みやちひろき

コミュニティドクター。東京と静岡掛川の2拠点生活を開始しました。医療、Aging、多拠…

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コミュニティドクター。東京と静岡掛川の2拠点生活を開始しました。医療、Aging、多拠点生活、シェアリング、旅行、カメラ、コミュニティを興味の軸にして都心と地方、日本と海外の枠を越えて人や文化の交流を楽しんでいます。

最近の記事

わたしの好きが創る新しい道

あゆみ「自分にできる挑戦をしたらいいよ」 そんな言葉をもらい、2拠点生活を始め丸4年が経過した。 思い返せば、その時できる小さな挑戦を繰り返してきた。 自分や仲間の「好き」をふんだんに盛り込んだ挑戦だ 病院とか医療従事者が一方通行でサービスを提供する医療ではなくて、 日常の生活の中で、住民同士が支え合う医療のかたち。 病気や怪我の時だけ関わる特別な医療機関ではなく、 ふらっと話でもしにいける病院 地域を愛する人たちとともにつくる豊かな日常 強い向かい風のなか、そんな

    • さよならクリリン、ありがとうブルマ

      しいたけ占いおわっちゃうんだ。 もともと占いとか性格診断とか興味はあるけど、見ちゃうとそうなっちゃいそうで避けるタイプ。 でも同僚がしいたけ占い(2023.6.30まで閲覧可)の話をしていて、読んでみると、なんだろ、ちょっと悩み事を聞いてもらったような温かい気持ちに包まれることもあった。 そんなしいたけ占いが5月末で最終更新になるみたいで最後の占いを読んでみた。 新しい未来へすすむ、ことにする。 「過去との結びつき」に関して話をすると、 宮地先生ってドラゴンボール

      • 次元が違うで片付けるのは、失礼の極み

        地域と医療のかけはしとなる病院を目指すようになって早2年。 壁にぶつかり粉々になっているときに声を掛けて頂いたコミュニティナースカンパニーの矢田明子さんが待つ雲南市にようやっと伺うことができた。 来てすぐ感じたこと。 コミュニティナースの詳しい説明については割愛するが、 「世界でいちばんつながる、しあわせにあふれる街」を目指すコミュニティナースカンパニーは、住民との対話の量が圧倒的に多い。 ケアに決まった形はない 幸せな瞬間を提供することがケアになる つながりや喜びが生

        • 病院でビールをつくるまでに追い込まれた理由

          先日病院近くの幼稚園児に来てもらい、得意の言葉遊びで園児たちの心を鷲掴みにした後、ひまわりの種を植えてもらった。きっと2ヶ月後、太陽の光をたっぷり浴びた大きな花綸が皆の心を癒やすだろう。 しかし、本当の狙いはそこではない。ひまわりの花弁からビールをつくる、その材料を確保するためだ!無邪気で純粋な園児たちの気持ちを踏みにじり、ビールの材料をつくる労働力として園児たちを利用したわけだ。だけど僕の心は、その程度の悪行では汗ひとつかくことすらない。 さらに言えば、秋に入院患者さん

        わたしの好きが創る新しい道

          想像以上に たわわ でした。

          今、掛川では素敵なチームが動き始めています。 どこから話せばいいのだろう。 2019年3月、僕はシンガポールにいて、St.Luke's Hospitalという地域密着の病院を見学していた。日本は高齢化率世界1位!という看板を引っさげての訪問である。 だけども、病院に来た人だけをケアすれば良いと思っていた自分のとって 「市民のニーズに合わせて病棟機能をアップデート」 「高齢化について次世代の人に知ってもらう活動」 「地域の施設への知見の共有や介護予防活動」 「障害を持った方

          想像以上に たわわ でした。

          チームに弱音を吐いてもいい

          2020年12月、大好きな自分のチームがガラガラと音をたてて崩れ始めていた。自分はいつもピリピリしていたし、チーム内で衝突がおこり、メンバーの顔には一番鋭角な彫刻刀で切り込んだような深い疲労が遠くから見ても分かるくらいくっきりと刻まれていた。 2019年10月に発足した掛川東病院在宅診療部は、医師1名事務3名でという精鋭部隊で地域のニーズに応え続けてきた。地域の信頼を得てどんどん増える新規依頼に対して、訪問診療医のリクルートは、どんなに上手にバットを振ってもボールにかすりも

          チームに弱音を吐いてもいい

          医師がLife Storyで働き方を選ぶべき理由

          そう、最終的には私が愛する掛川で一緒にまちづくりをしてくれる医師を募集しているという記事です。 なんなら大募集です。でも掛川に興味のない方も是非ご覧ください!。                       ※末尾に募集要項あり 何やってるの?でもなんか楽しそうにしてるよね。よく言われます。確かに楽しんでいる。でも実際には別に楽ばかりしているわけではなく、病院長になってからは夜間対応や感染対策などでゲロ吐きそうになっていることもよくあります。 なんで楽しそうに見えるのか

          医師がLife Storyで働き方を選ぶべき理由

          足りないことの豊かさ

          静岡県掛川に来て1年が経過した。 本業の訪問診療や院長業については、また今度話をする。 今回は、趣味の活動と周囲から揶揄されている地域との関わりについて1年振り返ってみたい。 今、地方だからできることってすごい増えてるんじゃないかな? この1年間の出来事をA41枚に書き上げ繋げていくと、あ〜やっぱり最初の頃に市役所に行ったことが全ての始まりになってるんだな〜と気づく。その時の話はこちら。 このつながりから始まったのが地元密着スーパーSanzenさんとのコラボ!美味し

