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頑固になる

所作

TVのニュースを見ていると総理大臣になった途端に肩で風を切るような歩き方になる人がいます。私が大企業のサラリーマンであった時にも課長になった途端に同じように歩き方に変化があったような人がいました。これは自分が偉くなったと自覚しているのだなと感じました。どのような出世であってもこの仕草はあまりカッコいいものではありません。

『春風を以って人に接し秋霜を以て自ら慎む』

とは佐藤一斉の言葉です。『春風の和やかさを持って人に接し、秋霜の鋭さを持って自らを規正する』その事を常に自分に問う為に手帳に書いておくとか小さな紙に書いて机に貼っておくとそれだけでも人に接する時の態度は大きく変わるのではないかと思います。また自分を律する時には調子づかずに秋の霜の冷たさをイメージする。

正しい事をやろうとか、人に優しく接しようというよりも春の風になった自分をイメージするとか、自分の中に秋の霜が降りたようなイメージで、といった方が行動に反映しやすいかも知れません。

子供との遊びの中で『次は石になってみよう』とか『次はふわふわした煙になってみよう』とか『水になってみよう』とか言います。すると不思議な事に実際子供を持ちあげてみた時、持ち手の人達が石をイメージした時の方が煙をイメージした時よりも重く感じるといいます。面白いのは水の方が石より重いそうです。

イメージは正確に描けばそれだけで 心と体を変化させるだけの力を持っているようです。そんなイメージを活用する為にも普段からもっと自然に接した生活を心掛けておくことが大切です。

感謝の心

命は自分が獲得したものではなく他から与えられて得たものです。従って感覚的には『与えられたもの』と思っていた方が幸せに繋がります。『自分で得た』と言う感覚だと『自分が努力したから』とか『苦労したから』といった思いが強くなり『奪われたくない』という考えに行きついてしまいます。

『与えられたもの』と思っていれば『少し分けてあげてもいいかな』という気持ちになれます。『今の状態で十分です』という納得感や感謝の心も起こってきます。感謝の心は自分をいい気分にさせてくれます。感謝の心を持つだけで意外と助かったりする事があります。

多くの宗教では『神に感謝する事で救われますよ』と言っていますが、感謝の心を持つだけでも自然に自分を救う事ができます。感謝の心を持っているとそれだけで否定的であった心が肯定に変わる事があります。『吾唯足るを知る』です。

吾唯足を知るの調味料ケース

私の場合、年齢を重ねたという事はそこまで命を継続できたのですから、その事に感謝しています。自分の身体や精神はもちろんの事、自然の恵みや周りの人達にも感謝しています。70歳まで命を継続できたのですから、その事に感謝しています。

年齢を重ねると身体的にも精神的にも衰える部分が出てきます。脳の前頭葉の衰えによる社会的喪失感から自負心やプライドが傷つけられたと感じて、丸くならずに『切れやすく』なります。この事により若い人達から『老害』と言われたりして嫌われます。

頑固な老人

老いたら子に従わないまでも、ちょっと譲る感覚を持った方が自分も相手も楽になります。世間では『信念を持つ』事がいいとされています。しかし信念は自分を固くします。頑固おやじの所には若者は集まってきません。年寄の頑固さを薄めるには、『こんな風に頑固な人がいて、それで周りの人がとても苦労しているのだよ』というように、たとえ話のように聞かせるのがいいらしい。

これは子供に対して何かを理解させるのと同じ考え方です。直接『頑固じゃダメなのだよ』と頑固な人に言っても反発を食らうだけです。

何事もそうですが、『ここぞ』と言う時にはあまり直接的には言わずに間接的に話した方が相手に伝わり易いものです。

頑固な人はすでに固いわけですから、そこに直接攻撃を加えても、もっと硬くなるだけです。その部分を固くせずにほぐしていくのがいいでしょう。間接的に話を持って行くにはそれなりのセンスが要りますが、そのセンスは生きていく上で様々な所で役立つと思います。

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