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[ゲーム][Switch] ヴァルシリアアーク クリア後の感想



 ヒーロー育成学園でキャラクターの入学→卒業を繰り返しながら進めていく育成街作りシミュレーションRPG風味なゲーム。

 どうにかこうにかクリアしたので、完走した感想(激うまギャグ)をば。










まずは

良かった点



01. ざっくりとしたクエスト難易度



 舞台となる「ヒーロー育成の為の学園」に入学させたキャラを鍛え上げる為には、クエストを受けさせて経験値を稼ぎ、レベルを上げてやる必要があります。

 そのクエストの中には、レベル(ジョブ)や装備など戦力が揃っていても運ゲーになるほど難しいものもあれば、そこそこの戦力があれば無難にこなせる中程度のもの誰でもクリアできるほど簡単なものまで様々あります。



 その難易度設定が "最初のうちは" 悪くないと思いました。難易度表示やクエスト説明文では難しそうに書いてあるのに実際に受けてみると意外とあっさりクリアできちゃったり、逆に何でもなさそうなのに受けてみると最大レベルの4人組パーティでも失敗したり成功したりな難易度のものもありました。

 ざっくりにも程があります。




02. ドロップ武器で超強化



 敵を倒した時に武器やアクセサリーをドロップすることがあるのですが、そのドロップ装備のレアリティが敵の強さと比例しないのです。

 早い話が、最弱ザコのヒヨコみたいなやつが最強クラスの装備をいきなり落とす可能性があります。というか、何度かありました



 学園に入学直後のキャラはみんな「見習い」というノービス的な職業で、レベルが一定数貯まると「騎士系」「魔法使い系」「スカウト系」のいずれかの職業へと転職させられるのですが、この「見習いのうちから装備できる短剣系でも強いものがいくつかあり、そういったものをドロップで拾えるとキャラ育成が飛躍的にやりやすくなります。

 武器やアクセ売っても二束三文分解して素材に変えても大した量にはならないので、とりあえず各職業用にステータスの大きいものはいくつか保存しておきましょう。




03. 昔ながらのMMORPG風味なアクションパート



 2000年代~2010年代にかけてPCでMMORPGを遊んでいたことのある方ならいくらかわかってもらえると思うのですが、アクションパートで動かすキャラクターの見た目や質感がなんだか昔ながらのMMORPG風味で、親しみや懐かしさを強く感じられます



 僕個人の意見ですが、昔こういうゲームよくやってた気がするな~ってノスタルジーを感じていました。







 以上、良かった点について、でした。







 続いて、

考えさせられた点



01. 慣れるほどに面倒な卒業制度



 このゲームでは、ゲーム内時間の6ヶ月ごとにいずれかのキャラを最低でも1人は卒業させなければならず、それがいわゆる時限的な縛りとなります。

 たとえば、昔の「アトリエシリーズ(コーエー)」では「期間内に特定のクエストをクリアできないとゲームオーバー」みたいなシステムが常でしたが、まぁそこまでとは言わないゆる縛りな内容です。



 学園卒業の条件は「キャラレベルが10に到達していること」で、それ以外の条件は何もありません。見習いだろうが騎士だろうが学者だろうが、とにかくレベル10に到達していれば卒業させることができます。


イケニエ用ネーミング



 卒業用にレベル10まで上げたキャラを常に何人かイケニエのように用意しておき、そのイケニエたちを半年ごとに1人ずつ卒業させていってる間にメインパーティーをがっつり育成する、みたいな進め方もできます。

 ハッキリ言って見習いをレベル10に上げるだけならそこまで難しくはないのですが、この「6ヶ月ごとに最低でも1人は卒業というゆる縛りがゲームを続けていくうちにだんだん煩わしくなってきます。



 このゲームには「一度クリアしたクエストは二度と受けられない」「デイリークエストやランダムクエストのような便利なものはない」という困った性質があります。

 ゲーム終盤にまで進行していると、見習いだけのパーティーでクリアできるような簡単なクエストは全くの1つも無くなり育成の進んだ強キャラに引率させて難しいクエストを受けるにもあまりに早く見習いが氏んでしまい全く稼がせてやれない、というほとんど詰みのような状態になります。



 一応は救済措置のようなクッソ簡単な常設クエストが2つだけあるのですが、見習いをレベル10まで上げるのにその2クエストの報酬の良い方を20回ぐらい繰り返す必要があります。

 そんな状態になってまでやり込む気にはなれなかったので、ゲーム最終盤については「早く楽にしてくれ…」と祈らんばかりに一気にメインストーリーを進めました。



 「もうこれ以上卒業用キャラの育成なんてやりたくねえ!」が本音だったのかもしれません。




02. パーティーを増やすと育成が煩雑になる



 キャラ育成の人数が増えてくると、パーティーを複数組み並行して育成orゲームを進めることになります。

 なのですが、基本的に2パーティー以上を同時に動かすことはできません



 しかし、クエストの中に「お使いクエスト」という受けてから一定期間経過の後に成否判定が行われるタイプのクエストがあり、それを受ける場合のみ複数パーティーを並行して動かすことができます。

 たとえば1パーティーがアクションパート込みのメインストーリー系クエストをこなしている間に他の2パーティーがお使いクエストをこなす、といった形に。



 それ以外にパーティーを複数同時に動かす方法はなく、お使いクエストもクリアしていけばいずれ全て姿を消してしまい、長い期間を投じる割に報酬も高くはなく、結局は自分で動かして育成するしかなくなるのです。

 さきほども言いましたが、1パーティーを動かしている間は他の2パーティーは動かすことができません。なので、パーティーを複数組める必要性はほとんど感じず、お使いクエストをバリバリこなしてる期間も育成程度の中途半端なキャラがたくさん増えて計算がややこしくなっただけでした。


