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コロナ禍の一年を振り返って

最初の緊急事態宣言解除日である2020年5月25日のプレオープンから、3度目の緊急事態宣言中である6月現在の1年間を振り返って。

感染者数と来客数の関係性

来客数はコロナ感染者数と比例せず、政府の会見や報道があるとが減った。
考えると当然の事だが、感染者数が関係している訳ではなくメディアの報道の仕方で影響するように感じた。この1年間で最も来客数が少なかったのは、最初の緊急事態宣言解除から1ヶ月経過し感染者増加について都知事が会見をした2020年7月。最も多かったのは感染者数が急増した2020年12月である。

感染防止対策と考察

この1年(現在も)全ての要請に従い協力金はもちろん酒販免許やコロナ対策リーダー事業、抜打ちの東京都職員の来訪に対応して感染防止徹底点検済証も発行されている。
色々な立場があり其々考えがあると思うが、6席の小さいレストランの経営者からするとこうなってしまう。
今回のコロナ対策は協力金が少なく本来休業すべきところが休業できない。言い換えれば固定費の少ない店舗だけが休業できるようになっている。本来であれば要請に従って欲しいところほど補償するべきである。
不特定多数が集まり感染リスクが高い店舗にしっかり協力金を出して休業させて、来客を特定できて感染リスクの少ない店舗には協力金を出さずに営業させれば無くならずに済んだお店もあったと思う。

何もしないという答え

メニューは2ヶ月以上前から考えて1ヶ月前から試作する。食材も特注が多いので注文は1ヶ月位前から始まる。更に完全予約制。
7月に来客数が減ってしまった事もあり、ECサイトでの販売を始めたのだが、利益率が低くランニングコストを回収出来ない。
2度目の緊急事態宣言延長と間髪入れない3度目の緊急事態宣言でかなりの食材ロスを出してしまった。ECサイトで食材原価分は売れても人件費は出ない。そう考えると仕入れない=何もしないで解除されてから動き出した方がマイナスが少ないというビジネスとしての判断をした。

コロナとの共存

この一年を振り返るとコロナ無しでは語れない。
悩ましくもどかしい思いが付き纏う1年間だったが、良かった事もある。
それはコロナ禍ゆえの気付きである。

ひとつは料理人の腕前は料理の上手さではないという事を改めて気付けた。
一年前のまだ世間が今よりコロナを恐れていた頃のオープン。そんな中でも沢山の方々が駆け付けてくださった。この時の感謝の気持ちは一生忘れないと心に誓った。

もう一つ気付けた事は、お客様の喜びや言葉に救われていた事。
二度目の緊急事態宣言中にECサイトの商品を仕込んで売っているだけでは精神的に成り立たなくなってしまった。労働時間は減っているのにも関わらず心身共に疲れてしまい、目の前のお客様の楽しそうな表情よ喜びの言葉によって自分は生かされていた事に気付くと同時にカウンターメインの店にした理由も実は自分の為でもあった事に気付き腑に落ちた。

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