「六道警備隊」第一話
第一話 「六道恋歌」
地蔵公園 高台の石階段を登ると中央にお地蔵様が鎮座、樹木が生い茂り
ベンチ、自販機が設置されている
二人の女子高生が現れ会話を始める
弁天愛子「うーん、怪しい」吉祥 麗「やめなよ、愛ちゃん」
お地蔵様を睨む愛子「絶対、動くよ、このお地蔵さん」お地蔵様の顔を
撫でまわす『ナデナデ』「ばち当たるよ」心配する麗
「そうだ!」お地蔵様によじ登る愛子「これで、どうだ!」お地蔵様の
ほっぺにいきなりチューをする『ブッチュー』
「マジー」顔を赤らめ照れる麗
お地蔵様の右の鼻の穴から鼻血が流れる『タラーン』
「やっぱ、お地蔵さんが動く、都市伝説、ガセだったかー」鼻血に気付かず帰ろうとする愛子「麗ちゃん、帰ろー」
「もう!愛ちゃんたらー」呆れながら安心する麗
お地蔵様「なっ、なんて強烈な娘だ!」心の中で呟く
『仏教宇宙論では、全ての生物は悟りを開かない限り、六道を輪廻して
回ると伝えられる』
『六道とは、天道、人間道、畜生道、地獄道、餓鬼道、阿修羅道』
『六道の中にある地獄道は、生前、罪を犯した生物が、罪の償いとして
あらゆる刑を受け、また蘇生して行く』
『地獄界の閻魔大王は、冥土の裁判官として、死者の生前の罪を
裁くとされる』
『また、閻魔大王が地蔵菩薩の化身であるという所説もあり
六道界に現れて、衆生を救う菩薩とされる』
閻魔王庁
「最近の女子高生は、強烈すぎるのじゃ」鼻血を拭く閻魔大王
閻魔王庁の獄卒達
牛頭羅刹「閻魔大王、鼻血出てるでウッモー」強面でスキンヘッド
角がバッファローの様に丸まっている
馬頭羅刹「さっきの女子高生に興奮したんじゃないでバヒーン?」
馬面で切れ長の目、鬣があり、ユニコンーの様な一角
虎頭羅刹「もしかして、煩悩ってやつですガゥオー?」イケメンでロン毛
二角、本編の主人公、虎の頭をした羅刹、名前は『韻虎』インドラ
閻魔大王「だっ、黙れ!次の亡者を連れてまいれ!裁いてやるのじゃ!」
怒り気味、閻魔台を握った笏で叩く『ドーン』
牛頭「へーいでウッモー」馬頭「単純ーでバヒーン」
韻虎「八つ当たりガゥオー」散らばる様に逃げる三人
『ヴァーオン、ヴァーオン、ヴァーオン、ヴァーオン・・・』警戒音
J(地獄)アラートが突然鳴り響く、大きな蝋燭台に肩まで出た鬼の叫び
牛頭「なんだウッモー?」馬頭「Jアラートでバヒーン?」
韻虎「緊急事態ガゥオー?」顔がこわばる三人
地獄アラート「緊急事態!緊急事態!無間地獄の象頭羅刹からです・・・」
象頭羅刹、巨漢で頭部に太い一角、マンモスの様な象牙
閻魔大王「何事じゃ!象頭羅刹」浄瑠璃の鏡(前世を映す鏡、地獄界では
通信機器にもなる)を見て、象頭羅刹とリモートする
象頭「閻魔大王、大変でパッオー、無間地獄から脱獄者が出たでパッオー」象牙が一本折れ瀕死の状態
閻魔大王「なんじゃとー!」韻虎「あの厳重な警備をガゥオー・・・?」
牛頭「どうやっただウッモー?」馬頭「一体、誰がでバヒーン?」
『無間地獄 あらゆる地獄の中でも最も悲惨な地獄、永遠(無間)
あらゆる重罪を重ねるとここに堕ちる、無間亡者の転生先は永遠に無間
救いはない 』
象頭「とっ、突然、扉が開き・・・中の獄卒達は全滅パッオー」
「我々も応戦しましたパッオー・・・」「やっ、奴は化け物で
