雑談能力を磨くのは実用的だ
人生の様々な局面で雑談能力は意外と効果を発揮します。常日頃から意識して経験を積みましょう。
雑談の男女差
男性はとりとめのない会話に対して躊躇します。特に職場で管理職などをしていると、直ぐに『もっと理論的に話せないの?』とか『分かり易く』とか『整理して話してほしい』などと言ってしまいます。しかし雑談はどちらに転がるか分からないのが楽しいのであって、論理的に考えてというのは本末転倒です。雑談の時に上から目線で『私には、言いたい事が3つある』などと言ってはおかしい。
これは右脳型(感情型)と左脳型(論理型)の違いとも言えます。男性はあまり相手を見ずに言葉だけを聞いて判断する事ができます。一方女性は話の内容ではなく言っている人の様子を観察している事が多いものです。女性は普段からそういったジェスチャーや仕草も大切にしているので男性との会話では違和感を覚えたりします。
耳だけ傾けているような場合は『なぜ、まじめに聴かないの?』となってしまいます。家で新聞を見ながら妻の話を聞いているような場合は特に注意すべきで『私の言う事を聞いてないでしょ』『ちゃんと聞いているよ』そして聞いている証拠に内容をリピートします。そして『まあ、あなたは話を聞いてないだけじゃなくていけ好かない人ね』となって喧嘩になってしまう事もあります。
普段の女性同士の会話と形態が違うのです。ビルクリントンは相手がベルボーイであろうと、国家元首であろうとそこにはその人以外は誰もいないような相手に集中した態度で会話したそうです。彼が女性にもてたのはその辺りにもありそうです。
質問
雑談は自分よりも相手に話題の主導権を握らせる方が盛り上がります。主導権を握らせるとは自分の話ではなく相手から話題を引き出す事で大事なのは相手から出てきた言葉に『質問』という形で切り返す力です。
たとえば上司があなたに『最近、休みの日は何をしているの?』と聴いてきたとします。ひょっとしたらあなたは自分のプライベートに踏み込まれたような不快さを感じるかも知れません。仕事以外の事を話す必要はないとドライに割り切りたいと思うかもしれません。しかし実際のところ上司もあなたの休日の過ごし方に興味があるのではありません。
多くの場合、話をつなごう、打ち解けて雑談を楽しもうと思っているだけです。過度に自意識過剰にならない方がいいと思います。
一問二答以上
例えば『最近、仕事以外ではまっている事は?』と聞かれて『映画です』だけでは会話終了です。『この前観た○○○は良かったですよ。あまり期待していませんでしたが、いい意味で裏切られました』と言ったプラスαの一言を入れる。つまり一問二答する事によりそのやり取りは雑談に変身します。
かつて日本には『相手に対して興味を持つ』事が礼儀だった時代がありました。興味を持った相手の趣味を知ってその事を話題にする。それはコミュニケーションの基本としてごく普通の事でした。それに比べて今は相手に興味を持たれる事を面倒くさがる風潮が強くなっています。しかしあなたがコミュニケーション能力のある人なのかどうかちょっとした雑談の印象で判断されているのです。
人は自分が好きな事について話を振られるとその事について語りたくなるものです。そうすれば否が応でもその雑談は盛り上がります。絶対に外さない話題は相手に興味のある話題です。
例えば猫の話が出たとします。『うちには猫が一匹いるんですよ~』こう振られたらどうしますか?『うちでも猫を飼いはじめましてね』という自分の話をするのではなく『どんな種類の猫ちゃんですか?』と相手から答えを引き出すようにします。自分の話をする場ではないと割り切って、相手の話に質問を付けてひたすら返していく。これだけで話は確実に盛り上がっていきます。
一通り話した終えた後で『で、あなたは?』と振られたらそこで初めて『うちでも犬を飼い始めましてね』などとすればいいのです。
雑談力を磨きたい男性は女性同士の会話を参考にするといいでしょう。女性同士の会話はいつまでも続いて止まる事がありません。
褒める時は他者評価で
褒めるのは雑談のひとつのテクニックですが、直接褒めると例えば『いやあ、先生の授業はとても面白かったですよね~』と言うとわざとらしさやお世辞っぽさが拭えません。下手をすれば、イヤミに聞こえてその場が和むどころか空気がギクシャクしてしまうかもわかりません。そんな時は『うちの授業に来た学生が「先生の授業はとても面白かった」と言っていましたよ』と言った方がしっくりきます。つまり間接的に褒めるのです。
価値観は人それぞれ。人の数だけ価値観はあります。雑談は価値観を発表したり、押し付けあったり議論したりするものではありません。相手を受け入れる為の行為です。ですから極論すれば、なんでも褒めていいのです。
面接試験の時の雑談
『わが社を志望した理由は?』『自分がこの仕事に向いている部分をPRしてください』『君はこの会社でどんな仕事をしたいの?』といった一般的な内容に交じって『最近何か面白い映画見ましたか?』『女優さんだと誰が好きなタイプですか?』など思いもしない茶飲み話的な質問が出てくることがあります。面接官は想定外の質問をされた時にどれだけ話を返せるか、臨機応変にギアチェンジして話ができるかをみています。
チェックしているのは、その人の柔軟性、切り替え能力、そして社会性です。事前に答えを準備している事やいかにも面接で聞かれそうな質問、自分の得意分野の話の時はキチンと話ができるのに、少しでもズレてただの雑談のような質問をされると、急にしどろもどろになってしまう。
これでは一緒に仕事をして営業に連れて行っても難しいかなとなるわけです。逆に面接官の方が『へえ、そうなの』となるようなプラスαを付けて話を返してくれるような人なら『こいつは使える』となります。
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