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個展、始まってます。

僕がいろいろ書く理由は、書き留めないと次の瞬間から、考えた内容が忘却の彼方へ去り、二度と思い出せないからです。要は記憶力の問題です。しかし、そこで考えたことは、取っ掛かりみたいなもので、考えをその先に進めるには、やっぱり書くことが必要です。イメージ的には、思考のベースキャンプでしょうか。書き留めていないと、麓をぐるぐるとさまよい歩き、一歩も登れていないという状態になります。

で、その書いている内容が、なぜ具体的な作品についてではなく、環境やコンセプトに関わることなのかと言うと、それは自分を取り巻く環境の構造を可視化することで、進むべきルートを探り出そうとしているからです。そのルートは、今まで誰も通ったことがないはずで、もし誰かの通った足跡や轍の跡があれば、自分の進むべきルートではないと言えます。ずいぶん傲慢な言い方ですが、本来、現代美術ってそういうものですよね。

その自分だけのルートを、文脈を作る行為と言い換えることができます。でも、100%のカオスでは現代美術と言い難いので、既存の文脈との関係が大事です。つまり、どんな文脈と共通点があり、または共通しないのか。霧の中を歩いているのに、その道が他の道とどう関係しているのかを意識するのは、大変ですよね。でもまあ、それが現代美術をやる醍醐味ですが。

さて、個展が始まっております。アーティストは在廊して積ん読解消に励んでおります。

竹本博文展『Utamaro, Our Contemporary』
2019年9月14日〜28日 午後2時〜7時
会場:Contemporary Art and Spirits(CAS)


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