パッオー・・・すいませんパッオー」『ガクッ』倒れる象頭羅刹
閻魔大王「次の亡者は、お前だったのか?」笏を振り裁こうとする
韻虎「いや、そうじゃなくてでガゥオー」牛頭「誰にやられたでウッモー」馬頭「しっかりして象頭羅刹!バヒーン」
なんとか目を開ける象頭「だっ脱獄者の名は・・・ヴァルナ・・・で
パッオー」
閻魔大王「おおー生きておったか、象頭」笏を停める
「なぬ!ヴァルナじゃと」
韻虎「ヴァルナって聞いたことあるでガゥオー」
馬頭「阿修羅界の非水神でバヒーン」牛頭「天道界の帝釈天に敗れ
無間地獄に堕ちたでウッモー」
閻魔大王「まずい事になったのじゃ!」「今すぐ、特殊鬼動部隊
『カミナリ部隊を出動させ、阿修羅界に入る前に確保するのじゃ」
象頭「そっ、それが・・・奴は阿修羅界ではなく、人間界に向かったで
パッオー」
閻魔大王「なんじゃとー!カミナリ部隊、及び牛頭と韻虎、至急人間界に
向かうのじゃ」「必ず、脱獄者ヴァルナを確保するのじゃ!」
韻虎「牛頭!行くでガゥオー」牛頭「おうっーでウッモー」
閻魔王庁を飛び出す二人
人間界 地蔵ヶ丘高校 1年3組 放課後のホームルーム
先生「ここ数日、都内の中高生の失踪事件が相次いでいます。」
「何かあったら直ぐ先生や、親御さんに相談する様に」
愛子「うわー怖い、神隠しー、なんかの祟りー」
麗「愛ちゃん、先生に聞こえるよ」隣同士で子声で会話している
先生「それでは、これでホームルームを終わります」
日直「起立!礼」『キーンコーンカーンコーン』終業のベルが鳴る
愛子「麗ちゃん、一緒に帰ろ」「今日こそ、あのお地蔵さん動かしてやる」真顔で言う
麗「えっーまた行くの、愛ちゃんチャレンジャー」笑いながら言う
校門を出る二人
麗「あっ、ネットで検索したら、お地蔵さんて閻魔大王の化身らしいよー」
愛子「えっ、マジですかー、超怖いんですけどー」笑いながら地蔵公園に
向かう
地蔵公園
ベンチに座り缶コーヒーを飲む韻虎と牛頭、地獄界の衣ではなく
黒いスーツに赤ネクタイ、頭には角隠しを装着している
牛頭「いくら極秘任務で人間に鬼の正体を見られるなと言っても
ミッキーの角隠しじゃー迫力ないでウッモー」丸まった角に
ミッキーマウスの付け耳を装着している
韻虎「いやっ、結構似合っているでガゥオー」「俺なんてマイメロで
ガゥオー」二本の長い角、マイメロディの付け耳を装着している
そこに、やって来た弁天愛子と吉祥 麗
愛子「あっ!お地蔵さんがコーヒー飲んでる」スキンヘッドの牛頭を
お地蔵様と間違える
牛頭『ブッーフッ』コーヒーを吹き出す
麗が韻虎を見て心に思う「わっー超イケメンさん」
韻虎が麗を見て心に思う「うっ可愛い、煩悩がガゥオー」
牛頭「失礼でウッモー、地蔵さんはあっちでウッモー」地蔵を指さす
お地藏様の呟き「とほほ、牛頭と間違えられるとは・・・情けないのじゃ」
麗「すいません、愛ちゃんも謝んなよー」愛子「大変、失礼しました」
「でも、そっくりなんだもん」子声で言う
そこに、四人組の悪そうな輩たちが現れる
桃河「君たち地蔵ヶ丘高校だよね、俺たちとお茶しない」
桃河「鬼ヶ島高校の桃河太郎(ももがたろう)って知っているよねー」
麗に顎クイッ
犬丸「おっ、俺好み」愛子に頭パフパフする
