Transparencyについて

LINEに入社して早くも6ヶ月、想像以上に多様性があって、英語と多様なAsian言語が飛び交う中で、怒涛のような毎日を送ってます。
今日は、プロジェクトマネジメントにおける"Transparency"について、書いてみようと思います。

この言葉、一緒にプロジェクトをやっているスーパーエンジニアと、プロジェクトマネジメントの話をしていた時に、彼から出た言葉です。
"プロジェクトをうまく回すにはTransparencyがすごく重要だと思っているよ"と。

その会話の後も、彼と一緒にプロジェクトをする中で、その言葉の真意が見えてきたので、自己解釈を多分に加えながら、つらつら書いてみます。

まず、そもそもなぜ重要かというと、Transparencyが十分に浸透しているチームは、すごく変化に強くなるからですね。チームに柔軟性が出ます。
組織だったらその時々の状況に応じて、プロジェクトだったらその時々のフェーズに応じて、自律的に最適な形に変化しやすくなります。

言葉の意味を直訳すると"透明性"、それが意味するところは、情報とプロセスを最大限オープンにしましょう、ってことです。
ただ、情報やプロセスをオープンにするというのは、単なる手段であって、それを何のためにするかというと、役割を超えてそれぞれの人が持っている能力を最大限を引き出すためです。
つまり、Transparencyが浸透してくると、結果的には組織のアウトプットがあがると。

ただ、どんな場合でも効果があるかというとそうでもなく、よい結果につながるためには、いくつか条件があるなーと思います。

条件1 - 多様性がある

上にも書きましたが、情報を共有することの最大の効果は、役割を超えてそれぞれの人が持っているスキルを生かせることです。
例えば、中国語できます、みたいなものから、漫画を描いてましたとか、実は戦闘機を作ってましたとか、VRコンテンツ作ってました、などなど、今の役割からは想像できない多様なバックグランドを持っている人が多ければ多いほど、ゆるく広く情報を共有することで、"それだったらすぐにできるよ or それができる人を知ってるよ"みたいな流れで、意外な進展につながる可能性が高くなります。
そういう意外な化学反応は、多様性があればあるほど、その可能性が高くなります。
逆に、多様性があんまりないと、Transparencyがあろうがなかろうが、意外な化学反応が起きる可能性が低いので、効果はあんまり期待できないかもしれません。

つまり、まとめると、多様性があることは、Transparencyで期待される効果を生み出す上での前提条件ということです。

条件2 - 意味が共有されている

情報を共有するのは手段であって、目的はチームの柔軟性を上げることです。そして、結果として期待することは、アウトプットの品質と総量を上げることがです。
主要なメンバーの間で、このTransparencyの意味と期待される効果を理解しておく。当たり前のことですが、当たり前だからこそ、一度ぐらいは真面目に議論して、共通認識を作っておくことが重要だと思います。
一方で、意味が共有できていれば、どんな情報は流すべきで、どんな情報は流さなくてよいかが自然と選別されます。選別されると、流れる情報は必要十分な量になって、情報を流す側も情報を受け取る側も、コストが最小になります。コストが最小化できていれば、続ける難易度もグッと下がります。

つまり、ちゃんとその意味を共有することは、Transparencyを継続するために重要です。

条件3 - 情報を流す側と情報を受け取る側が歩み寄っている

どんなに流れる情報を効率化しようとしたところで、オープンに情報を流す以上は、クローズドな状態よりも、情報の流通量は増えます。
そうすると必然的に、本来ピンポイントで伝えたかった情報をこぼしてしまう可能性は上がります。
まずはそのリスクを理解して、情報を流す側の責任として、共有したことが伝わったかどうかを常に気にかけること、そして、伝わらないことを避けるために、必要なら2度-3度と同じことをいうこと、本当に重要なことは、Face to FaceやVideoChatなどの同期コミュニケーションを使うなどしつこく伝えることが大事だと思います。
そして、一方の情報を受け取る側についても、2-3度同じことを言われても優しく受け止められる空気を作ること、これが本当に大事です。(こぼれるより、3回聞いた方がよっぽど良いという理解)
この共通認識があって実践できていれば、情報がこぼれる可能性はゼロに近づきます。

つまり、情報を流す側と情報を受け取る側が歩み寄ることで、Transparencyによるネガティブな側面を最小化することができます。

最後に

Transparencyというキーワードで書いてみました。
浸透するまでは大変ですが、一度、Transparencyが浸透すると、変化に強いチームになります。
そして、その過程において、チームの信頼関係ができたり、"許される空気"ができたりします。なので、結果的は、精神的にも安心感の強いチームもになります。もしかすると、こっちの方が本質的には重要かもしれませんね。

ブログに書くために考えをまとめてみたのですが、結構再現性があるように思います。今後、時間を経ることでどう変化していくのか、面白い気づきがあったら、また書いてみようと思います。


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