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三角ロジックからヒントを得た、論理的思考のフィッシュボーン


先生に改めてシンプルに整理し直してみたらと渡された、鶴田清司さんの『授業で使える!論理的思考力・表現力を育てる三角ロジック -根拠・理由・主張の3点セット- 』を早速読んでみた。


授業で使える! 論理的思考力・表現力を育てる三角ロジック: 根拠・理由・主張の3点セット


三角ロジックとは、イギリスの分析哲学者 トゥールミンの6つの基本要素による論証モデルをベースに、論理的で説得力をもたらすために根拠・理由・主張の3つを充足することを指す。

Claim: Position or stance on an issue; the central idea of the argument
Warrants: Reasons, assumptions, beliefs, values, principles; the link between the claim and the evidence
Data: Evidence, facts, information (sufficient, credible, accurate)
Backing: Explanations, theoretical assumptions
Counter argument: Opposing warrants
Qualifiers: Conditions of exception, modal terms used to express degree of certainty or strength

https://cpezaro.wordpress.com/2014/05/15/argumentation-experience-of-pre-service-teachers/ より

この本では、日本のこれまでの教育に欠けていた、論理的な思考力や表現力を育てるためのロジックとして、主に小・中学生向けの授業の中で、どのように根拠・理由・主張の概念を植え付け、活用できるようにしていくかを中心に述べられている。

特に小・中学生にはトゥールミンモデルまで複雑にしてしまうと、返って難しく考えさせすぎてしまうということで、三角ロジックをいかに意識させるかの重要性を説いている。


これを読んでいく中で、ふとフィッシュボーン図のイメージが頭に浮かんだ。

フィッシュボーン図とは、特性要因図というものの俗称であり、図の形状が魚の骨に似ていることからその名が付けられている。

Dropboxがなぜか綺麗にまとめてくれている。
https://navi.dropbox.jp/fishbone-diagram


鶴田先生の本では、基本的に文章での回答に対して、それぞれ根拠や理由、主張がどう組み込まれているかを解説している。これをもう少し、図的に捉えることができないかと考え、浮かんだのがフィッシュボーン図である。

理由や主張は、その人の解釈や推論が含まれ、根拠には客観的な事項やデータが当てはまる。また理由の後ろ盾となるのが、トゥールミンモデルによれば、Backing、つまり裏付けということになり、これも客観的な情報が求められる。

つまり、論理的な思考のためには、3つの要素が最低限必要だが、その情報は大きく2つに分けて捉えることができる。

フィッシュボーン図には横軸と斜め軸が存在する。この2つの要素を組み合わせ、主張を形作ると以下のようになる。

文章で整理すると、主張はいくつかの根拠で構成されており、その根拠には理由づけがなされる。そしてその理由づけの裏付けとして、事実がしっかりそ存在する。

これをロジカルフィッシュボーンと呼ぶことにする。
(すでに誰かが同じこと言っているかもしれないが)

おそらくここまで整理してしまえば、それを文章やプレゼンに落とし込むのは、そこまで難しいことではないだろう。


先日参加させていただいた、日立のリサーチに関するインターンでも、事実に根ざした主張が行われているかについて、とことん詰めるように言及されていた。しかし当然事実だけを述べているだけでは、それは主張にはならない。

事実に対して解釈や推論を行い、それを組み上げて根拠として、主張は形作られる。2つの要素がしっかりと整理された状態でなければ、論理的な主張とは言えないということだろう。


三角ロジックは、非常に簡潔なフレームワークであるが、だからこそどれだけそこを意識できるかどうかが求められてくる。

今回のロジカルフィッシュボーンは、さらにそれを図解で整理しやすくしたものである。今後多くの場面で使っていきたい。





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