愛子震えながら子声で「鬼高の桃河、半グレ集団のリーダー・・・
怖いよー」
牛頭「やめろーでウッモー」「彼女達、嫌がってるでウッモー」
体を張り割って入る
韻虎「牛頭、よせ!相手は人間でガゥオー」牛頭を止めに入る
桃河「お前たちには用はねーな」猿股「てか、その付け耳なに?」
雉間「もしかして、変態?」犬丸「付け耳変態男」「がっはははは」
爆笑する四人
牛頭「怒ったでウッモー!」「お地蔵さんの裏で話そうでウッモー」
完全にきれる
韻虎「だからよせって、相手は高校生でガゥオー」牛頭を宥める
桃河「上等だこの付け耳変態男」「彼女達、ちょと待ってて」
お地蔵様の裏に行く牛頭、韻虎と鬼高の四人
麗「大丈夫かな?あの二人」愛子「あの人、お地蔵さんの化身かも」
心配する二人
お地蔵様の裏『バキッー』『ボキッー』『グッシャー』「ひぃー助けてー」悲鳴が聞こえる
ズラーバックス店内
愛子「さっきは、危ないところ、ありがとうございました」
麗「ここのドリンクで、お礼させてください、美味しいですよ」
牛頭『ズズズズズー』ドリンクを飲み干す「うまいでウッモー
お代わりでウッモー」
牛頭「いやいや、誠意をもって話したら分かってくれたでウッモー」
韻虎「嘘つけ、フルボッコにしたでガゥオー」心で呟く
愛子「さっきは、すいません、本当にお地蔵さんに見えたもので」
牛頭「いやいや、お地蔵さんの様に神々しく見えて光栄でウッモー」
韻虎「頭がハゲで似ていただけでガゥオー」牛頭「なんだでウッモー」
麗「私たち、あのお地蔵さんが動く、都市伝説を確認していたんです」
愛子「絶対、怪しいんですよーあのお地蔵さん」
牛頭「あーあれ動くよ、閻魔大王でウッモー」
韻虎「馬鹿!何言ってんでガゥオー」
麗「お地蔵さんて閻魔大王の化身なんですか?」
牛頭「そうそう、化身でウッモー」
愛子「まじすかー超怖いんですけどー」真顔で怖がる
麗の呟き韻虎をジッと見つめる「近くで見ると超イケメン
マジタイプなんですけど」
麗に見つめられドキッとする韻虎「なっ、何だこの胸のチクチクは
また煩悩ガゥオー」心で呟く
そこに突然『ヴァーオン、ヴァーオン、ヴァーオン、ヴァーオン・・・』
警戒音 J(地獄)アラートが鳴り響く、大きな蝋燭台に肩まで出た鬼の叫び
「皇居眼鏡橋付近に脱獄者ヴァルナ出現!直ちに急行せよ」
愛子「キャーなにこれ、キモカワー」
麗「蝋燭台に鬼の顔、しゃべってるしー」
韻虎「牛頭、奴が現れた、行くでガゥオー」
牛頭「えっーまだ、お代わり飲んでないでウッモー」引きずられ玄関を出る。机の J(地獄)アラートが消え、お代わりのズラバスペシャルが残る
皇居眼鏡橋付近
人だかりの中、警察が目撃者に事情聴取をしている
無線で報告する警察「本部本部、こちら事件現場、数十人の男達が
不審者に襲撃された模様、暴力団の抗争かと思われます。」
「なお、その不審者は東京駅方面に逃走した模様」
現場に駆け寄る韻虎と牛頭、カミナリ部隊が全滅し現場が血の海
韻虎「ちっ、間に合わなかったでガゥオー」
牛頭「カミナリ部隊が全滅でウッモー」
『ヴァーオン、ヴァーオン、ヴァーオン、ヴァーオン・・・』警戒音
J(地獄)アラートが鳴り響く、大きな蝋燭台に肩まで出た鬼の叫び
閻魔大王「韻虎!牛頭!聞こえるかー閻魔大王じゃ」
