとつを選ぶのは難しいと思います。それに、出張内容によらず、ご予算のほうが先に決まっていることのほうが多いことでしょう。
ご予算3万円コース
ホームパーティなど、小さな会合でのテーブルマジックの出張を行います。出張先の場所や、日程によっては、ご依頼を承れないこともあります。
ご予算5万円コース
居酒屋での忘年会などに、若手マジシャンが伺います。出張先の場所や日程についても、自由度が大きくなります。
ご予算8万円コース
相場中の相場。ステージのある宴会場や結婚式の披露宴などで、経験のあるマジシャンがオーソドックスなショーを行います。
ご予算12万円コース
企業の創業祭など、大きな会場でスケールの大きなマジックショーを行います。また、披露宴のマジック＋司会、披露宴のステージマジック＋歓談時間のテーブルホップ、などの組み合わせも可能です。
ご予算20万円以上コース
数百人規模の大ホールでのイベントなどで、イリュージョンを行うことができます。また、一般に名前の知られている有名マジシャンを派遣したり、複数人のマジシャンを派遣したりすることができます。
それ以上のご予算コース
舞台演出や照明設備などを含む大掛かりなイリュージョン、大掛かりな和妻なども、ご予算によっては可能です。
まずはご連絡ください。
マジシャンが考えるべき相場
ここから先は、マジシャンのための記事となります。
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