ハルイチデザイン　イラストのブランド化企画

こんにちは。０１ｕ１０にてデザインや商品の生産を行っているHIRONORI　ITOと申します。僕は大学卒業後テキスタイルのメーカー就職から始まり、この１０年来は各種アパレルブランドの縫製や企画生産に多く触れてきました。初めてとなるクラウドファンディングを行うにあたり、今回は企画の紹介やご説明をさせていただければと思います。

まずこの企画はイラストレターであるハルイチさんの
｢綺麗なものから連想されるイメージを形にする｣
というイラストに対する姿勢から生まれるデザインを現実に着れる服として世に出していくことができればというところから生まれたものです。

https://twitter.com/srimerimer718

ハルイチさんの描く絵には様々なドレスが登場します。
そこには自然の中の美しい色や景色が投影されていて、実際に着ている女性の絵を見られた方なら感じられたかもしれませんが、心が澄んでいくような不思議な気持ちを抱きました。これはきっと現実に着れることで　より強く感じることのできる
｢日常にありながら美しい・綺麗な気持ちになれる特別な服｣
が出来るのではないかと思います。

斜陽産業と言われているこのアパレルの業界で、小さな現場とブランドをもつ自分にできることはなんだろうか？日々考えています。
小さいからこそ、現場とブランドのどちらも知る自分だからこそできることは…。

今回のクラウドファンディング企画は、その一つの答えになるかもしれないと思っています。盗作や安売りで苦戦するこのアパレル業界に、境界を越えた繋がりを持つことで生み出されるオリジナリティの高い商品が世間に受け入れられることが出来れば

｢クリエイターや製造業の希望の種になる可能性｣に成り得るかも知れない

イラストに言語はいらず、その魅力が再現できるなら
綺麗で日常に心の変化をもたらす服を生み出せる。

多くの素材やブランドに触れてきたからこそできる繋がりの商品です。
気になっていただけたのなら先まで確認いただければと思います。

プロジェクトの目的

第一部　『花芽のドレス』と『青葉のオーバーオール』を受注生産販売すること。合わせてハルイチさんのイラストの魅力を伝え異業種にもスポットを当てる
（ほかの商品も日を追って説明します）

完全受注生産にしている理由の一つは小規模であるがゆえです。
無理をして在庫を持って企画や創作が続けられなくなる可能性や
大量に生産をすることでコストをギリギリまでさげて、誰の手にも渡らず廃棄されてしまうことを前提に利益を得るような従来の方法では、意味がないどころか逆に問題を増やしかねない。

大切にはしたいのは
｢綺麗なものから連想されるイメージを形にする｣

これを壊さずに生産できる方法が、完全受注生産が向いていると判断しました。商品や作品を手にしたいと思っていただき、その作品に込められた綺麗なものがその人の好きに刺さって、今後もこの企画を継続していくことへの応援をいただける方に　背を向けるような生産方法は取りたくない。
無駄や無理を生まずに好きが循環する商品企画でありたいと思います。

今回が一部としているのは継続が可能であればこの企画は続けて行きたく思っているためです。

【各商品について】

『花芽のドレス』

はなめのドレスと読みます。花芽とは
成長すると花となる芽のことです。女性が着ることで花になるようなドレスワンピースをイメージして描かれました。

ここから始まりました。ラフ画をいただきパターンの制作・生地の選定などを行います。

ちょっとした動作でのシルエットや生地感をイメージするラフ画です。

イラストの完成です。

こうなりました。光の加減で青に近づいたり、緑に見えたりします。

①サイズ・色
２サイズを用意しています。色に関してはブルー１色です。イラストの世界観を再現したものですので色展開はしません。ノースリーブに袖を付けたようなデザインなので表記上肩幅は狭いですが、肩幅は気にせず来ていただきやすいデザインです。

サイズS　
着丈105cm　肩幅32cm　バスト97.4cm　けまわし277cm 　袖丈42cm
サイズM
着丈115cm　肩幅33cm　バスト100.4cm　けまわし301cm　袖丈43.5cm

②素材
・表生地　
ポリエステル１００％です。袖の生地はシフォンという透け感のある素材で、風を感じることができます。身頃は柔らかくハリのあるサテン生地を使用していてふわりと軽く　生地のドレープ感が綺麗なシルクのような光沢のある生地です。
・裏地
キュプラ１００%です。これは胸の切り替えから下のスカート部分にかけてついていますが色はホワイト。透け防止の裏地です。着用自体は裏なしでも問題はないのですが光があたるとどうしても体のシルエットが透けるので、改善のため裏地をつけています。肌触りよくストレスを感じません。

③洗濯
ご家庭での洗濯可能です。
洗濯機でも洗えますが、痛みや生地になにかひっかかると傷がつきます。
長く着用を考慮すると手洗い　または　クリーニングに出していただくのが望ましいです。アイロンは問題なく当てていただいて大丈夫です。シワにはなりにくい生地ですがシワはどうしても付きます。アイロンで伸ばして頂ければ問題ありません。

