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軽トラを買いました

車の効用

クルマという密室は相手を説得するのに好都合です。狭い空間に並んで腰を下ろすというのはそれだけでお互いに親密感を抱きます。若かった頃はこれをデートで活用しました。

車はビジネスにも活用できます。これはビジネス指南書を読むまでもなく『誰もが経験則で知っている』と言う所にミソがあります。クルマという密室の効果を誰もが知っているという事は視点を変えると渦中の人間が同じクルマに同乗すればそこで密談なり説得が為されたと誰もが推測します。

この効果がねらい目です。しかもクルマは自在に移動できるから見せたい相手の所に行けます。クルマという密室を使うメリットは説得よりもむしろ『同乗した』という事実を周囲に見せる事にあります。この場合見栄でもいいので、商売道具として高級車を用意する事が必要です。日本ではドイツ製のメルセデスベンツが一般的で、ガソリン代にも事欠く貧乏なヤクザでも一応ベンツに乗っている人が多くいます。

軽トラックを買いました

ステファンのシートベルト付きの座席

反対に見栄を張る必要ない私は、実用性No.1の軽トラックを買いました。半年の入院期間と退院から2年が過ぎて身体機能が目覚ましく回復してきた事もあって、生きている世界をもっと広くしたいという強烈な願望が湧きおこったものです。

考えてみると入院したての頃は歩けなかったので、どんな事も看護婦さんに頼んで補助してもらいました。あのころは食事をする事も、トイレに行く事も電灯のスイッチに触る事も不可能でした。徐々に身体の機能が回復するにつれて、まず寝返りが出来るようになって、自分でトイレに行けるようにもなりました。毎日のリハビリで歩行訓練を続けていく内にコロナが流行してきた事もあってか、入院してから半年後にやっと退院させて頂きました。

外界の空気はすばらしい。その頃はまだ杖や歩行器の世話になっていましたがレストランで食事はできるし、会社へも行ける。家族に車に乗せてもらって買い物にも行けるというので、随分心が弾んだのを思い出します。

退院して一年後にペットショップで子犬のステファンを買いました。それから少しして彼の免疫ができて外出できるようになったので、散歩用自転車『Pet Porter』を買いました。これは電動式自転車で様々な装備が付いています。特にペットを乗せる為のシートベルト付きのカバンが付いている優れものです。毎朝、ステファンを乗せて比叡山の登山口にある砂防ダムへ二人で走りに行っています。

砂防ダムでランニング

それから一年して、更に体調が回復したので次は軽トラを買いました。一番安いグレードのものでしたので、マニュアル5段式でした。以前スポーツカーを愛車にしていましたのでマニュアルギアが特に嬉しくて、ギアチェンジを楽しんでいます。僕が20歳で大型免許の試験を受けた時にはシンクロの付いていないマニュアギア方式でおまけにパワーステアリングも無かったので、細い道のカーブを曲がる時等はハンドルが重くて腕が折れるかと感じたのを懐かしく思います。今の軽トラはマニュアルギア方式であってもフルシンクロでシフトダウン時にもギアがなりませんし、パワステが付いているので、すごく運転が楽です。エアコンも標準装備でした。

自動車の技術は日々進化していますので、運転は今後も更に自動化されて便利になっていくでしょう。しかし高齢者にとってはクラッチが付いていてアクセルとブレーキを踏み間違えての重大事故を起こしにくいマニュアル方式の方がお勧めかも知れません。

軽トラは構造が簡単でしかも扱い易いという事で米国ではブームになっているそうです。僕も荷台に格納庫を付けて、そこにアウトドア用の折り畳み椅子などを収納し、コロナ禍が始まってから若い人たちの間で流行っているというチェアリングなるものを楽しみたいと思っています。

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