「地獄界の精鋭部隊が全滅した」
「犯人は、無間地獄から脱獄した阿修羅界のヴァルナじゃー」
馬頭「こちら馬頭羅刹、カミナリ部隊がヴァルナ一人に
やられたでバヒーン」
「お前たちが、人間界の女子高生と遊んでる間にでバヒーン」
韻虎「なんだとー俺たちが悪いってのガゥオーガゥオーオー」吠える
牛頭「まあまあ韻虎、俺たちも楽しんでたでウッモー」韻虎を宥める
閻魔大王「兎に角すぐに救護班と応援部隊を送る
二人とも気を付けるのじゃ」
馬頭「いいか、人間界の女性に近づき過ぎるなでバヒーン」
「特に韻虎!煩悩に気を付けるのでバヒンー!」
韻虎「大きなお世話でガゥオー」「この馬、鹿野郎ガゥオー」
興奮冷めやらぬ様子
一週間後の仏滅 都内の港にある倉庫内
阿修羅族の案内係、阿頭裸(あずら)と非水天ヴァルナが潜伏中
阿頭裸(スキンヘッドで頭部に大きな瘤、顎が長い三日月顔、鎧を着け
両手に鋸の様な刃物を持っている)
ヴァルナ(巨漢、胡坐の状態で六尺、全長で十尺、装飾品を着け
雅な衣を纏っている)
阿頭裸「ヴァルナ様、今日は仏滅っす、阿修羅界の門が開くっす」
「今日こそ帰還しましょうっす」
ヴァルナ「まあまあ、そう焦るでない、折角娑婆に出られたのじゃ」
「もう少し楽しませてほしいですなー」
阿頭裸「本当に好きっすね、もう十五人ですぜー
これで最後にしてくれっす」
ヴァルナ「この時代、なかなか初々しい生娘が居ないですなー」
「頼みますよ阿頭裸君」舌ベロをペローンとし涎を垂らす
阿頭裸「おいっ、聞いたかお前たち、ヴァルナ様の命令っす!」
「ピッチピチの娘を捕獲してくるっす」
そこには鬼高の桃河と半グレ集団
桃河「おっさん達も好きだな」犬丸「まあ、目星は付けてあるぜ」
「がっはははは」笑う犬丸、猿股、雉間
ズラーバックス店内
牛頭「しかし、このドリンク美味いでウッモー10杯目でウッモー」
韻虎「飲みすぎでガゥオー!この黒毛無牛ガゥオー」
牛頭「まだ馬頭の事、怒っているでウッモー」
韻虎「あったり前でガゥオー」
牛頭「まあ、奴の言いたいこともわかるでウッモー」
韻虎「大体、なんで奴だけ人間界に来ないでガゥオー」
牛頭「来ないんじゃなくて来れないんでウッモー」
韻虎「どういう事でガゥオー?」
牛頭「韻虎は、閻魔王庁に来て浅いから奴の過去をしらないでウッモー」
「奴には辛い過去があるでウッモー」「今から20年前、おいらと馬頭が人間界にある事件で来界した時の事でウッモー」
「今のおいら達の様に女子高生を暴走族から助けたでウッモー」
回想シーン20年前
馬頭と牛頭が暴走族から少女を助けるシーン
馬頭「大丈夫でバヒーン?」少女「ありがとうございます」
「あなたは私の白馬の王子様です」
牛頭「白馬?馬だけにでウッモー」
回想シーン終了
牛頭「それから、二人は恋に落ちたでウッモー」
『六道間の恋はご法度でウッモー』
韻虎「ご法度どころか、人間界の女性と一線を越えたらまずいでガゥオー」
牛頭「そう、一線を越えたら、おいら達は人間化するでウッモー」
韻虎「知力、体力、能力、寿命まで縮んでしまうでガゥオー」
牛頭「五千年の寿命が百年になるでウッモー」「馬頭は迷ったでウッモー」
韻虎「迷う事もないでガゥオー」「一目瞭然でガゥオー」
牛頭「恋は盲目でウッモー」「しかし、何とか少女と別れたでウッモー」