 せめてお使いクエストぐらいランダム発生させてくれても良かった、と思います。




03. レベルキャップの存在



 このゲームにはクエスト報酬やキャラ卒業などでもらえるポイントを貯めることで学園のレベルを上げることができます。

 学園のレベルが上がると、校庭に様々なオブジェクトを設置できるようになったり、キャラ育成のレベルキャップがちょっとずつ外れていくのですが、この「レベルキャップがちょっとずつ外れていくという現象がまた非常に煩わしい



 最初のうちはキャップがかかりレベル10までしか上げられなかったのが15→20→25と段階的に軽減されていくのですが、「レベル10までしか上がらないキャラより15まで上がるキャラの方が当然強い」わけで、それが最強のレベル25となるとレベル10までのキャラとは雲泥の差となるわけです。

 なので、最大のレベル25まで解放された時点で結局は「全てのキャラをレベル25で育成し直すことが確定」してしまいます。

やっとレベル25キャップ解放されたのに…



 最後のレベル25のみならず、キャップ解放される度にまーた見習いから二次職三次職と地道な育成を繰り返す必要があります。その度にイノシシ狩り数十回です。1パーティーごとに。はぁ

 手頃なクエストが残っていない最終盤だと一生イノシシ狩りです。ちなみに、入手経験値補正をめちゃくちゃ上げた状態でイノシシ狩り1回につき経験値700~800ぐらいで、これは見習い育成の序盤でももうちょっとくれやって思うレベルの数値です。救済措置とはいえ。



 三次職レベルMAXの25までにイノシシ狩りを何百回こなせばいいんでしょうね?百でケタ足りる?




04. 難易度表示の☆数が曖昧



 このゲームではクエストの難易度表示が☆の数によって設定されており、☆1~☆5まであります。

 ですが、中には「☆3表示なのにレベル20のフルパーティーでも失敗する」みたいな鬼畜レベルのものや、「☆4表示なのにザコ3匹狩るだけで終わる」みたいな簡単なものもあります。

 さきほども言いましたが、ざっくりにも程があります。




05. タルと草を叩くのいちいちめんどくさい!



 このゲームには装備品をレシピからクラフトするシステムがあります。装備品と同じようにレシピも敵が雑にドロップします。

 そのクラフトをするには大量の素材が必要で、またその素材となる金属や石類がクエストのアクションパート中に散見されるタルや草の中に隠されており、これらを攻撃して壊すことで素材を入手していきます。もちろん敵も素材をランダムにドロップします。



 レアリティの高い装備品になるとトータルで200~300個の素材が必要になり、タルや草を壊しても素材は1つずつしか手に入りません。要らない武器を分解しても手に入る素材は1個や2個です。敵ドロップもそこまで頼れるほどではありません。

 終盤には余ってきて使い道がなくなるとはいえ、僕の場合は装備の揃っていない中盤辺りにクエストごとにタルを数十個壊してまわったりしていました。とにかくタルと草を壊してばかりいた記憶しかありません

 そして、そのタル・草壊しが微妙にやりにくく、キャラをタル・草にちゃんとまっすぐ向けて武器を振らないと壊れてくれません少し角度がズレていたり離れていたりしてもファジーに補正してくれたりしません。この軸合わせが本当にめちゃくちゃ面倒くさかった。



 そんなに素材要らないってわかってたらもっと早くにタル・草壊しをやめてたのに




06. アクセサリーの存在感が全く無い



 このゲームではキャラの装備品が「武器1つアクセサリー2つ」で構成されるのですが、武器の力強さ(=ステータスの高さ)と比べてアクセサリーの貧弱さが浮き彫りになっています。


レアリティ最大の黄色武器は強力


レアリティ最大の黄色アクセですら上昇値1ケタ前半…



 ちなみにこの下画像に写っている黄色アクセ「地獄の怒り」のステータス内訳は、ハートアイコンが最大HP+4、青いキラキラが最大MP+4、クローバーが運+3、本がINT+4、といった意味ですが、たとえば三次職の最大レベル近くまで育ったキャラなら最大HPは5000をゆうに超えるし、INTなども300や400まで普通に上がります。それに対して、アクセ1つ装備してたったの+4しか付いてくれないのです。

 どのアクセを装備してもこんな感じで、このステータスがほんのわずかに上がる以外の特殊な効果も特に無いようです。

 これではアクセを装備する意味が全くありません。なので、クラフトする意味も全くありません。せめてHP/MPに関してはこの100倍、他ステータスに関してはこの10倍ぐらいは上がってくれないとアクセとして存在する価値は無いと思います。







 以上、考えさせられた点について、でした。







 そして、

総括としては






 「100円で買ったからいいものの」の一言に尽きると思います。





 このゲームはセール頻度が高くSwitch版定価1500円のところがセールで100円にまで下がっていました。

 そのセール時の100円以外で購入するのは僕としては決してオススメいたしません。投げ出したくなった時に罪悪感やもったいなさをあまり感じなくて済むのがその「100円」という設定額なのです。





 改善案としては、やっぱり「卒業制度を強制ではなく任意にする」、そして「常設クエストやランダムクエストを常に用意する」、あとは「アクセサリーのステータス上昇値の是正」「タル・草がもっとファジーに壊せるようにする」ぐらいでしょうかね。個人的には。

 この4つが全て実現されて滞りなくゲームが進められるようになれば、定価の1500円を払う価値は出てくると思います。



 そういう意味ではまぁまぁ惜しい作品なのかもしれません。

 調べたところによると、続編の2も発売されているそうですが、そちらはこの1に輪をかけてクソ化しているらしいので、100円でも手出ししないでおこうと思います。遊ばれる方は覚悟しましょう。