『青葉のオーバーオール』

青葉とは、青々とした葉の様子を表した言葉。花芽が花となるためには青い葉が必要で、木々の見守るような優しさをイメージしたオーバーオールです。

ここからスタート。

全体のバランスを確認しながらディティールを調整しつつパターンや素材を選びます。

イラストの完成です。

色味は日陰ですとこの写真が生地とほぼ同じです

日が当たるとこの色味です。

女性も着れます。かわいい。

①サイズ・色
フリーサイズ・ブルー１色での販売です。

サイズF
ウエスト110cm　ヒップ114cm　股上34.5cm　股下67cm　上身頃丈27cm

②素材
綿１００%
デニムなどの生地よりは柔らかく、シャツ生地よりは少し厚手です。イメージはスプリングコートくらいの生地。
肩紐につくアジャスト金具や、その留め具、フロントの前開きファスナーはYKK社のものを使用しています。

③洗濯
ご家庭での洗濯で問題ありません。洗濯機での洗濯の際は、金属パーツがほかの衣類に傷を付ける場合がありますので、分けていただくか洗濯ネットに入れて洗濯ください。

【リターンのスケジュール】

2020年１月上旬頃　クラウドファンディング公開
2020年 ３月上旬頃　クラウドファンディング受注締切
2020年 ４月上旬頃から順次発送開始
※生産状況や資材類の状況によってはお渡しの時期が前後する可能性があります。人の手で１枚ずつ丁寧に制作させていただきますので、その旨ご了承ください。

**【その他　思いや関係者様について】

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今回は服のリターンについてのご説明をさせていただきました。
その他にも『絵本』や『ポストカード』インテリアになる『写真作品』などをリターンにはご用意させていただきます。順次ご説明させていただければと思います。
以下商品自体とは別の話ともなりますが、ご興味いただける方はお読みください。長くなりますが…

なぜ異業種との取り組みをするのか

これについて少し僕の思いを書かせていただきます。
いまアパレル産業はかなり苦しい状況にあります。メーカー・ブランドともに以前のように作れば売れ、販売価格も高くても売れるような状況は全くありません。低単価でそれなりにクオリティを確保した量産品は資本力のある企業以外は対応できませんし、デザイナーの知名度やブランドの認知度で価値のあるブランドでないと高単価なものは売れづらくなっています。（そういったところですら決して楽ではなく苦戦したり、継続した努力でなんとか乗り切っている状況です）

結果、有名ブランドのデザインをそのままに、素材や生産背景を変えることで単価をさげて販売したり、それらをインフルエンサーと呼ばれる人を通して宣伝していくことで販売力を得る方法が生まれています。これは有効である場合もありますが、場合によってパクリという問題になっていたりします。美しくない…

そんな中でも最近になってSNSを活用したりすることや、ネットの世界を超えて消費者さんとの近い関係性を築くことで、ブランドの価値を高め思いを直接伝え、通販でネックとなる現物に触れられない問題も解決し、その姿勢にファンが増えていくブランドさんも出てきています。もちろん商品もオリジナリティを持ち、販売価格も安くはありません。
この成功例をもつブランド各社は、とても良い循環を作り出しているように思います。
ブランドを好きでいる人が、ブランドを応援し、試着して確認した商品の受注生産を行うことでブランドは在庫リスクを無駄に抱えず、欲しい人にだけ届けることができる…受け取った人は心が躍る。

簡単なことで
愛される存在になれば応援してくれる人が増え、その応援者に失礼の無いように丁寧に対応をする。そうやって好きが循環する。

簡単だけど難しい。シンプルであることはしんどいものです。
こういった健康的な循環を作り出すために
・低単価の量産品とは違う価値を付ける
・有名ブランドよりは規模を小さく考える
・０からのアイディアを具現化するオリジナリティ

を大切に育てたいと考えています。それには異業種のアパレルにいては思いつかない考え方を取り込むことがヒントになると思ったのです。
有名どころの名前を借りるコラボで価値を付けるのではなく
世にないもので価値を生み出す。
日本が世界に誇れるアニメーションやイラストを生み出す人たち。

たくさんの原石がこの国にはあると思っています。
それを具現化する流れが成功を重ねることができれば、減り続ける日本の工場に新たな仕事を生み出すこと、や無個性なブランドの乱立での価格競争から一歩…いや半歩だけでも抜け出すことができるのではないかと考えています。

クリエイターにしてもイラストで生計を立て続けることはとても厳しく、やはり知名度がついてこないと、いかに素晴らしい絵を書いても食べてはいけません。そういった方にとっても自身のチカラを発揮する方法は異業種にもあることが伝えられれば嬉しい。

僕には資本力や知名度はありません。
少し多くの業界を渡り歩き、アパレル以外の業界にも興味が強く、工場としてだけでなくブランドを作っている為パターン作成やその他資材の背景もある。自社以外にも縫製を受けてくれる人や工場もある。

受身でいるのではなく自発的に世界を変えて行ける方法の一つとして
この企画を継続させて頂ければと思います。

【最後に】

この企画を進めるにあたって、多くの方との協力で成り立っています。
この場をかりてお礼申し上げます。
花芽のドレスは　株式会社ソゥイング杉　様の生産現場での協力をいただいていますし、撮影のカメラマン・モデルさんにもお時間頂いています。クラファンのページ構成には　渡邉健太さんの協力もいただきました。
具現化までに携わってくださっている方々、応援いただいている方々に最大の感謝を。

長くなりましたが結局のところ

僕たちの生み出した商品が、誰かの好きになって
着たい！楽しい！嬉しい！

が生まれれば最高です。是非｢日常にありながら美しい自然のような服たち｣を着ていただければと思います。

今回の企画はALL-IN方式で行います。ご支援いただいた方に必ずお礼としてリターンをお渡しできる方法で実行します。