武田薬品工業によるSHIREの買収の概要

武田薬品工業がSHIREを買収することの概要について。医薬品は難しい…
時価総額は武田薬品工業が338億ドルでSHIREが502億ドルだったので、小大を食う買収でした。

・買収額
620億ドル(EV/EBITDAで12.5倍)
日本企業によるM&Aとしては過去最高で、世界でも21番目の規模
日本のM&Aとしては珍しい現金と株式交換の組み合わせ(欧米では結構普通)
一時的にJP MorganとSMBCとMUFG Bankが308.5億ドルをブリッジ

・ファイナンシャルアドバイザー
武田薬品工業側:野村證券・JP Morgan・Evercore
SHIRE側:Goldman Sachs・Citi・Morgan Stanley

・買収前の業績
武田薬品工業:売上1兆7320億円 営業利益1558億円 EBITDA3786億円 有利子負債1兆1448億円 営業CF2613億円
SHIRE:売上151.61億ドル 営業利益59.97億ドル EBITDA64.92億ドル 有利子負債164.1億ドル 営業CF-15.27億ドル

・懸念点
減損
有利子負債の肥大化による格下げ→調達コスト上昇
SHIREに投資している資産運用会社が、株交によって得た武田株を売却することによる株価の下落
武田薬品工業の創業家の希薄化及び反発

・背景
武田薬品工業は大きく3つの軸での成長を目指している

以下は武田薬品工業のパイプライン(難しい)


以下はSHIREのパイプライン(難しい)

・買収の意義
海外拠点の強化
→今回の買収によって日米の売上比率は50%近くに

パイプラインの強化
→消化器系疾患及びニューロサイエンスにおける武田とSHIREは補完関係にあり、希少疾患と血漿分画製剤でリーディングカンパニーに(売上の75%が消化気管系疾患・ニューロサイエンス・オンコロジー・希少疾患・血漿分画製剤の5分野から得ルコとに)
→SHIREは、遺伝子治療及び遺伝子組み換えタンパク質に関する技術と希少疾患に関する専門知識や高分子薬を保有

CFの強化
→3事業年度の年度末までに14億ドルのコストシナジー
→純有利子負債/EBITDA倍率を2倍以下を目指す
→東京証券取引所・NYSEの二カ国に上場する唯一の日系製薬メーカーに

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?