#4 私がPCに強くなった理由
3年生になっても、4年生になってもNは帰ってこなかった。
他にすきな男の子はできなかった。
何人か、私に好意を寄せてくれている男の子がいるのは知っていた。
それでも私はNが好きだった。
小学校5年生あたりの時、両親がPCを買った。
日曜日の朝、お父さんと一緒に起動させた。
あの音に感動したのを覚えている。
PCが来てから、NとEメールのやりとりをするようになった。
最初は学校でもらったローマ字表を見ながら、ゆっくりとしか打てなかった。
でもNと沢山お話がしたくて、たくさん文字を打つ練習をした。
おかげでブライングタッチもできるようになった。
私は懲りずにNにバレンタインのお菓子をあげていたのだが
ある年、Nのメールアドレスから「Nの父です」というメールが届いた。
いつもおいしいお菓子を送っていただきありがとうございます。
ついにNの父親からお礼のメッセージがくるようになった時はお母さんと笑ってしまった。
そして私たちが6年生になるとき、ついにNは帰ってきた。
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