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ソクラテス

新しいシリーズを思いついて、近所のアートアライでP30号のキャンバスを4枚注文したのですが、お盆をはさむので届くのに時間がかかり、その間は夏の読書ウィークになりました。

さっそく田中美知太郎著『ソクラテス』(岩波新書1957)を読み、ついでにKindleで読み放題だった光文社版の納富信留訳『ソクラテスの弁明』を読みました。

こういうのは、ふつう何歳ぐらいで読むものでしょうか。読まない人は一生読まないし、必要な人は、中高で絶対手に取りますよね。とりあえず意外だったのは、内容がギリシアの社会的な事情を生々しいほどに反映していることでした。古代ギリシアとか、もう少し牧歌的なイメージだったのですが、戦争に次ぐ戦争で、ソクラテスも従軍しています。

このソクラテスの人生って、かなり脚色されているのでしょうが、さすが西洋哲学、ここに始まる!って感じです。知らないということを知っている人が一番賢い。これを読んで「オレ、相当賢いんじゃね? 自分が何も知らないことを嫌というほど知ってるし!」と、つい思ってしまいますが、ソクラテスにとって、唯一賢いのは神です。それを美術界に例えると、神はアートワールドでしょうか。となると、アートをドヤ顔で語るのは一番愚か者と言うことになりますね…。おっと危ない、訴えられて死刑になる。アートも哲学も、終わりのない探求でしょうか。

さて、ソクラテスをもっと知りたい気もしますが、それをやっていると寿命が尽きるので、次はプラトンです。

#アートの思考過程

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