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読書

仲島ひとみ著『それゆけ!論理さん(大人のための学習マンガ)』(筑摩書房/2018)を読みました。マンガが得意な、高校の国語の先生が書いたそうで、とにかくマンガが素敵でした。たぶん論理学の入門書界では、トップクラスのわかりやすさだと思います。それでも、一度読んだくらいでは、頭に残るものはごくわずかです。つくづく、自分に論理的なものの適性がないと思い知りました。まあ、ここに書かれた内容は、四の五の言わずに黙って覚えろ、と言われるほどの、基本でしょうが。

あー、論理的に考えたり、話したりしたい!……と切実に思うのですが、そもそも論理って、何なんですかね。

「論理」を辞書で調べると、
1)考えや議論などを進めていく筋道。思考や論証の組み立て。思考の妥当性が保証される法則や形式。2)事物の間にある法則的な連関。3)「論理学」の略。

「論理学」を調べると、
「論理学とは、「論理」を成り立たせる論証の構成やその体系を研究する学問である。

とあります。つまり、思考やそれを伝える時に利用する道具ですかね。論理の性質を研究する学問は、明らかに必要がないですよね、アーティストには。

ただ、美術作品も、アーティストの論理力が稚拙だと(思考の道具の力不足によって)、作品が稚拙になる可能性がありますよね。あの人の作品が稚拙なのは、あの人の論理が稚拙だから、とか。もちろん、それほど、論理性を要求しない作品もありますが。しかし、それを求めるのも、現代美術の必要条件ではないかと思います(十分条件ではない)。

もう一つ、ついでに。人間は言葉で思考するとも言えるわけですが、その言葉が稚拙だと、作品も稚拙と思われかねない。イメージは言葉にできないと言えなくもないですが、人間のイメージは、思考の制限を受けますよね。「自分の思考を超えたイメージを考える」って、可能なんですかね。考えるってことは、思考の中ってことですから。そして、それが思考ならば、言葉に出来そうです。

ただし、言葉は定義なので有限だけれど、イメージの有限性は、もう少し広かったり深かったりしそうですよね。そこが、アーティストのフィールドかな?

#アートの思考過程

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