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株式投資の基礎知識(BPS、PBR、ROE)

前回の株式指標の続きをアウトプットしていこうと思います。


BPS(1株あたり純資産)

会社というものは、資金調達をして運用します。
調達した資金の内訳は
①流動負債(短期で返済が必要)
②固定負債(長期で返済が必要)
③純資産(返済不要=資本金・内部留保等)
の3つに分かれます。

この③の純資産を発行株式数で割ったものがBPSです。
10,000株発行している会社の純資産が1億円だった場合、
1億円 ÷ 10,000株 = 10,000円 となり
1株あたりの純資産(BPS)は1万円ということになります。
純資産は会社のものではなく、株主のものです。
仮にその会社が倒産してしまった場合、100株保有している株主には100万円が返ってくるということです。

そしてBPSが1万円の株価の目安は
①1株 15,000円 だった場合 = 5,000円は期待値
②1株 10,000円 だった場合 = 当たり前値
③1株 5,000円   だった場合 = 格安

となります。

しかし会社には、天変地異・景気下落・為替変動によるコスト増大など、リスクがつきものです。
1株を少ない資産で支えていると、このようなリスクが発生した場合、倒産してしまう可能性が高くなります。
逆に、1株を多くの資産で支えている場合、ちょっとしたリスクでも倒産しにくくなります。
つまり、
BPS(1株あたりの純資産)が高い = 企業の安定性が高い
とういことになります。

確認のため、もう一度 例を出してみましょう。
BPSが160円 株価(1株あたり) 300円 という会社の株を買うリスクは、
300円(株価) ー 160円(BPS)= 140円(リスク)
ということになります。(会社がつぶれた場合、160円は返ってくるが、残りの140円は返ってこない)
※業績、事業市場が良いということが前提

PBR(1株あたりの純資産に対しての、株価の正当性を測る指標)

PBRとは、企業の株価をその時点での帳簿価額(純資産)で割ったものです。

PBR = 株価 ÷ 1株当たりの純資産(BPS)
PBRが1未満の場合、株価が純資産より低いことを示し、投資家にとっては割安と見なされることがあります。
逆に、PBRが1よりも大きい場合は、株価が純資産より高いことを示し、投資家にとっては割高と見なされることがあります。

例えば
株式会社A (純資産 100万円 ・ 100株発行 ・ BPS 1万円)
という会社のPBRを分析してみましょう。

株価を下記のように仮定すると
①株価 2万円 = PBR 2倍 通常 (株価には期待値があるため)
②株価 1万円 = PBR 1倍 定価
③株価 5千円 = PBR 0.5倍 買い時なのか?
というような推測ができます。

ただし、③の場合には2つのパターンがあります。
(1)赤字・落ち市場の場合
赤字だから資産が減っているので、下がり続けるリスクがあり買い時ではない

(2)他社IPO・全体暴落の場合
市場に出回る投資家のお金は限られているため、他社IPOなどがあると資金が良いところにまわってしまう。または、不景気で全体的に暴落している場合は、業績に問題無ければ、上がる確率が高いので買い時。

このようにPBRを見ながら、2次的な情報を仕入れると、今が買い時なのか・買い時ではないのかが読めてくるようになります。

要は
PBR1倍未満を見つけるとチャンス
PBR1倍近辺まで下がってきているとチャンス

ということです。
※財務的・市場的に問題がなければ
(株は大暴落の時が一番チャンス)

PBRを見れるようになると、色んなことに気付けるようになり、調べるきっかけになります。
ただし、業界や企業の特性によって指標の平均値は異なるため、業界・業種によって調査をすることをお勧めします。

ROE(自己資本利益率)

ROEは簡単に言うと、
投資したお金をどれだけ効率よく活用して、利益をあげたのか?
ということです。

当期純利益 ÷ 株主資本 = 自己資本利益率(ROE)

例えば
A社 
総資産 50億円(内訳:負債 40億円  株主資本 10億円)

B社
総資産 50億円(内訳:負債 10億円  株主資本 40億円)

A社 B社 とも 当期純利益は2億円だった場合、どちらが株主資本をうまく活用できているのか?(どちらがROEが高い?)

正解はA社になります。
(A社 20%  B社 5%)

高いROEは企業が効果的に資本を運用していることを示し、投資家にとっては魅力的な要素です。ROEは企業の経営効率を理解する上で重要な指標です。

まとめ

EPSやPERを検証するのも重要ですが、現状のリスクを見るのも重要です。
売掛金がある場合、財務諸表の報告上、1株あたりの利益(EPS)も上がり、PERも低くなりお買い得という判断になります。
ただし、売掛の相手が倒産して売掛金を踏み倒された場合はどうでしょう。
下方修正申告・黒字倒産の原因になります。
こういったリスクを見極めるには、本業でのキャッシュフローをしっかり検証すること、特に営業キャッシュフロー(本業での営業活動で現金がどの程度増減したか)をみることが重要です。

株式投資では、儲かる会社をみつけるより、現状リスクがない会社をみつけることがとても重要です。
それに対して買い時なのか、買い時でではないのかを、指標を見たうえで検証するということがポイントです。

リスクが少ない会社を判断する場合、自己資本比率も必ず見るようにしましょう。
自己資本比率は、人から借りた資産・純資産の割合です。
50%以上の会社であれば、倒産リスクは少ないと言われています。
(業界にもよるので、それぞれの業界平均を調べたうえで判断をするようにしましょう)

株式指標は投資家にとって市場の理解と投資判断のための不可欠な要素です。
これらの指標を組み合わせ、企業や市場のトレンドを分析することで、投資家は成功に近づくことができるでしょう。
しかし、これらの指標はあくまで参考であり、投資には常にリスクが伴うことを理解し、慎重に判断をしてください。

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