韻虎「それで、俺らに女子高生に対し厳しく言ってたんでガゥオー」
牛頭「そうでウッモー」「そして、少女は失恋のショックで
自らの命を絶ち・・・」
「等活地獄に堕ちたでウッモー・・・」号泣し鼻水を出す
『ウッモオオオー』
韻虎「奴にそんな悲恋話があったでガゥオー」瞳を潤わす
牛頭「奴は、それを悔いて人間界に行けなくなったでウッモー」
「自分と同じ苦しみをさせない為、おいら達に忠告しているでウッモー」『ズズズズズー』ズラバスペシャルを飲み干す
突然『ヴァーオン、ヴァーオン、ヴァーオン、ヴァーオン・・・』
警戒音 J(地獄)アラートが鳴り響く、大きな蝋燭台に肩まで出た鬼の叫び
『脱獄者ヴァルナの潜伏先判明!直ちに急行せよ!』
韻虎「おっ!見っかったでガゥオー」牛頭「場所はどこでウッモー」
閻魔大王『韻虎、牛頭、奴はお台場ライナー埠頭にある第六十六倉庫に
潜伏中じゃー』
『カミナリ部隊を全滅させた輩じゃ!気を付けるのじゃ!』
馬頭『こちら馬頭羅刹だ!弁天愛子と吉祥 麗が拉致されたでバヒーン』
韻虎「なにー?どういう事でガゥオー」
牛頭「ヴァルナと関係あるのでウッモー?」
馬頭『鬼ヶ島高校の桃河達が車で連れ去ったでバヒーン』
閻魔大王『最近の中高生失踪事件は、奴らの仕業じゃ』
『その裏にヴァルナが関与していたのじゃ』
馬頭『ヴァルナを倒し彼女達を助けるでバヒーン』
閻魔大王『すぐに応援部隊を送る、焦るでないぞ!』
韻虎「わかってるでガゥオー」「牛頭!行くでガゥオー」
牛頭「お代わりもしたでウッモー!行くでウッモー」
第六十六倉庫に向かう二人
黒塗りのワンボックスカーが第六十六倉庫に到着する
『キキキキー』ブレーキ音
桃河「着いたぜ、降りるぞ」愛子と麗の腕を掴む
愛子「怖いよー麗ちゃん・・・」全身が震える『ブルブルブル』
麗「ここどこですか?」犬丸「へへへ、地獄の一丁目かな?」
桃河「いやー俺たちにとっては楽園じゃね?」猿股、雉間「へへへへ」
愛子「誰かー助けて!」麗「やめて、離して!」抵抗する二人
桃河「ははは、叫んでも誰も来ないぜー」
犬丸「観念しろコラー!」威嚇する
第六十六倉庫の扉を開ける『ギギギギー』
桃河「阿頭裸さん、ピッチピチの女子高生、捕獲してきたぜ」
二人を差し出す
阿頭裸「ほほーう、これは上玉っすねヴァルナ様」後ろを振り向く
ヴァルナ「これはこれは、ご馳走ですねー特に丸っこい娘」
涎を流し舌ベロを出す
阿頭裸「今夜が最後、お前たちも参加していいっすよ」
桃河「おっマジっすか」犬丸「やりーい」猿股、雉間「へへへへへ」
阿頭裸「ヴァルナ様、焼きますか?煮ますか?」
ヴァルナ「やっぱ、生が一番でしょー」麗の襟首を掴み持ち上げる
「先ずは前菜から頂きます」大きく口を開け口元に引き付ける
桃河「マッ、マジで食うのか?」犬丸「やっぱここは地獄の一丁目だー」
愛子「キャー麗が食べられちゃうー!やめてー誰か助けてー」悲鳴を上げる
『ドッガーン』分厚い鉄の扉、内側に厳重に巻き付かれた鎖に南京錠が
爆音と共に破壊される
韻虎と牛頭が扉をけ破り登場
韻虎「ヴァルナ!見つけたでガゥオー」
牛頭「愛ちゃん達はどこでウッモー!」
怒る二人、地獄界の着物と手には金棒を持っている
