【謝るを科学する(3) 謝罪のキモチ~謝罪の上手い人って?~】

こんばんは、ひろきちです。
覗いていただきありがとうございます。

過去の記事では、(1)クレームの初動 (2)謝罪会見 について意見を述べてきました。
今回の記事は、タイトルどおり『謝ること』そのもの、とりわけその精神について科学していきます。
そのなかでも、仕事上で起きる(謝るタイミング)。
これについて掘り下げてみましょう。

誰もが必ず経験することですね。どうぞ、皆さんご自身に置き換えて考えてみてください。
この記事を読むことで、皆さんが仕事で抱えるストレスが少しでも、楽になってもらえるんじゃないか!と願っています。
それでは、本記事に入りましょう!


【謝るを科学する(3) 謝罪のキモチ~謝罪の上手い人って?~】
目次:①『メタ視点で考える~何で謝ってんだっけ?~』
   ②『理想的な「謝り方」とは?』
   ③ まとめ

では、いきましょう!


①『メタ視点で考える~何で謝ってんだっけ?~』

最近、仕事で何について謝りましたか?
たぶん小さなことを入れれば、覚えてないくらいありますよね。
そして、当たり前ですが

『なぜ謝るのか』なんてことは考えません。
しかし、これを考えてみることで、何かつかめるかもしれません。


事例をもとにイメージしてみましょう。

(事例研究1)
あなたは仕事上で大きなミスを起こしてしまいました。
上司から叱責され、
「申し訳ありません・・・」
と謝りました。

このときの心境はどうでしょうか?
「何のために」謝っていますか?

誠意を見せるため?
申し訳ない気持ちがあるから?
『怒られたから?』


どうでしょうか。
普段(なぜ謝るのか)なんて考えないし、よくわかんないですよね。

では、この例は一旦おいて、次の事例を考えてみましょう。

(事例研究2)
あなたは、恋人がいるにも関わらず浮気をし、それが恋人にバレてしまいました。
気持ちを傷つけてしまった恋人に対し誠心誠意、謝ります。

不謹慎かもしれませんがイメージしやすいので・・・浮気を例にしましたw
ちなみに私は浮気したことはありません。(ホントですよ!)

・・・では、ここでも考えてみましょう。
「何のために」謝りますか?
 
誠意を見せるため?
申し訳ない気持ちがあるから?
『恋人と別れたくないから?』


どうですか?
この「恋人関係」の例だと、仕事に比べてずっと、謝る理由が納得できますよね。

どういうことかと言うと。
仕事上のミスの例では上司に対して自分のミスを詫び、恋人の例では自分の不義を謝っています。
当然(申し訳ない)って思いはどちらもある。
しかしそれは、前提ではあるが建前でもあります。

私たちにとって恋人の例が分かりやすいのは、
「恋人を失いたくない」という強い思いに共感できるから。
この思いが、「謝ること」への動機付けとなっているのです。

つまり、
『謝るのは、その後の関係性を壊さない(継続する)ため』のアクションである意味合いが強い。
そう言えます。

では、本題の仕事の例に戻ってみましょう。
ミスをして怒られ、上司に向かって頭を下げて謝ります。

ほとんどの方が、「なぜ謝るのか」を考えたときにこれが浮かぶと思います。
◆上司の機嫌を直したい。
◆もう怒られたくない。
◆謝らないと、嫌われてしまう。
◆『仕事だから』。


そう、謝る動機は、
(その後に差し支えるから)(仕事だから謝らなければいけない)。

つまり仕事のうえでは、謝ることはツールである一方、謝罪自体が目的化しているとも言えるのです。

では、今度は上司の立場になって考えてみましょう。

(事例研究3)
あなたの部下が大きなミスをしました。
上司として、部下を叱らなければなりません。
部下は青い顔をして、「申し訳ありません・・・」と謝ってきました。


あなたは、謝罪する部下を見て納得し許すことができますか?
この段階では、まだ許すことはできませんよね。私はできません。

あなたが本当に求めているのは「謝罪すること」ではなく、自分が納得すること。部下が本当に反省し、改善する気持ちを持っているかを知ること、のはずです。
つまり、「謝罪」は入り口にすぎない。そのあとこそが重要なのです。

では、仕事のうえでミスをして謝る場面では、どのように考えればいいのでしょうか?次の項で深く考えてみましょう。



②『理想的な「謝り方」とは?』

私の好きな漫画で、「ハンター×ハンター」があります。
その中で、このシーンを良く思い出します。
(画像は自粛します)

(H×H 335話より)
・・・父親の親友であり、自分の師匠でもあるカイトを「自分の力不足で死なせてしまった」と悔やみ、ゴン(息子)は(自分が死ぬべきだったのに・・!)と号泣し、ジン(父親)に謝ります。

