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先生、いい会社ないですか?ー無いよ…となる仕組みを書いておく

 この記事のテーマは 先生、いい会社ないですか?ー無いよ…となる仕組みを書いておくをテーマに書いてます。就活・転職に向かわれるあなたのヒントになれば幸いです。
 今回の記事もミチクサ@HOMEさんの画像を使わせていただきました。ありがとうございます!

いい会社ってなんだよ?

 大学でキャリアデザインだとか、キャリア支援講座(=まぁ、あれです。就職対策講座的位置付けで、単位化されてるヤツです)だとかの授業を担当していた頃、多くの学生から質問を受けたことがあって。それが今日の記事のテーマ 先生、いい会社ないですか? です。しかも大体の場合、前置き無しでいきなり質問が来ます(笑)。
 このテの質問にボクは大体 ねーよ…と決まって答えていた。学生からの質問に対してそんな雑な答えがあるか!とお叱りを頂きそうですが、最初の質問からして雑だからなぁ…(笑)

 なぜそんな雑な答え方をしているか?と言えば、こちらにも言い分のようなものがあって。実はいい会社って人によって違うのです。当たり前じゃないか!って言われるかもですが。
 シンプルに言えば…

何と比べていい会社って言ってるの?

ってことです。「いい」ってことはどこかに「悪い」会社があるんだよね?と。ただ、コレを話し始めるとウザがられるので話さないけど(笑)。

 もう少し具体的に言うなら、彼がどこに住んでる人なのか?も、ご家族にどんな期待を掛けられているか?も分からない。そもそも、彼が何をしたい人で何がイヤだと思ってるのか?も分からない。
 あ、付け足し的に書くけど、会社探し・仕事探しをする上で、やりたくないことは何か?を特定しておく。できることなら5個や10個は挙げておくことはその後の就職・転職活動を相当程度スムーズにします。
 話を戻すと、前提となる情報がなさすぎて、答えようが無いのよ。なんの前情報も無い映画やドラマのイメージ画像だけ見せられて、このドラマのエンディングを言え…みたいなものだろう(ちょっと違うか…)。

 逆に、企業さん側でもよく似た話があって。多くの経営者さんや役員さんがいい人材いないですか?と聞いてくる。ご想像通り、こちらでもそんな人いないですって答えてますけど(笑)。
 しかも企業なのに、オトナなのに、視点と思考が学生と同じじゃん…ってところがトホホ…なところですが…。

 企業の場合も考えなくちゃいけないのは同じことで、どんな人材が必要なのか?とか、今後の事業戦略とどう掛け合わせるか?って視点が欠けている場合がほとんど。
 もっと言うと、採りたくない人材像は?とか、うっかり採っちゃった場合どうする?だとか、採用時点はどう育てて5年後はどうする?だとかも本来は必要だと思う。

考え方をシフトした方がいい。特にオトナは

 私見だが、考え方が古い。ここで人的資源管理とかキャリア理論のことをアレコレ言うつもりはない。読む人も疲れるし(笑)。いい人材という文脈で多くの経営者や役員陣が頭に描いているのは、経営資源の1つであるヒト会社のパーツとして考える昭和な採用起用です。 
 その前提条件は人口が右肩上がりで増えていて、売上や利益が伸びていた時代。市場ではモノが不足していて、よく似た商品でも店頭に並べておけばとにかく売れてみんなハッピー♪ な市場。
 そして転職なんてほとんど考えることなく60歳で定年…というキャリア観の世の中。情報は偏在していて、一般庶民の情報ソースといえば新聞とテレビのニュース…という無いない尽くしの時代の遺物だ。
 今は昭和じゃない。令和なのだ。だから考え方を思い切りシフトした方がいい。

 学生側も同じことが言える。考え方が昭和のままなのだ。本人は気づいていないだろうが、昭和生まれの親に毒されている。いい会社に入れば安心…みたいな空気が家の中にあるんだろう。
 そんなことを考えている間に、令和の考え方でマグロやカツオのように高速で動きまくっている学生たちが、理想的と言われる企業の採用枠を全部押さえてしまう…。

「都合のいい」は結局うまくいかない

 かなりひねくれた解釈かもしれないが…。いい会社/いい人材いないですか?って言葉のアタマの部分に「都合の」が隠れている印象を受ける。都合のいい会社/都合のいい人材…と言う具合だ。
 でも、都合のいい会社に入って何がしたいだろう?都合のいい人材を採用して何をしたいだろう?そんな風に想像してしまうと、学生はともかく企業の方は「あぁ、この会社は今年も採用苦戦するな…」と思う。

 こんな会社がどれだけ採用予算を投下して、いくつものナビサイトに掲載したところで、5年後に定着している社員はいないだろう。ただの推測ではない。平均的な会社でも大卒は入社後3年で3割が辞めるのだ。
 厚労省のデータが示している。ダメな会社にはいい社員も、悪い社員すらも残らない。

 相手のことを都合よく…と考えていたら、自分(自社)のことも都合よく使ってやろう…って相手が集まってくるだけなのだ。例えて言うなら、骨までしゃぶってやろうとする会社から内定が出たり、働く前からぶら下がる気満々の働かない若者がやってきたりとかする。

 なので、学生にも企業側にも言うことなんだが、
あなたにとっていい会社の条件ってどんなものがあるのか?
御社にとっていい人材の条件ってどんなものがあるのか?

…を明確にした方がいい。会社を探すのも、ヒトを探すのもその後だと思う。

就職も採用も投資活動

 就職は投資だ。自分の人生(=時間)と労力を投資している。リターンは人によって違う。収入やステイタスだと言う人もいる。仕事を通して得られる経験、やりがいや満足感だと言う人だっている。どれが上でどれが下なのか?はその人が決めること。
 採用も同じである。採用は投資だ。会社のリソースを使って労働力を買う。経営者はそうする(アカの他人を採用してその他人に仕事を任せる)ことで自分の時間を作り、会社の経営にあたる。そのリターンは利益であり、次の仕事、案件だ。
 かの名著 ロバート キヨサキの金持ち父さん 貧乏父さんにも似たような記述がある。

 就職=投資だから、自分の人生をどこに張るのか?を必死に考える。副業(複業でもいずれか好きな方を当ててください)が許可される世の中になってきたとは言え、メインの勤務先を選ぶのは慎重になる。だけど慎重すぎて決められない…ってなるのはなんだかなぁだ。
 だからどこかでエイッと決断をして自分の身の置き所を決める必要がある。そんなものだ。思いつきで決めちゃダメだけど、どこかで思い切らないと決められない。それが就職/採用なのだ。
 もし、失敗した!と後から気が付いたら後からやり直せばいい(この辺りのことを書くのは別の機会にする)のだ。

 投資にも色々ある。ボク自身は今はやっていないが、以前は金融商品に投資をしていたことがある。少しはいい思いもさせてもらった。勉強にもなった。しかし、別の金融商品では欲が出た。だから大きな失敗もしている。こちらも勉強になったと思っている。
 投資家にも様々なスタイルがある。ローリスクであることを優先し、ローリターンを享受する人。ハイリターンを求め、ハイリスクでも突っ込んでいく人。
 世の中はローリスクだと捉えている人はその人の文脈で判断する。一方で、世の中は変化の激しいVUCAワールドだと捉えている人はその文脈で判断する。
 どちらが良い悪いではない。その人の世界の捉え方が判断、行動を定義づけるのだ。そんなものだ。

だからボクはこれからもこう答えるだろう。
いい会社?そんなの無いよ。
 

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