桃河「こっこいつら、この前の・・・」犬丸「付け耳変態野郎」
ヴァルナ「君たち、一足遅かったかなー」
「二匹とも食っちまったよーご馳走様」
手にはブレザーとYシャツ、口元に血が滴り、口から靴を履きだす『ペッ』
怒り心頭の韻虎と牛頭「ガゥガゥオオオオー」「ウッモウッモモモー」
阿頭裸「フフフ、お前たち、こいつらをぶっ殺すっす」桃河達に命令する
桃河「あーこの前のお礼させてもらうぜ」
犬丸「そうだな、ヴァルナさんも居るしな」
手に鉄パイプ、チェーンなど武器を持っている
飛びかかる犬丸と猿股「この野郎ー死ねー」迎え撃つ牛頭「ウッモモモー」
牛頭の原始人が持つ様な丸く膨らんだ金棒が二人の頭部を直撃
『ボムッ』『ボムッ』
同時に桃河と雉間が韻虎に襲い掛かる「付け耳変態男ー」迎え撃つ韻虎「ガゥガゥオオオオー」野球バットの様な金棒で二人の胴を切る
『ピッカー』『ピッカー』
一瞬で倒れこむ四人、失神をしている『ピック、ピック、ピック』
牛頭「安心しろ、ゴムの硬さに抑えたでウッモー」
「人間には殺生は禁物でウッモー」
韻虎「お前達も、人間の致死電圧42(しに)死にボルトは
抑えたでガゥオー」
阿頭裸「貴様ら地獄界の獄卒どもっすねー」
ヴァルナ「ほほーう、閻魔の弟子達ですかー」
「隕石を司る羅刹と雷を司る羅刹ですなー」
牛頭「阿修羅族には容赦はしないでウッモー」「最強硬度ダイヤモンドヘッドに変化するでウッモー」
牛頭の丸く大きな金棒が光り輝く巨大なダイヤモンドに変化する
韻虎「俺もだ!雷の電圧一千万ボルトに変化するでガゥオー」金棒に電流がビリビリ流れ始める
対峙する双方、阿頭裸は両手に葉刃物(植物の葉の様なギザギザの剣)で
構え、ヴァルナは特に何も持たず余裕で胡坐をかいている
韻虎「俺が先に行くでガッー」言っている途中に
いきなり牛頭が阿頭裸に飛びかかる「ハレー彗星でウッモー!」
葉刃物クロスさせ攻撃を受ける阿頭裸「受け止めるっす!」
『グッワッキーン』
葉刃物を打ち砕きそのまま阿頭裸の顔面を直撃「うっわー」
衝撃で吹っ飛ぶ阿頭裸
ヴァルナ「ほほうーブラボーブラボー凄い技ですなー」笑いながら手を叩く『パチパチパチ』
韻虎「こいつ、仲間がやられて笑っているでガゥオー」
牛頭「大した余裕でウッモー」
韻虎「油断するな、カミナリ部隊を全滅させた輩でガゥオー」
牛頭「了解でウッモー」
韻虎「この鬼畜は俺がやる。俺の初煩悩の麗ちゃんを食べやがって
絶対、許せないでガゥオー」
牛頭「いや、おいらがやる、大好きだった、明るく元気な愛ちゃんを
食い物にした極悪阿修羅でウッモー」
『ガッターン』右隅のドラム缶置き場から物音がする
韻虎「だっ誰かいるでガゥオー」
牛頭「まだ、仲間がいたでウッモー」
なんと荷物からひょこり顔出す愛子と麗
不思議そうに顔を見合わせる韻虎と牛頭「えっー?」
愛子「牛頭ッチ!私の為に助けに来てくれたのねー」笑顔で手を振る
麗「韻虎さん!ありがとうございます」笑顔で一礼をする
牛頭「えっー愛ちゃん食われたんじゃないでウッモー?」
愛子「大丈夫でしたー」
韻虎「麗ちゃん、成仏できなかったでガゥオー?」麗「生きてまーす」
韻虎「えっーさっきの話、聞いてたでガゥオー」赤面する
牛頭「恥ずかしいでウッモー」顔が真っ赤になり、まるで赤べこ状態
第二話に続く