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Combining automatic plan integrity check (APIC) with standard plan document and checklist method to reduce errors in treatment planning を読んで
URL
https://doi.org/10.1002/acm2.12981
読んでみたきっかけ
放射線治療計画プログラム搭載スクリプト機能の安全利⽤に関するガイドライン の参考文献として知りました。
放射線治療業務の「ヒューマンエラーの低減」に興味があり読んでみました。
論文の要旨
治療計画プロセスにおけるエラーの削減を目的とした3つの方法を検証しました。APIC(自動計画完全性チェック)、標準計画文書化、およびチェックリスト法です。APICの導入後、エラーの総数と深刻さが大幅に減少しました(P < 0.01)。これらの結果は、3つの組み合わせた方法が治療計画プロセスにおけるエラーの削減に有効であることを示唆しています。
現場でやっている医学物理士の感想
INTRODUCTION
「Fordらは、これらのQCの有効性はそれぞれ50%未満であり、例外として物理的なカルテの確認は67%であると報告しています。」
これが多いか少ないかは別として、「QCを確実に遂行する」ことはやるべきことと思います(当たり前のことですが)。
「計画プロセスで発生したエラーを検出するために、このプロセス全体にわたる手動および自動チェックの設計に研究が焦点を当ててきました。」
私の施設では、EuroMediTech(https://github.com/EuroMediTech)さんのスクリプトをちょっとだけ自施設に変更して半自動で処理しています。ユーロメディテック医学物理室の皆様、ありがとうございます。
「チャート エラーと呼ばれるこの種のエラーは、自動化を使用した計画の整合性チェックでは検出できない場合があるため、チェックリストを使用した手動チェックが必要です。」
私の場合、チェックリストはTG275に合わせたやり方を模索しているところです。
「本研究の目的は、これら3つの方法を開発した経験を記述することである。この3つの方法の臨床的な導入は進歩的なプロセスであり、APICは3つの方法の中で大きな進歩であったため、私たちのAPIC導入前と導入後の計画ミスの頻度を比較することにしました。」
ミスが減少したところが「どうやってるんだろう?」と興味がわきますね。
MATERIALS/METHODS
Standard plan document format
「私たちは、初期チャートチェック、チャートラウンド、または週次チャートチェック中にさまざまなチームメンバーによる計画チェックを容易にするために、標準的な計画文書フォーマットを確立しました。」
治療画像のキャプチャーなんかがめんどくさいし、私は結構ミスります。
「帳簿上のミスを避けるため、自動化を進めています。例えば、静止ビームはガントリー角度で、VMATビームは始終弧角で名前をつけるというビーム命名規則を確立しました。非平面ビームの場合は、テーブル角もビーム名に含まれます。」
私の施設の治療計画装置のバージョンでは、「治療計画のパラメータを読むことはできるけど書き込むor変更することはできない」です。次機種において「書きこむ」ことができるようになると思いますが、その辺りをどういう風にするのか話し合っておかないといけないなと思っています。
「これらのチェックリスト手法は 2011 年から使用されています。標準化された文書用にスクリプトが開発された後、プランナー用のチェックリストは表1の現在の形式に短縮されました 。」
たぶん”スリム化”したんでしょうね。うらやましい。
Automatic plan integrity check (APIC)
「APIC は、当科で発生する最も一般的な治療計画エラーを自動的にチェックするために、治療計画システムのスクリプトを介して 2015 年から開発され、臨床実装されています。」
2015年から臨床で使用されてるのですね。
「APIC プログラムによってチェックされる項目は、当初の 15 項目から現在の 27 項目のリストに増加しました (表 3 )。」
私の施設のも見直さないといけないですね。
表3は細かいチェック項目まで記述され、参考になります。
Describing the workflow enhancement reporting system
「本研究では、2013年1月から2018年12月までの間に、報告された問題のソースとして「Chart Parameter Incorrect」とラベル付けされたすべてのWE Formを収集し、分類した。APICを導入する前(2013~2014年)と後(2015~2018年)の計画エラーの総数を比較しました。」
へー、症例にログを取っていたんですね。私にはそんな発想はないです。計画的にやってらっしゃるんですね。
RESULTS
「表 4. 間違ったチャート パラメーターの 5 つのカテゴリの定義」は参考になりますね。実際の臨床でどうだったか、ということが疑似体験としてわかりますね。貴重な追体験です。
DISCUSSION
「私たちの 6 年間の経験から、計画とチャートのエラーを減らすには、APIC と標準化された計画文書の半自動作成およびチェックリスト手法を組み合わせた 3 つのアプローチすべてが必要であることがわかりました。」
自動スクリプトチェック、標準化された計画文書の半自動作成及び合理的なチェックリストが必要、とこの研究では述べてます。
「表 5. 本研究と他の公開されている自動計画チェック手法との比較」について、この研究と関連する研究論文は多いですね。知らなかったです。
これからの課題
「この調査で実証された APIC の有効性が、ベンダーが一般ユーザー向けにプランの整合性チェックを実行するための商用プログラムを開発するきっかけとなることを願っています。」
私も願っています。
私の施設の次期QAシステムにはプランチェックソフトを入れたいなと思っていますがどうなるんでしょう?最悪、したくはないけどScriptを組もうと思っていますが、、、
May 18, 2023
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