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悟無好悪(さとればこうおなし)

生きていく上で、私達は様々な人やモノ、事件と向き合う事になります。つまり好きと思う事とそうでない事があります。どういう気持ちでそれらに付き合えばいいのでしょう。

悟無好悪(さとればこうおなし)

『人に対しても、あるいはどんな事に対しても先入観を持つ事なく、あるがままの姿を見る事ができれば、好き嫌いなどは無くなってしまう』という意味です。

人と人との関係はとても不思議でとても曖昧な縁で出来ています。夫婦になるのもそうです。同じ時代に生まれたもの同士が何かの縁があって出会う。それは生まれつき決められたものではなく不思議な縁がふたりを結び付けたものです。出会って結婚する人もあれば、別れてしまう人もいます。

それもまた明確な理由があるわけではなく言葉には言い表せない縁によるものです。

同じ会社で仕事をするのも縁です。そんな『曖昧で素晴らしき縁』を大事にしたいものです。相手と自分の関係。そんなものを決めつけたところで意味はありません。もし望まない縁だと思っても、あえて切る事をせず、自然の流れに委ねていけばいいのです。

人生の中で自分に取って善き縁は必ず残っていきます。自分が望まない縁は消え去っていきます。不思議なもので縁とはそういうものです。

先入観を捨てて素直な気持ちでその人と接してみる。すると周りが言っていた『悪い部分』が実は自分に取っては素晴らしいものだと思う事もあります。人の性格や人となりは見方によっては、まるで反対の感じ方をするものです。

『これはいい性格』『これは悪い性格』というものは存在しません。優しさも同じです。優しさの表現のし方は皆違いますし、受け取る側もそれぞれです。厳しい言葉を優しさだと感じる人がいれば、それを意地悪だと感じる人もいます。受け取る側の掛けている色眼鏡の色によって評価が分かれているのです。

無念夢想

無念無想

これも禅の言葉です。一言で言うと『無心』です。心を空にしてどこにも置かない事です。

あれこれ考えず今やるべき事に気持ちを集中させます。そうする事で人間は素晴らしい力を発揮する事ができるという教えです。江戸時代の名僧、沢庵禅師は剣道の極意を次の様に説いています。

『相手の剣士と向き合った時、相手の肩に隙があると思えば心は相手の肩にのみ縛られてしまいます。腕に隙があると思えば腕に縛られてしまう。勝てると思えば勝つ事に縛られてしまう。そうではなく一切心をどこにも置かない事。一点に気力を集中しつつも心はどこにも置かない。これが剣の極意だ』と

仕事中に集中していると思っていても『休憩まであと何分だろう』とか『この仕事はつまらないなあ』等と考えている事は多いものです。逆に休日、遊んでいても仕事の事が頭をよぎったりもします。

今、目の前にある課題にただ没頭してみましょう。すると驚くほどのパワーが生れてきます。

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