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退院後の装具はどうなっている?

脳卒中の治療選択として装具を用いることは少なくないと思います。
入院中に作成し、退院時には随意性や機能向上に伴い使用しなくなる人もいますがほとんどが退院後も着用して生活する事になると思います。

退院後の装具の管理について皆さんはどこまで考えていますか。
「しっかり履いてくれるかな。」「いつかは軽い装具に。」
心配や期待いろいろあると思います。入院中より退院後の方が今後の人生の時間は長くなる。つまり身体も環境も変わっていきます。

入院中は、身体機能の変化に合わせて、装具を変えたり、底屈制限の角度を変えたり、痙性があがってきて足部の内反やclaw toeが出現に対して修正したりすることは当たり前のようにおこなっていると思います。

退院後はどうでしょうか。
身体機能が向上してオーバーブレースとなってしまう人。
活動量が徐々に減少し、身体機能も徐々に低下してきてしまい、入院中に作った装具では不十分となる人。
もちろん痩せる人もいれば、太る人もいます。

加えて装具自体も消耗品ですのでプラスチックが劣化して変形や割れてしまう事や、ベルクロの接着力が落ちてしまう事、金属支柱では足継手のロットがつぶれて入院中に設定した角度から大幅に変わってしまっている人。ブレースクリニックを担当していると多く目にします。

きっとここにきていない人の中には、耐用年数超過(プラスチック装具で1.5年、支柱付き装具で3年が目安)や、Fittingがあっていない装具を履いている人もいるんじゃないかなと思います。

これは昔からの課題で退院後のフォロー体制については義肢装具士さんを中心に改善がなされています。

入院中で大事なことは、退院後の装具に関する相談先装具のメンテナンス方法どうなったら修正が必要なのかなどを患者さん本人やご家族に説明、指導できているかということ。

退院後、合わない装具を履いている患者さんの多くが合っていないことに気づいてない事や相談先を知らない、申請の方法を知らないことが少なくありません。

退院後になるべく快適に過ごしてもらうために入院中から、こういった事もお伝えできるといいなと思います。