「MOUSSY」を手がけるバロックジャパンが11月に上場するけど株主と利益率が実はすごい

アパレルの「MOUSSY」などを手がけるバロックジャパンが今年の11月に上場します。
以下が展開しているブランド。

そして業績は以下。

2013年1月決算からの3年間は純利益では赤字でしたが、2016年1月決算では突如として黒字化しています。
これは、2007年にMBOをした際に多額ののれんを抱えており、その償却が2015年まで続いていたのと、2015年に店舗の減損を行ったので、2015年は大きな赤字になっているが、2016年はこれらの費用がなくなり、一気に黒字化しました。
ちなみに、この経常利益率が10%弱というのはアパレルとしては高く、サマンサタバサは4.6%、オンワードは2%、三陽商会は7%、TSIで2%弱です。

ちなみに、中国がものすごい勢いで店舗数を増やしています。

上記で、2007年にMBOと書きましたが、この時経営陣とともに、バロックジャパンをMBOしたのが、投資銀行のクレディ・アグリコル系のPEのCLSA Capital Partnersです。このCLSAには、現在クラウド会計freeeのCEOの佐々木さんも所属していました。

CLSAは、取得した株式を2010年に29.9%をオリックスに、2013年に31.96%を中国の靴メーカー兼「NIKE」「adidas」などの小売店舗を手がけるベルインターナショナルに、23%を中国の政府系ファンドのCDHに売却しています。

まず、CLSAが買収した時の買収価格について。
のれん償却が、年間3187百万円を7年間にわたって均等に償却されており、買収時ののれんが約223億円ありました。要するに、純資産より余計に223億円払ったことになります。ちなみに、2007年にMBOする時の資本金は3403百万円ですので、仮に純資産が資本金全てだった場合の買収額は約260億円と成ります。(結構無茶苦茶な計算w)

次に、2010年にオリックスについて。
オリックスが取得した時は少し複雑です。

2つ目の(注)1を気にしていただくと、オリックスは1株5万円で16755株を買い取っていることがわかり、約8億円。
仮に、CLSAが保有していた株式も1株5万円で買い取ったとすると、約15億円。
なのでオリックスは、23億円で29.9%を取得したことになり、評価額は約77億円程度になります。
なぜこんなに安い価格でオリックスが取得できたかというと、サブプライムショックで相場がかなり冷え込んでいたこととが考えられます。

次に、ベルインターナショナルについて。
ベルインターナショナルが2013年に31.96%を買収した時の取得額は、9396万ドル(当時のレートで75億円)だったので、評価額は約230億円と見積もられたようです。

そして、今回のIPO時の時価総額は、想定価格ベースでいくと308.5億円となり、オリックスもベルインターナショナルもかなりの利益を得たことになります。
となるとCLSAって得したのかという疑問が…

という素人による財務分析でした。
多々間違っているところがあると思うのでご指摘いただけると幸いです。

最後に、バロックジャパンの従業員数と平均年齢、平均勤続年数、給与。


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