2021.2.3 いま思うこと
山田大記、1988年生まれ、32歳。
4歳でサッカーを初めて30年近くが経つ。
もし40歳まで現役を続けられてもあと8年。
サッカー選手としての歩みは、確実に終盤戦に差し掛かっている。
これまで下してきた決断には未練も後悔もないが、これから下していくであろう幾多の決断には、様々な感情が宿るのではないか。
そんなことを考えている。
決断とは、プレースタイルやチーム内での役割、移籍か残留か、そして、いつどこで終わりの日を迎えるのか。
夢や目標から逆算して下してきた決断を、終わりから逆算して決断していくようになるんだろう。
若い頃はこの考え方に強い抵抗感があった。
終わりから逆算するのは、すでに終わってるも同然だと思っていた。
ただ、今は少し違った感覚を持っている。
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逆算の対象が夢や目標ではなく、ユニフォームを脱ぐその日になったことで、今ようやく自分のサッカー観と向き合えている気がする。
なんのためにサッカーをしているのか?
夢や目標以外の答えが、ずっと見つからなかった。
今も定かではないけど、夢中でボールを追いかけた幼い頃のように、サッカーをするためにサッカーをしている。ただそれだけなのかもしれないと思い始めている。
夢とか目標とか、誰かのためにとか、チームや勝利のためにとか、プレーする理由がたくさんあることは選手としての喜びである反面、それらに苦しめられた時期もあった。他者の評価や価値観に振り回された時期もあった。
だけど、サッカーをするためにサッカーをしている。そんな考えに至った今、とてもすっきりしている。
寒い日に湯船に浸かって、冷えた身体がじわじわと温まっていく、ああいう感覚を大事にしたい。
身も心もその瞬間に預けて、心地よさを存分に味わう。
心地よい瞬間ばかりではなくても、サッカーにどっぷりと浸かって、その瞬間に湧き上がる感情や熱量を嗜みながら、サッカーを全力でプレーできるこの時間を大切に過ごしたい。