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第二新卒の転職は「アリ」なのか?

新卒でHR Tech企業にデザイナーとして入社し、1年2ヶ月ほど在籍した後に第二新卒として転職を行った小倉です。

第二新卒で転職活動中の方や、転職を考えている新卒1~3年目の方に役立つ実例の一つだと思うので、参考にしてみてください。

第二新卒の転職はアリか?

アリかナシかで言えば、基本的には「ない」ほうがいいです。

とはいえ、大卒の約30%が3年以内に離職すると言われているほど実際にはよく起きています。

令和2年度における新規学卒就職者の離職率
大卒:約3割(31.2%)
高卒:約4割(36.9%)

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00004.html

立ち戻って考えると、そもそも企業は新卒採用に多量な時間とお金を投資しているわけなので、早期退職は企業にとっては大きな損失です。

従業員規模別の採用コスト平均値
3~50名:162.7万円
51~300名:322.4万円
301~1,000名:535.5万円
1,001名以上:1,809.9万円

https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/unit_price/

新卒1人といえどかけられているコストは多く、採用・教育コストの無駄に加え、企業のイメージダウンにも繋がりかねないため、企業視点で考えると早期退職はやめたほうがいいと言えます。

採用・教育コストの無駄
求人広告の費用 / 会社説明会の会場費用 /  採用の担当者の方が稼働した時間 / 面接で役員の方が面接をした時間 / etc…
企業のイメージダウン
採用業務の妨げ / 退職者によるネガティブキャンペーン / etc…
企業の未来を担う人材流出
リード・マネージャー候補の流出 / 経営体力の低下 / etc…

企業に損失を与える行為であるため、あまり推奨される行為ではないです。
もちろん個人のキャリアや、労働環境の問題などもあるため、企業側の視点と個人の視点、両方を考えた上で判断するべきだと思います。

今しかできない経験を優先する

基本的には新卒入社者には手厚い研修とオンボーディングがあり、企業も新卒の成長を考えてくれるので、あえて経験が浅い状態で中途の道に飛び出す必要はないように思います。

ただ自分の場合は、働いてみてから感じ始めたことではありますが「クラフトスキルを上げたい」という気持ちが自分の中で明確にありました。
若いうちにしか経験できない下流工程をしっかり磨きたいという気持ちが強くなりました。

未熟ながらも下流工程を経験しながら色々教えてもらえる環境は、若いうちにしか経験できないと思ったからです。
必ずしもできないわけではないですが、年齢が上がるにつれて求められるポジションもリードやマネージャーなど上流寄りに変わってきます。

下流工程の下積みをしないことが悪いというわけではなく、「その時にしか経験できないようなこと」を優先的に経験しておくべきだと感じていたので、幅広い業界のデザイン経験が積めて、クラフトスキルを上げやすいクライアントワークに興味がありました。

そのため「技術的な土台を作り上げたうえで上流に関わりたい」という思いが強く、「幅広い分野のプロダクトをデザインできる環境」を軸に企業を探していました。

プロとして品質の高いアウトプットを出したい気持ちが強かったため、次にいくならクライアントワークを経験できる企業と決めていました。
特に、以下の企業の採用要件を見ていました。

・フェンリル
・ゆめみ
・Goodpatch
・Tsumiki Inc

若いうちにキャリアの実績を作る

「経験のある分野しか仕事を任せてもらえない」ということはよくあるので、もし今の職種が自分に合わないという場合は、軌道修正は早めに行なったほうが良いと思います。

例えば、UIデザイナーからデザインマネージャーなど、キャリアップとして未経験領域に挑戦することは可能ですが、UIデザインからフロントエンドなどキャリアチェンジに挑戦できる機会はそう多くありません。
特に専門性が高い分野ほど、未経験が入りづらくなるため年齢が鍵になってきます。

若いうちは未経験の分野を経験させてくれる機会があったとしても、年齢が上がるにつれて経験のある分野しか任せてもらえなくなります。
そのため、複数の軸で活躍していくキャリアを考えた際に、なるべく早く経験のある分野を広げていく必要があると思いました。

経験が全てな転職市場だからこそ、複合的なキャリアを形成するには複数領域の経験を若いうちから実績として作っておく必要があります。
20代前半時点からスペシャリストになる決意があるのであれば問題ないですが、将来的なキャリアの選択肢を増やしたり、職種を横断して活躍していくためには、未経験でも任されやすい若いうちに挑戦すべきと感じています。

「いつか挑戦しよう」で悠長に構えていると、そのうち身動きがとれなくなり自ずと複合的なキャリアの道が閉ざされていることも多いように思うので、自分から意図的に挑戦する機会を作り飛び込むか、早いうちに転職して職種を変えるは一つの手段なのかなと思います。

ゆめみは自由にチームを移ることができるので、自分の考えとマッチしていました。
実際、僕はUIデザイナーチームに所属後、新設されたデザインエンジニアチームに移籍し、要件定義 ~ フロントエンド開発まで幅広く経験できるポジションに移ることができました。

自分のレベルを正当に判断する

第二新卒として次の会社でやっていけるか不安な場合、副業先を探して、いくつかの会社で働いて自分のレベルを確認するのが良い気がします。

僕は当時から転職するしないに関わらず、定期的にポートフォリオを更新し、副業として本業以外の環境で働いています。

理由としては3つあります。

  1. 外部の環境やプロセスの中で働いて、自分のレベルを把握するため

  2. 未経験領域に挑戦するため

    1. ※ 1つ強い武器を持っていると、その延長で他のことも経験させてもらえたりします。

  3. 社内で経験できないポジション・フェーズ、開発現場を経験するため

極端な言い方をすると「自分の経験値を上げるために働いている」という感じです。

極論、僕たち労働者は市場に出た瞬間から人材という「商品」となります。
役職はあくまで社内の役割であり、社外に出たら自分本来の実力で戦っていかなければいけません。
もちろん一定の実績を上げたからこそ役職が付いているとも言えますが、役職が錯覚資産となっているケースも同様に存在します。

そう考えた時に本業も頑張りつつも、自分の力が他でも通用するのか実際に副業を通じて確認しにいき、自分に対する評価を聞いたり、市場の中で自分の価値を常に把握するようにしていました。

副業というのは所属している会社の看板を背負わずに、自分個人に「何ができるのか?」を直接問われる形態でもあります。
つまり、社内の恵まれた環境以外でも再現性高く能力を発揮することが求められます。

若いうちから幅広く色んな会社の中身を見れるのはとても貴重な経験でした。
会社を辞めるという決断ができたのも、副業という形で色んな会社で働いたのが大きいかもしれません。

最後に、実際転職してみてどう?

結論、自分としては後悔はしてないです。

とはいえ、あんまり多くの人におすすめできるものでもないです。
中途以下・新卒以上という立ち位置というのもあって、「中途の人すげ〜..…あっ僕も中途か.….」と、中途と新卒の狭間でプレッシャーと戦い続ける覚悟はいると思います。
同時期に入社してくる世の経験豊富な中途組に圧倒されるため、第二新卒だからと新卒マインドで来たら痛い目みます。

それでも、「石の上にも3年」と考えてゆったり仕事するくらいなら、失敗してもいいから挑戦して外の世界を見たいという気持ちが強くありました。
昔から好奇心旺盛で、行動して見てみないと気が済まないようです。

転職してみて気づくこともたくさんありました。
今の僕にとって「技術的な成長実感」は仕事を楽しむために必要な要素だと働いてみた中で感じ、複数のプロダクトに関わるほうが、デザイナー・エンジニアとしてアウトプットスキルの成長を実感できています。

読んでいただきありがとうございました。


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