母と聖悠紀先生を偲ぶ会

6月9日はなんの日?っていう問いに、すぐに思いつかないままにも俺が脳裏に浮かぶのは『超人ロックの日』である。
といっても俺は超人ロックが好きというわけではない。
きちんと全部を読んでいるわけでもなく、ある程度を読んだというぐらいだ。
それなのにその作品を記憶できているのは、幼少の頃から実家にあったからである。
持ち主は我が母。
彼女は聖悠紀先生の大ファンで、超人ロックが好きであった。

6月9日、もっと言えば2023年6月9日。
『聖悠紀先生を偲ぶ会』があった。

そんな母の人生に多大な影響を与えたであろう漫画家の訃報を5月中旬にTwitterで知った俺は、
知るやいなや訃報及び偲ぶ会に関するTweetURLと「空けとけ。連れて行く」とだけ送り付けた。

母は出不精ではない人だが交通費を異常に憎む性質がある。
だから、偲ぶ会に行きたいとは思うだろうが、会場である赤坂まで行くことに躊躇してしまうだろうと容易に想像ができた。
そして、一人で行くことに色々思いが詰まるのかもしれないということも。

俺が思うに、どうやっても自分へ影響を与えた存在を見送る機会の方が多い。
見送るにしても例えば作家などの著名人だと、直接の接点を持つことが出来ないものだ。

もし、彼女が偲ぶ会へ行かなかったら、ゆるくずっと後悔してしまうのかもしれない。
直接の接点を持つ最後の機会を知りつつ、それを逃させるのは、やはり心苦しい。
そういう思いから今日の行動に至った。

帰りの車では聖悠紀先生と私といったトークテーマでいくつかのエピソードを聴き、
しみじみとお別れを告げる機会がきちんとあってよかったなと思いながら運転したのであった。
昔は毎週ファンレターを書いていたり、高校の頃に聖先生と結婚したかったからアシスタント募集してないかと編集部に問い合わせたりとか。

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