          足りないことの豊かさ

          動き出した地方と迫られる覚悟

          コロナ感染拡大に伴い移動が制限され2拠点生活のうち地方で過ごす時間が大幅に増加した。 これを2拠点生活の移動できなくなるリスクと捉えるか、環境に応じて身を置く場所の選択肢が増えていると考えるかは人それぞれかもしれない。 人の動きは制限されたが、モノや情報の動きはほとんど滞らなかった。都心部で感染のストレスが極限になる中、地方では自然や広大なスペースのなか穏やかな時間が流れていた。 緊急事態宣言が出され自粛モードの数ヶ月は、地方にも都心と変わらないくらいの住民の意識変革をも

          動き出した地方と迫られる覚悟

          僕は、地方の手つかずの果実を頬張るために都心から逃げたのか。

          掛川と東京との2拠点生活を選び早半年。平日は病院長+在宅診療部部長として、週末は東京を中心に仲間と会ったり、地方や世界を見にいくサイクルにもだいぶん慣れてきた。※2020年2月末に書いたものです。 地方での生活が深くなるにつれ、同じ日本の同じ日本人でありながら言葉やルール、文化や距離感など少しずつ違うことがわかってくる。そしてその違いは、完全に移住するのと違って移動するたびに違和感として感じられすっかり慣れてしまうことはない。芦田愛菜ちゃんが、関西から上京する時に新幹線で富

          僕は、地方の手つかずの果実を頬張るために都心から逃げたのか。

          次のステージへ

          2019年10月に静岡県掛川市にて療養型病院に地域包括ケア病棟と在宅診療部を立ち上げしました。 同年12月より病院長代行、そして2020年3月1日よりめでたくリアル院長にこっそり就任しております。同時に採用医師の1人が訪問診療をちょっと手伝ってくれたり、休日夜間帯の非常勤医師対応など24時間365日1人待機体制を脱しつつある状況です。今回は、2020年2月までの立ち上げ期の簡単な総括をしたいと思います。東京と掛川との2拠点生活を支えたり面白がってくれた、家族をはじめ仲間

          次のステージへ

          地方医療存続のために僕がすべきこと

          年末にインフルエンザになり、多くの方が楽しみにしていた(はずの)院長室イベントINCHO!INCHO!INCHO!は当日キャンセルとなった。心も体も落ち込みabemaTVで放送していたRPG系アニメ全39話をうなされながら観たせいで、自分が現実にいるのかアニメの世界にいるのかわからず、一度薬草を買いに玄関先まで出てしまった。その後年越しは家族とバンコクで仕事もせずぼんやり過ごした。自分がいなくてもなんてことないな〜なんて考えている間に体は少しずつ元気になった。もう一度自分が進

          地方医療存続のために僕がすべきこと

          宮地、今度は病院長になるってよ。

          何年かぶりにラグビーをプレイしている夢を見た。W杯の影響かもしれない。ウィングのポジションでボールが回ってきて1人かわせばトライのところあっさり捕まるという、なんとも現実味のある夢であった。そういう意味では、来月から自分が期間限定とはいえ病院長になる方がずいぶん現実味のない話に思えてしまう。 今働いている病院は、回復期リハ病床40、地域包括ケア病棟50、医療療養病床100に加え、老健100、介護医療院50の計340床有する。2015年に開院しまだ新しい建物内で今年の10月か

          宮地、今度は病院長になるってよ。

          ベトナムの公立病院と私立病院を同じ日にみて日本に生まれた強みを考えた。

          ベトナムハノイに降り立ち、同じ日に私立病院のTam Anh Generarl Hospitalと公立病院のVietDuc University Hospitalを見ると日本が長寿国となり得た理由を肌で感じる事ができる。 9年前にベトナム人のオーナーがクリニックとして開業したTam Anh病院 https://tamanhhospital.vn/gioi-thieu/ は3年前には病院として、そして現在建設中の新棟が完成すれば500床となるハノイでも勢いのあるprivate

          ベトナムの公立病院と私立病院を同じ日にみて日本に生まれた強みを考えた。

          今日は市役所の企画政策課にいってくるわ。

          アイドルがライブで手を振ったら、確実に今私に手を振ったよね?て思うタイプの人いますよね。僕もその気はあります。 毎月ポストに入る広報かけがわの今月のメインテーマはこちら! もしかしたらこれって、僕のためのメッセージなのにわざわざ公共発行物で伝えてるんじゃ? てポジティブに考えちゃう。  掛川の慢性期病院で在宅診療を立ち上げる傍、医療や介護サービスを充実させるだけでは地方が都心部に先駆けて直面する超超高齢化、人口減少、財政難の荒波の中自分らしく暮らしていくのは難しいと思って

          今日は市役所の企画政策課にいってくるわ。

          カツ丼と落下傘

          患者さん宅でカツ丼とお寿司をゆっくり食べている。ゆっくり食べながら言葉を選んで話を続ける。話している相手は患者さんの家族。できる限りのことはしてあげて、悔いを残したくない息子さん。そんな息子に振り回され家に連れて帰ってきても絶対に介護は手伝わないからと話していた息子のお嫁さん。カツ丼の米粒を一つ一つ噛みつぶすように、言葉も丁寧に選び話を進めている。少し笑いも出たり、昔の話が出たりしてちょっといい雰囲気ではないか。病棟から出る時、こんな家族の状態で大丈夫なのかとみんなが心配した

          カツ丼と落下傘