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心のエコノミー症候群

コロナの影響により世界中で外出しない人が増えています。特に定年退職した人などは二重にこの病に罹りやすくなっています。心のエコノミークラス症候群に罹らないようにしましょう。

心のエコノミー症候群

家にじっとしているのは体にも心にも良い事ではありません。エコノミークラス症候群という疾病があります。家にいて部屋でずっと同じ姿勢で仕事などをしていると、脚も頭も血の巡りが悪くなります。外を出歩く習慣があれば、そんな心配は無用です。現役をリタイアした人が家にくすぶっていると、精神衛生上もよろしくありません。

夫婦の会話なども年と共に少なくなり、口を開くと『あれ、どした?』『どこかにあるでしょ』などと言葉がすれ違う。夫はストレスを貯め妻は煩わしい思いが残って、お互いの心に血栓のようなものができてしまいます。これは老年性『心のエコノミークラス症候群』で、お互いに気が付きにくいものです。

子供が独立し、夫婦だけの生活になると家庭の持つ機能は薄れていきます。そういう時、家庭がお互いにどれだけ精神のよりどころになるのか考えてみる必要があります。夫が現役を退いて活動拠点が家庭に移った場合、果たして生きがいを創出する場になるでしょうか。

かつて社会的安全装置として家庭が機能していたのも、夫が給料を稼いできたからです。その経済的な源泉がなくなれば家庭はおもしろくない。外に出る事は心を外に開く事です。心に張りができます。たとえ一人散歩であってもそこには外界との接点があります。外界との接点を持つ事で『心のしこり』が溶けます。第二の人生の生きがいはむしろ自分の生き方と考えた方が楽しく、愉快なものになります。

無難を選ばない

人はいつも『安定』や『安全』を求めています。『国家の安全』『身の安全』『職の安定』『経済の安定』出費を控えて大きい事を望まなければ一生安心であると考えられていました。こうした安全信仰は完全に消えたわけではありませんが、最近ではかなり怪しい考え方になっています。

安心は成長を妨害します。100%安心して、何も求めず何も気に病まず、毎日が決まった通りに過ぎていくとしたら成長し、変化し、何かを生み出す為の原動力はいったいどこで見つければいいのでしょう。『生き残るのは最強の種でも賢い種でもない。最も変化に適応できる種だ』とダーウィンは言いました。

私達は限りなく進化できる動物ですからいつも『安全地帯』に留まっていては成長できません。だから私達は時には強制的に押し出されるのがいいのです。多くの人達は『不安定は良くない』と教えられてきましたから、人生のこうした大きな変化を最初は受け入れがたいかも知れません。しかし、そんな時に私達が選択できる道は縮こまって、馴染んだ世界に身を隠し、敵が引き返していくのをただ待っているのか、未知の世界に踏み出して、成長し、適応し、豊かに生きるかの二つに一つなのです。

勇気を出して外界に踏み出し、新しい事に取り組みましょう。これが心のエコノミー症候群にならないコツです。

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