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『デカルト入門』

小林道夫著『デカルト入門』(ちくま新書刊/2006)を読みました。正直に白状すると後半は流し読みです。そもそも、全てを理解するのは無理な話で「コギト・エルゴ・スム(私は考える、ゆえに私はある)」だけやないで、というのを知った感じです。世界を、それまでのアリストテレス的なものから近代的なものに、ガラッと変えたのがデカルトでしょうか。

ところで、最近は近代的なものと、どう距離を取るか、それが自分の現代美術家としての本質ではないかと思い始めています。この距離を取るというのは、考えないとか無視するとかではなく、必要な距離を保つという意味なので、逆にがっつり近代を知る必要があります。

ただ、近代も一枚岩ではないので、その距離も一定ではなく、あるものとは距離を縮め、あるものとは果てしなく遠くになったりするのが、正しい振る舞いではないかと思います。もしも距離を取らなかったとしたら……、現実世界では近代人として生きているわけですから、近代的なものと密着、同化していると言えるのでしょうか。

そして、距離を取り始めるのがデカルトから、となるのでしょう。また、近代を知ると同時に、アリストテレス的なものをもう少し把握しなければとも思います。そしてさらに、まったく全貌はわからないのですが、マルクス・ガブリエルは近代を乗り越えるのに、芸術を特別な位置に置いているっぽいので、何とか理解を深めたいと思います。ただ、まだ芸術の非芸術に対する優越性のようなものしか目にしていないので、芸術にもいろいろあるけど、そこはどうよ!ってところも、今後の著作ならびに研究者の方々をフォローして確かめたいと思います。まあ、ガブリエルはそういう諸々のルールから自立している芸術はすごい、と言っているので、やや本末転倒ではありますが…。

さて次は、とりあえず時系列を一度お休みして『中世の覚醒』を読みます(まだ未入手)。


#アートの思考過程

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