すると、ジンは息子に対しこう諭すのです。

「ゴン・・・それは違う・・・!!」
「弱っちいお前にも責任はある 責任は大いに感じろよ、同じ失敗はするな」
「そして謝るならオレにじゃなくカイトにだ!」
「仲間に謝る時はルールがある 知ってっか?」
『次はどうするか、そいつと約束する そしてそれを絶対守る事だ!』

少年漫画ではありますが、この言葉は私が仕事をする上でよく思い出す好例です。
ジンは、カイトを死なせたことで息子を責めることはしません。
それよりも、
「悔やむよりも次にどうすれば失敗しないか、よく考えろ」
「どうするかを考え、それを絶対に守ることこそが、相手のためになることだ」
と教えているのです。

これを踏まえたうえで、謝る時にはどのような精神でいるべきなのか?
理想的な謝り方とはなにか?を考えてみましょう。

まず精神面では。
前項で述べたように、仕事の上では「謝ること」そのものが目的化している人が多いです。
しかし、上司は謝罪そのものを本当に求めているわけではありません。
大事なのは、その後にどうするか。

であるならば、謝罪するときに、
◆申し訳ない
◆怒られるのがつらい
◆早くこの嫌な時間が終わってほしい
このような『ネガティブ思考』に支配されていても、状況は好転しません。
逆に、怒り、恨み。このような思考もまた、意味はありません。

あくまでも、「次はどうするか」を求める上司に対し『どうする』を提示する『プラス思考』(楽天的にという意味ではない)が重要なのです。
謝ることは、その入り口にすぎません。

ですので、ただ(つらい、苦しい)キモチで満たされているよりも
「この苦境をどうプラスに持っていくか」で頭をいっぱいにしてしまうのです。
この切り替えが重要です。
※ただし、開き直りとは全く違います。

考え方の問題ですので、ミスをして上司に怒られたら。
こう考えてみましょう。

(今のこの難局はRPGのダンジョンで、上司は中ボスだ。これを攻略するには、装備や薬草が必要。どうすれば死なずにクリアできるか?)

このくらい、心の切り替えができれば。
謝る時も心の中はそんなに、締めつけられません。
だって攻略法は必ずあるのだから。

私が考える理想的な謝り方は。
◆しっかり謝り、誠意は示す
◆心の中は「次はどうする」でいっぱいにする
◆謝っているのに、自信がある。
◆頭は下げても、下は向かない。自分の足元でなく、前を向く。
◆「次はどうする」を提示する。または、提示する意思を示す。
◆提示したことを必ず守る。

これができていれば、多くの上司は「次はどうする」について真剣に考えてくれるはずです。というか、そうなるように自分が仕向けなければならない。
『ガミガミ上司をプラス思考に誘導するんだ』くらいの考えでいきましょう!
それが、信頼関係を築きます。強固な信頼関係ができれば、少々のミスでもただ怒られるだけにならず、任せてもらえるはずです。

事実、私はほんの5年くらい前までは「悪い例」ばかりでした。
上司の評価も低く、信頼されない。任せてくれない。
怒られる時は1時間でも2時間でも。下を向くばかりで前に進まない。
当然、腐る。負のスパイラル。

でも、どこかで自分の意識を変えるしかないことに気が付いたのです。
そのころから、怒られても昔のようには気に病まなくなりました。

それよりも、「次はどうしよう」「怒られないではなく、怒らせないためにはどうするか」といったように、RPG的に仕事を楽しめる感覚が身についてきました。
それを繰り返してきた結果、上司からの評価・信頼も上がり、多くの業務を自分のペースで進められる。自分の裁量で好きにやっているのに、それを評価してもらえる。そんなプラスへの転化ができるようになりました。

③ まとめ

◆謝るのは、「そのあと」の関係性を守るため。
◆しかし仕事では、その目的を見失い謝ること自体を目的化してしまう。
◆心の切り替えが必要。RPGだと思って、プラス思考で。
◆「次はどうするか」「それを絶対に守ること」こそが信頼につながる。


ここまで、「謝ること」そのものの精神性について述べてきました。
いかがでしょうか?

「口ではなんとでも言えるよ」と思う方もいらっしゃるかもしれない。
同感です、5年前の私ならば。

でも、人は変われるんです。他人をも変えられます。
そのひとつのツールが、『謝ること』です。

『謝ることの価値感を変えたい』
しつこいですが、私はこれをテーマとしています。


少しでもいいので、心の中で見方を変えてみてください。
きっといつか、皆さんの心のストレスが形を変え、プラスに転化できる日が来るはず。そう信じています。

読んでいただき、ありがとうございます。
仕事はつらいこともあります。でも、私と一緒に仕事を面白くしてみませんか!
皆さんの心に届くような記事を、書ければと思います。

では、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?