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宮地、今度は病院長になるってよ。

何年かぶりにラグビーをプレイしている夢を見た。W杯の影響かもしれない。ウィングのポジションでボールが回ってきて1人かわせばトライのところあっさり捕まるという、なんとも現実味のある夢であった。そういう意味では、来月から自分が期間限定とはいえ病院長になる方がずいぶん現実味のない話に思えてしまう。

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今働いている病院は、回復期リハ病床40、地域包括ケア病棟50、医療療養病床100に加え、老健100、介護医療院50の計340床有する。2015年に開院しまだ新しい建物内で今年の10月から上述した地域包括ケア病棟と在宅診療部を立ち上げたところである。ひょんなことから12月から院長(代行)になることになり、今お風呂の中で「病院長おはようございます!」という挨拶に対して「やあ、おはよう」と少し低めの声でスマートに返答できるよう絶賛特訓中である。

病院長になるのは良いとして、問題は前院長の病棟患者を引き継ぐことである。まだ訪問診療の患者数は多くないとはいえ、僕と事務1人でほぼ全てをこなしている。1日の半分以上は外に出るし、診療以外のデスクワークも入れれば決して余裕があるわけではない。ここに入院患者30名弱、入退院対応や院内でのIC、院長としての委員会参加や判子つきなどもろもろ加わるらしい。無理だな〜という直感がありつつも、どんな条件が揃えばできるのかな?とも考えてしまう。

・訪問診療中も病棟と遠隔で情報共有できる
・病棟でもメディカルアシスタントをつけてもらう
・辛いことを忘れさせてくれる楽しみがある

病棟との情報共有ツール導入
5年前初めて前職笑顔のおうちクリニックで訪問診療を経験した。すでに院内・院外パートナーだけでなく国内複数拠点が全てクラウド上で繋がっていた。特にchatworkを使った多職種情報共有は総合病院にあれば何倍も生産性があがるなと思ったのを覚えている。

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今回訪問中でも(あるいは院内にいても)緊急でない案件は、電話ではなくチャットで情報共有できるように病棟にipadを置いてもらうこととした。自分が関わる2病棟、地域連携室、検査課、医事課、リハビリ課にそれぞれ端末を配置。電子カルテは院外での閲覧は困難なままだが、これにより場所や相手の時間帯を気にせず情報共有できることになる。在宅で診ていた患者さんをそのまま入院したら病棟でもシームレスに受け入れる第一歩だ。プロトタイピングした後柔軟にシステムを修正しよう。

今の病棟の仕事、全て医師の仕事??
今回の病棟+在宅同時対応の肝は、紙や口頭を使った現行病棟システムの遠隔対応化とは思う。そのためには、可能な限り医師の権限を他の職種に移譲し身軽になりたいところ。さらに言うと業務量的にも非常に多く、とても前任者がやっていた内容を自分1人で遂行できない!細かな業務はやってみないとわからないが、訪問診療や他の病院でも導入しているメディカルクラークだったりサポートスタッフを当院病棟にも導入する(導入してくれないと院長やらないと駄々をこねて)。今回はさらにサポートスタッフも在宅と病棟を横断して僕をサポートしてもらう構想だ。これにより自分の業務負担が軽減するだけでなく、在宅と病院をシームレスに繋ぐ人材が増え地域貢献に繋がると確信している。これもスタッフ教育は大変だが、モチベーションの高いパートナーと共に乗り越え実現したい。

それでも辛くなったらどんな夢に逃避する?
東京にいる時、多動で貧乏性の僕は気になるイベントがあると全て出ないと後悔するかもという呪いにかかっていた。毎日イベントで疲れるな〜と思いつつ貧乏性はなかなか治らない。そんな生活に疲れて、地方との2拠点生活もいいかなと掛川を選んだ。ただ、離れて色んな人と会う機会が減ってしまうとそれはそれでさみしいものである。

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今回掛川にいても、色々な方とつながりが持てるよう遠隔センターと称して在宅診療部内にがっつり遠隔会議システムを導入した。 
・50型4KTV[maxzen JU50SK04] 43,800円 amazon
・カンファレンスカム [ロジクールGROUP CC3500e] 38,000円 メルカリ
・デスクトップPC [apple mac mini mid2011 2.3GHz corei5 メモリ8GB] 
 17,000円 ヤフオク 
・キャスター付きTV台 [NB AVF1500-50-1P-B] 16,000円 amazon
遠隔会議は少しでもストレスを感じると繋げたくなくなるもの。今回は院長就任記念に自分への投資として自腹で揃えたため、必要と思う機能にだけお金を掛けた。mac miniはいつまで動くか不安だけどこの値段で遠隔通信する分には全く問題なし。ヤフオクの神様に感謝する。

関東を離れ人口12万人の掛川で生活をすることで日本の地域医療の危うさを肌で感じている。一部の課題はいずれ都市部でも露呈するだろう。都市部や他の地方で生活するみなさま、ぜひ掛川と繋がってください(そしてこのシステムに投資して良かったと自己満足させてください)。地方からしか見えない景色を医療の壁を超え色んな分野の方と共有したいと思います。そして押し寄せる多量の業務からひと時でも逃避できる夢を見させてください。



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